アーケード版『平安京エイリアン』は、1979年に電気音響から発売された、アクションゲームの黎明期を飾る革新的なタイトルです。開発は東京大学理論科学グループ(TSG)という学生サークルによって行われ、もともとはマイコン用のゲームとして雑誌に掲載されたものが原型となっています。平安京を模した碁盤の目状のフィールドを舞台に、プレイヤーは「検非違使(けびいし)」を操作し、侵略してきたエイリアンを穴に落として埋めることで退治していくというユニークなゲームジャンルを確立しました。その独創的なアイデアと、東大生が開発したという話題性から、当時のゲームファンやマイコンマニアの間で大きな注目を集めました。
ゲーム概要
『平安京エイリアン』は、固定画面の迷路内で展開するアクションゲームです。画面中央の通路を移動しながら、プレイヤーはエイリアンの進路を読み、前方のマスに穴を掘ります。エイリアンが穴に落ちたら、その穴を埋め切ることで1体を処理できます。
直接攻撃で敵を倒すのではなく、穴を仕掛けて誘い込み、落ちた敵を埋める流れが基本です。面内にいるエイリアンをすべて退治すると次のパターンへ進みます。最終面で終わるタイプではなく、パターンを進めながら続いていく構成です。
時間をかけすぎると、通常より多くのエイリアンが出現する、または処理対象が大きく増えるため、逃げ続けるだけでは状況が悪くなります。安全な穴を作り、落ちた敵をすぐ埋め、面を長引かせないことが攻略の軸になります。
| ジャンル | 迷路型アクション |
| 目的 | 穴に落としたエイリアンを埋めて退治する |
| 面クリア条件 | 画面内のエイリアンをすべて処理 |
| 進行形式 | パターン進行型 |
画面の見方

画面上部にはスコアとハイスコアが表示され、中央の大部分が迷路フィールドになります。プレイヤーとエイリアンは通路を移動し、プレイヤーは通路上に穴を作って敵を捕まえます。
画面下部には残機表示やクレジット表示があります。残機は画面下部左側のプレイヤーアイコンで示され、画面右下はCREDIT表示です。
| 表示要素 | 役割 |
|---|---|
| SCORE | 現在の得点 |
| HI-SCORE | 最高得点 |
| 迷路 | プレイヤーとエイリアンが移動するフィールド |
| 穴 | エイリアンを落とすための仕掛け |
| 残機表示 | 画面下部左側のプレイヤーアイコン |
| CREDIT | 画面右下に表示されるクレジット数 |
操作方法
操作は4方向レバーと2ボタンです。ボタンは穴を掘る操作と、穴を埋める操作に分かれています。どちらもプレイヤーの足元ではなく、向いている方向の前方マスに対して行われます。
この仕様を知らないと、敵の前で慌ててボタンを押しても、思った場所に穴を作れないことがあります。プレイヤーの立ち位置、向き、前方マスの位置をセットで見ると、穴掘りと穴埋めの失敗が減ります。
| 操作 | 内容 | 攻略での使い方 |
|---|---|---|
| 4方向レバー | 検非違使を上下左右に移動 | エイリアンとの距離を取りながら、掘る位置へ移動する |
| 穴掘りボタン | 前方のマスに穴を掘る | 敵が通りそうな通路に先回りして穴を作る |
| 穴埋めボタン | 前方の穴を埋める | エイリアンが落ちた穴をすばやく埋めて得点にする |
穴の使い方
穴は一度の操作ですべてが完了する罠ではなく、掘り進めることで使える状態に近づき、埋めると段階的に元へ戻ります。エイリアンを落とすには、敵が通る前に穴を用意しておく必要があります。目の前に来た敵へ反射的に掘るより、通路の先に先回りして仕掛ける方が安定します。
穴掘りと穴埋めは、どちらもプレイヤーが向いている方向の前方マスに対して行います。足元を掘るわけではないため、穴の位置と自分の立ち位置がずれる点に注意が必要です。掘ったあとに一歩ずれて待つ、落ちたら正面へ回って埋める、という動きを覚えると処理速度が上がります。
通常時に画面上へ作れる穴はおおむね8個までです。同時または協力プレイでは、より多くの穴を扱える仕様です。ただし、穴を増やしすぎると自分の移動ルートも狭くなります。序盤は数を増やすより、落としたあとに確実に埋められる穴を少数作る方が安全です。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 操作対象 | プレイヤーの前方マス |
| 穴の状態 | 段階的に変化 |
| 通常時の穴数 | 最大8個程度 |
| 同時プレイ時 | 最大16個程度まで扱える |
敵の動き
エイリアンは迷路内を移動し、プレイヤーに接触するとミスになります。こちらを一直線に追ってくるだけではなく、通路の形や位置関係によって動きが変わるため、広い場所で待つと進路を外されやすくなります。
危ないのは、穴を掘っている最中に横の通路から別のエイリアンが入ってくる場面です。1体を穴に落とせそうでも、背後や左右の通路がふさがっていると、埋めに行く前に逃げ場を失います。敵を落とす位置は、同時に自分が逃げ直せる位置であるかを見て決めたいところです。
狙いやすいのは、直線通路、曲がり角の手前、袋小路に近い場所です。エイリアンの進路が読みやすく、落ちたあとに正面から埋めやすい場所ほど成功率が上がります。広い交差点で無理に仕掛けるより、敵の進路が絞られる場所へ誘導した方が安全です。
パターン進行
エイリアン数は4体、6体、8体の順に増えます。8体の次は再び4体に戻りますが、そのタイミングで速度と得点帯が一段上がります。この組み合わせによって、全9パターンの流れが作られています。
| 区間 | エイリアン数 | 得点帯 | スピード |
|---|---|---|---|
| パターン1〜3 | 4体→6体→8体 | 100〜300点 | normal |
| パターン4〜6 | 4体→6体→8体 | 300〜500点 | speed up |
| パターン7〜9 | 4体→6体→8体 | 500〜700点 | more speed up |
パターン1〜3は、まず敵数の増加に慣れる区間です。速度は通常のままですが、8体になるパターン3では、画面全体を見て動かないと横から挟まれやすくなります。
パターン4〜6では得点帯が上がる一方、敵の動きも速くなります。序盤と同じ感覚で深追いすると、埋めに行く途中で接触しやすくなります。高得点を狙うより、落とした敵を安全に処理する判断が欲しい区間です。
パターン7〜9はさらに速度が上がり、得点も500〜700点になります。稼ぎどころではありますが、欲張って穴の近くに長く居座ると危険です。落とす位置を絞り、無理な穴は捨てる判断が生存につながります。
9パターンを終えてもそこで完結する構成ではなく、以降もパターンを繰り返します。
時間切れ
各面には時間管理があり、長引きすぎると時間切れのペナルティが発生します。時間切れ後は、通常の4体、6体、8体という流れを外れ、エイリアン数または処理対象が最大16体相当に増えます。
ここまで増えると、序盤のように穴を作って待つ余裕はほとんどありません。逃げ道が次々にふさがり、埋めに向かう動きも危険になります。時間切れを待ってから巻き返すゲームではなく、時間切れを起こさないように処理速度を上げるゲームだと考えた方が安定します。
このため、面の前半で安全な穴を作り、落ちた敵をすぐ埋めて数を減らすことが大切です。安全を見すぎて処理が遅れると、盤面が一気に苦しくなります。1体ずつ確実に埋めることと、面全体を長引かせないことの両立が攻略の軸になります。
スコア仕様
得点が入るのは、エイリアンが穴に落ちた瞬間ではなく、穴を埋め切った時点です。この点は攻略上かなり大きく、落とした敵を放置している間はまだ得点にもつながっていません。
| パターン | 得点範囲 | 得点の考え方 |
|---|---|---|
| 1〜3 | 100〜300点 | 早く埋めるほど300点に近づく |
| 4〜6 | 300〜500点 | 早く埋めるほど500点に近づく |
| 7〜9 | 500〜700点 | 早く埋めるほど700点に近づく |
得点帯はパターンによって変わります。パターン1〜3は100〜300点、パターン4〜6は300〜500点、パターン7〜9は500〜700点です。同じ得点帯の中では、落としてから埋めるまでが早いほど高得点になりやすい仕様です。
高得点を狙うなら、穴を作る位置よりも、埋めに戻れる距離が大切です。敵が落ちたあとに遠回りしなければならない穴は、倒せても得点が伸びにくくなります。直線通路の途中や曲がり角の手前など、落ちた直後に正面から埋められる場所を選ぶと、得点と安全を両立しやすくなります。
また、1000点相当と見られる特殊な得点が入る可能性もあります。ただし、通常プレイ中の具体的な発生条件はまだはっきりしていないため、ここでは参考仕様として扱います。
残機とミス
残機設定は3機または5機です。画面下部左側には、現在操作している1人分を除いた残り人数が、プレイヤーアイコンとして表示されると見られます。
主なミス条件はエイリアンとの接触です。完全に重なった場合だけでなく、近接した状態でミスになる可能性もあるため、敵の横を無理にすり抜ける動きは危険です。
ミスの多くは、穴を掘る瞬間と、落ちたエイリアンを埋めに戻る瞬間に起こります。穴を掘るために敵の進路へ近づきすぎると、そのまま接触しやすくなります。埋めに行く場合も、落ちた敵だけを見ていると、別のエイリアンに横から挟まれることがあります。
安全に動くには、穴、落ちた敵、周囲の敵、自分の逃げ道をまとめて見る必要があります。特に6体以上のパターンでは、1体を倒すことよりも、倒したあとに次の通路へ抜けられるかを優先した方が残機を守れます。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| 残機設定 | 3機または5機 |
| 残機表示 | 画面下部左側のプレイヤーアイコン |
| 主なミス | エイリアンとの接触 |
| ゲームオーバー | 残機がなくなると終了 |
2人プレイ
2人プレイには交互プレイと協力系のモードがあります。交互プレイでは1Pと2Pが順番にプレイし、協力系では2人で同じ場面を進める設定です。協力系では穴の数も通常より多く扱える場合がありますが、得点の入り方やミス時の細かな処理には不明な点があります。
攻略の流れ
序盤の狙いは、直線通路に穴を作り、落ちた敵をすぐ埋める基本形を覚えることです。広い場所よりも、進路が読みやすい細い通路の方が成功しやすくなります。4体のうちは敵の数が少ないため、穴を作る位置と逃げ道を確認しながら動けます。
パターン2、3では敵数が6体、8体に増えます。1体を落とせそうな場面でも、別のエイリアンが横から近づいていないかを先に見ます。埋めに行く道がふさがりそうなら、落とした敵を無理に追わず、次の通路へ逃げ直す判断も必要です。
中盤以降は、空振りの穴を放置しない判断も効いてきます。使えない穴を残したまま動くと、自分の行動範囲が狭まり、埋め操作にも余計な時間を取られます。安全なタイミングで整理し、次の敵を落としやすい形に戻すと粘りやすくなります。
後半の狙いは、得点よりも処理の確実さを優先することです。高得点帯では早く埋めたい気持ちが出ますが、敵の速度も上がっています。落ちた敵の周囲に別のエイリアンが近づいているなら、無理に埋めず、いったん距離を取って次の機会を待つ判断も必要です。
時間切れが近い展開では、逃げ回るだけの時間がそのまま危険につながります。16体相当に増えた状態は、通常の面とは別物です。苦しい場面ほど、近くの1体を確実に落として埋め、敵数を減らす動きに戻したいところです。
テクニック
『平安京エイリアン』には複数のテクニックがあります。「隠居掘り」は自分の前後に穴を掘り死角をなくす方法です。「アキバ掘り」は十字路の中央に位置し、4方向に穴を掘る初心者向けの技です。「長野掘り」は丁字路の交差点に穴を掘ることでエイリアンの動きを制限します。「心臓掘り」はエイリアンのタイミングを計算して掘る技、「伊藤掘り」はエイリアンが新しい穴に落ちるのを待って即座に埋める技です。「イゲタ掘り」はイゲタ状に穴を掘り、多方向のエイリアンに対処します。
隠居掘り

「隠居掘り」は、検非違使の前後に穴を掘ることで、不意打ちを防ぎ、エイリアンからの攻撃を効果的に避ける方法です。具体的には、検非違使が進む方向の直前と直後にそれぞれ穴を掘ります。これにより、エイリアンが近づいてきたときに前後の穴に落ちやすくなり、安全な位置で待ち構えることができます。隠居掘りの利点は、エイリアンが複数の方向から接近する場合でも、一時的に安全な場所を確保できる点にあります。特にエイリアンが多数出現するステージでは、このテクニックが非常に有効です。しかし、隠居掘りには注意点もあります。エイリアンが2匹以上で来る場合、最初のエイリアンが穴に落ちても、次のエイリアンがすぐに仲間を助けに来るため、逃げ道がなくなりやすいのです。このため、エイリアンが多い局面では隠居掘りだけで対応するのは難しく、他のテクニックとの組み合わせが必要になります。
アキバ掘り

「アキバ掘り」は、十字路の中央に検非違使を配置し、4方向の次の十字路に穴を掘る方法です。この配置は、JR秋葉原駅の形状に似ていることから「アキバ掘り」と名付けられました。アキバ掘りの利点は、エイリアンが穴に落ちやすくなる点です。4方向に均等に穴を配置することで、どの方向からエイリアンが来ても、必ずどこかの穴に落ちる可能性が高まります。これは、エイリアンが複数同時に接近してくる場合でも効果的で、エイリアンの動きを分散させることができます。しかし、アキバ掘りには欠点もあります。それは、逃げ道が制限されることです。四方に穴を掘るため、検非違使が移動できるスペースが少なくなり、エイリアンに囲まれた場合の回避が難しくなります。そのため、アキバ掘りを使用する際には、エイリアンの動きを予測し、適切なタイミングで穴を掘ることが重要です。
長野掘り

「長野掘り」は、エイリアンの動きを利用した戦術です。丁字路(T字型の交差点)で行われるこのテクニックでは、エイリアンが直線的に動く傾向を利用します。丁字路の交差点部分に穴を掘り、検非違使はその一方側に位置します。エイリアンはプログラム上、直線区間を動く確率が高いため、丁字路の交差点に来るとそのまま直進することが多くなります。この方法では、エイリアンが直線区間を進む確率が高いため、他の方向に曲がってこないことを前提にしています。つまり、交差点に掘った穴にエイリアンが落ちる可能性が高くなります。また、エイリアンが穴を埋めてしまった場合でも、検非違使がいる側には来ないため、安全に次の動作を行うことができます。ただし、このテクニックにはリスクも伴います。エイリアンが多くなりすぎると、丁字路の穴に複数のエイリアンが同時に来る可能性が高まり、その結果、一部のエイリアンが穴を無視して検非違使に向かってくることがあります。このテクニックは、長野県出身のTSGメンバーが編み出したことから「長野掘り」と名付けられました。
心臓掘り
「心臓掘り」は、エイリアンの動きとタイミングを精密に計算しながら行う技です。エイリアンが迫ってくる状況で、プレイヤーは迅速かつ正確に穴を掘り、エイリアンを罠にかける必要があります。この技の難しさは、エイリアンが穴に落ちるまでのタイミングを見極めることにあります。失敗すると、エイリアンに接触してミスとなるため、プレイヤーの集中力と反射神経が試されます。また、穴を掘るタイミングが少しでも遅れると、エイリアンが穴を通過してしまうか、掘った穴に引っかからずにプレイヤーに迫ってきます。そのため、正確なタイミングと場所を見極め、冷静に対処することが求められます。心臓掘りは、その名の通りプレイヤーの心臓に負担がかかるような緊張感のある技であり、成功したときの達成感もひとしおです。このテクニックをマスターすることで、エイリアンの多いステージでも効率よく対処できるようになります。
伊藤掘り
「伊藤掘り」とは、エイリアンを効率よく撃退するための高度なテクニックです。この方法では、まずエイリアンをひとつの穴に落としますが、すぐに埋めるのではなく、エイリアンが這い上がるのを待ちます。エイリアンが穴から這い上がった瞬間に、その隣に新しい穴を掘ります。エイリアンは這い上がってから再び隣の新しい穴に落ちるため、このタイミングで即座に埋めることが可能です。伊藤掘りの利点は、エイリアンを効率的に連続して撃退できる点にあります。エイリアンが一度に複数出現する場合や、エイリアンの動きが速くなったステージでは特に有効です。落としたエイリアンがすぐに這い上がる前に新しい穴に落とし込むことで、時間を節約し、高得点を狙うことができます。このテクニックは、東大TSGのメンバーである伊藤氏が考案したことからその名が付けられました。『ゲームセンターあらし』という漫画でも紹介され、あらしがこの技を使うシーンが描かれています。
イゲタ掘り
「イゲタ掘り」は、通路上の一区画に存在する十字路4つに対して、隣接する2方向、計8方向に穴を掘ることで、イゲタ(井桁)状の形を作ります。この配置により、エイリアンがどの方向から進入しても、必ず穴に引っかかるようになります。イゲタ掘りの大きな利点は、エイリアンが穴に落ちやすいだけでなく、検非違使が穴に挟まれた状況でも逃げ道が確保される点です。さらに、伊藤掘りを組み合わせることで、効率的にエイリアンを処理することが可能です。エイリアンが穴から這い出しても、必ず同じ方向に進むため、再び新しい穴に落としやすくなります。ただし、この技術は穴を掘る位置とタイミングが重要で、エイリアンの動きを予測しながら迅速に掘る必要があります。特にエイリアンが増えてくる後半のステージでは、イゲタ掘りを効果的に使うことで、戦局を有利に進めることができます。
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