『アウトラン』は、1986年にセガから登場したアーケード用ドライビングゲームです。赤いスポーツカーを操り、制限時間内にチェックポイントを通過しながら、分岐するコースの先にあるゴールを目指します。順位を競う周回レースではなく、好きなBGMを選び、景色の変わる道を走り抜けるタイム制のドライブゲームとして作られている点が大きな魅力です。全15区間のコースから1プレイで5区間を走行し、最終的には5種類のゴールへ分かれます。
ゲーム概要
『アウトラン』は、画面奥へ向かって道路が伸びていく疑似3D表現のドライビングゲームです。プレイヤーは後方視点で自車を操作し、一般車をかわしながら制限時間内にチェックポイントへ到達していきます。
コースは一本道ではなく、各ステージの終盤で左右に分岐します。どちらへ進むかによって次の景色や道の性格が変わり、最終的にはGoal AからGoal Eまでのいずれかに到達します。1回のプレイで走るのは5区間ですが、全体では15区間が用意されています。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| ゲーム形式 | 制限時間内にチェックポイントを目指すドライビングゲーム |
| 総コース区間 | 15区間 |
| 1プレイの走行区間 | 5区間 |
| 分岐回数 | 4回 |
| 最終ゴール | 5種類 |
| ルート組み合わせ | 16通り |
画面の見方
画面中央にはプレイヤーの車が表示され、道路は奥へ向かって伸びています。前方には敵車が現れ、道路脇には看板、木、岩、建物などのオブジェクトが並びます。高速で走っているときほどステアリングの反応が大きく、カーブでは車体が外側へ流されます。
画面には制限時間、スコア、速度、ギア状態などが表示されます。制限時間が残っているうちにチェックポイントへ到達すれば時間が追加され、次の区間へ進みます。タイムが尽きると、その時点で走行終了です。
| 表示要素 | 役割 |
|---|---|
| 自車 | プレイヤーが操作する車 |
| 敵車 | 走行を妨げる一般車。追い抜くと得点になる |
| 制限時間 | チェックポイントまでに残された時間 |
| スコア | 走行、追い抜き、ゴールボーナスで加算される |
| 速度表示 | 現在の走行速度の目安 |
| ギア表示 | LOWまたはHIGHの状態を示す |
操作方法
操作はステアリング、アクセル、ブレーキ、LOW/HIGHギアが中心です。アクセルで加速し、ステアリングでラインを作り、必要に応じてブレーキで速度を落とします。ギアは2速で、LOWは低速域、HIGHは高速域に向いています。
スタート直後やクラッシュ後はLOWで加速し、速度が乗ったところでHIGHへ入れるのが基本です。HIGHのまま低速から立ち上がろうとすると加速が鈍く、タイムを失いやすくなります。
| 操作 | 内容 | 攻略での使い方 |
|---|---|---|
| ステアリング | 自車を左右に動かす | 敵車を避け、カーブで外へ流される動きを抑える |
| アクセル | 車を加速させる | 直線や緩いカーブで速度を維持する |
| ブレーキ | 車を減速させる | 急カーブや混雑した場面で姿勢を立て直す |
| LOWギア | 低速域向けのギア | スタート直後やクラッシュ後の再加速に使う |
| HIGHギア | 高速走行向けのギア | 速度が乗った後の巡航に使う |
BGM選択
ゲーム開始時には、ステアリング操作でBGMを選べます。この演出は『アウトラン』をただのレースゲームではなく、ドライブゲームとして印象づける場面です。曲を選び、その音楽を背に海辺の道へ走り出す流れは、当時のアーケードゲームの中でも強い個性を放っていました。
| 楽曲名 | 特徴 |
|---|---|
| MAGICAL SOUND SHOWER | サンバのリズムでノリ最高 |
| PASSING BREEZE | 快適な都会派ミュージック |
| SPLASH WAVE | 大人の感覚のクリスタルサウンド |
選んだ曲でコース内容が変わるわけではありません。それでも、どの曲で走るかによってプレイ中の印象は大きく変わります。好きな音楽を選んで走る。その出発前のひと手間まで含めて、『アウトラン』の楽しさです。
コース分岐
コースは三角形のような分岐構造になっています。最初はCoconut Beachから始まり、各ステージの終盤で左右どちらかの道を選びます。分岐を4回重ねることで、最終的にGoal AからGoal Eまでのいずれかに到達します。
| ステージ | 区間数 | 主なコース |
|---|---|---|
| Stage 1 | 1区間 | Coconut Beach |
| Stage 2 | 2区間 | Gateway、Devil’s Canyon |
| Stage 3 | 3区間 | Desert、Alps、Cloudy Mountain |
| Stage 4 | 4区間 | Wilderness、Old Capital、Wheat Field、Seaside Town |
| Stage 5 | 5区間 | Vineyard、Death Valley、Desolation Hill、Autobahn、Lakeside |
左右の分岐は、単にゴールを選ぶだけではなく、練習の進め方にも関わります。毎回違う道を選ぶと、カーブの流れや敵車の出方を覚えにくくなります。初めて完走を狙うなら、まずはひとつのゴールを決め、同じ分岐を選び続けて走りを固めるのが近道です。
| 分岐 | 左ルート | 右ルート |
|---|---|---|
| Stage 1後 | Gateway方面 | Devil’s Canyon方面 |
| Stage 2後 | Desert / Alps方面 | Alps / Cloudy Mountain方面 |
| Stage 3後 | Wilderness / Old Capital / Wheat Field方面 | Old Capital / Wheat Field / Seaside Town方面 |
| Stage 4後 | Goal A〜D方面 | Goal B〜E方面 |
分岐前に迷うと、車を大きく左右へ振ることになり、速度を落としたり道路端へ寄りすぎたりしやすくなります。行きたいゴールを先に決め、分岐が見える前から車を寄せておくと、チェックポイント通過後の流れも崩れにくくなります。
| ゴール | 最終コース |
|---|---|
| Goal A | Vineyard |
| Goal B | Death Valley |
| Goal C | Desolation Hill |
| Goal D | Autobahn |
| Goal E | Lakeside |
エンディングは、最終的に到達したGoal A〜Eによって変わります。途中の通過ルートが違っても、同じゴールに着いた場合は同じ系統のエンディングになります。
タイマー
『アウトラン』の走行は制限時間制です。標準設定では、スタート時の持ち時間は75秒です。チェックポイントを通過すると区間ごとに時間が追加され、Stage 2以降はおおむね55〜65秒前後の追加時間で次の道へ進みます。
タイムを削る最大の原因は、最高速が少し落ちることよりも、クラッシュで完全に流れが止まることです。多少速度を落としても安全に抜ける判断が、後半ではそのまま完走率につながります。
| 区間 | 標準設定の時間 | 攻略での見方 |
|---|---|---|
| Stage 1 | 75秒 | 速度を乗せ、操作感をつかむ区間 |
| Stage 2 | 62〜65秒 | 分岐後のコースに慣れる区間 |
| Stage 3 | 55〜60秒 | 敵車とカーブの重なりに注意する区間 |
| Stage 4 | 60〜65秒 | クラッシュを避けて最終区間へつなぐ区間 |
| Stage 5 | 56秒前後 | 残り時間を守ってゴールへ運ぶ区間 |
時間設定は筐体側の設定で変わります。Easyでは余裕が増え、HardやHardestでは初期時間や一部区間の追加時間が厳しくなります。さらに敵車数の設定も体感難度に影響するため、同じ『アウトラン』でも店によって難しさが違って感じられることがあります。
敵車の動き
敵車はただ一直線に走るだけではありません。前方の車との距離を見ながら速度を落としたり、左右へ進路を変えたりします。プレイヤーが追いつく場面では、敵車同士が並んで道をふさぐこともあります。
敵車が増える後半は、正面から追いついてから避ける走り方では間に合いません。画面奥に車影が見えた段階で、左から抜くか右から抜くかを決めておきます。敵車の真後ろまで近づいてから進路を選ぶと、左右の余白が足りず、接触しやすくなります。
| ステージ | Easy | Normal | Hard | Hardest |
|---|---|---|---|---|
| Stage 1 | 2 | 3 | 4 | 5 |
| Stage 2 | 2 | 4 | 5 | 6 |
| Stage 3 | 3 | 5 | 6 | 7 |
| Stage 4 | 4 | 6 | 7 | 8 |
| Stage 5 | 5 | 7 | 8 | 8 |
表の数値は、同時に出現する敵車数の上限として見ると分かりやすいです。ステージが進むほど道路上が混みやすくなり、難しい設定では序盤から抜きどころが狭くなります。
敵車が2台並んでいるときは、中央を抜けそうに見えても接触しやすい場面です。片側が空くまで待つか、軽く減速して列の後ろにつく方が安全です。急カーブ中の追い抜きも危険で、車が外へ流される動きと敵車回避が重なると、道路脇の障害物へ飛び込みやすくなります。
自車の挙動
自車の動きは、アクセル、ブレーキ、ギア、路面状態、衝突状態によって変わります。LOWギアでは低速から加速しやすく、HIGHギアでは速度が伸びます。クラッシュ後にHIGHのまま走り出そうとすると立ち上がりが鈍くなるため、LOWへ戻してから速度を作り直すとロスを抑えられます。
高速になるほど、ステアリング操作による横移動も大きくなります。直線では細かな修正、急カーブでは早めの姿勢作りが必要です。カーブは、曲がり始めてから反応するより、道路の先が曲がって見えた時点で準備する方が安定します。
右カーブなら早めにやや右寄りへ、左カーブならやや左寄りへ車を置き、外側へ流される余白を作っておくと、オフロードや障害物への接触を避けやすくなります。カーブ中に外へ膨らみすぎた場合は、無理にアクセルを踏み続けるより、少し速度を落として道路内へ戻す方がタイムを守れます。
| 状態 | 走行への影響 |
|---|---|
| アクセルオン | ギアと速度に応じて加速する |
| アクセルオフ | 自然に減速する |
| ブレーキ | 速度を大きく落とす |
| オフロード | 加速しにくくなり、減速が強くなる |
| 敵車接触 | スリップや反動が発生し、速度が落ちる |
| クラッシュ | 大きく減速し、復帰まで時間を失う |
当たり判定
接触の対象は、大きく分けて敵車、路肩、道路脇の障害物です。敵車と重なるとスリップや反動が発生し、状況によってはクラッシュします。道路の外へ出るとオフロード扱いになり、速度が落ちます。
道路脇の看板や木、岩などに当たるとクラッシュになります。高速走行中のクラッシュは時間の損失が大きく、チェックポイント到達を一気に難しくします。カーブで外へ膨らむと障害物に吸い込まれるような形になりやすいので、早めに内側へ寄せておく走りが安全です。
| 判定 | 内容 | 避け方 |
|---|---|---|
| 敵車接触 | 敵車との位置が重なると発生 | 追い抜きは広い側から入り、無理な割り込みを避ける |
| 路肩判定 | 道路幅の外へ出ると減速 | カーブ前に内側へ寄せ、外へ流されすぎないようにする |
| 障害物衝突 | 道路脇のオブジェクトに当たるとクラッシュ | オフロード状態で粘りすぎない |
スコア仕様
スコアは、走行中の速度による加点、敵車の追い抜き、ゴール時の残り時間ボーナスで構成されます。高得点を狙うなら、速度を落とさずに走り、敵車を安全に追い抜き、ゴール時に時間を多く残す走りが必要です。
| 得点要素 | 得点 | 攻略での意味 |
|---|---|---|
| 走行スコア | 速度が高いほど増加 | 高速走行を続けるほど伸びる |
| 敵車追い抜き | 1台20,000点 | 直線や広い場面で狙う |
| ゴールボーナス | 残り1秒につき100,000点 | クラッシュ回避と早着が大きな得点差になる |
走行スコアは速度に応じて段階的に増えます。低速で安全に走るだけではスコアが伸びにくく、かといって高速で無理をするとクラッシュで時間を失います。『アウトラン』のスコア稼ぎは、速さと安定のバランスをどこで取るかにあります。
| 速度段階 | 加算値の目安 |
|---|---|
| 低速域 | 0〜150点 |
| 中速域 | 200〜600点 |
| 高速域 | 710〜1250点 |
ゴールボーナスは残り時間1秒につき100,000点です。敵車を5台抜くのと、1秒早くゴールするのが同じ価値になります。最終区間では、強引な追い抜きよりも、クラッシュを避けて時間を残す判断がスコアに直結します。
ランキングでは、スコア、名前、ルート、記録が表示されます。名前入力はアルファベットを使った3文字形式です。ランキングにルートが残るため、同じスコア争いでもプレイヤーごとの走り方が見えてきます。
目的別攻略
『アウトラン』は、完走を狙う段階と高得点を狙う段階で走り方が変わります。まずはクラッシュを減らしてゴールへ届かせ、次に敵車追い抜きや残り時間を意識してスコアを伸ばしていく流れが自然です。
| 目的 | 走り方 | 避けたい行動 |
|---|---|---|
| 完走狙い | クラッシュ回避を優先し、無理な追い抜きを控える | 狭い隙間への強引な進入 |
| 高得点狙い | 直線で敵車を抜き、高速走行と残り時間を両立する | 急カーブ中の追い抜き狙い |
| ルート練習 | 同じ分岐を選び、カーブと敵車配置の流れを覚える | 毎回違うルートを選んで記憶を散らす |
完走を狙う段階では、敵車追い抜きの20,000点にこだわりすぎない方が安定します。接触で速度を落とすと、走行スコアも残り時間も失います。危険な追い抜きをひとつ我慢してクラッシュを避ける方が、結果的に高いスコアへつながる場面も多くあります。
高得点を狙う段階では、直線区間で敵車をまとめて抜き、急カーブでは無理をしない走りに切り替えます。常に攻め続けるのではなく、稼ぐ場所と守る場所を分けると、ゴールボーナスまで含めたスコアが伸びやすくなります。
筐体と演出
『アウトラン』には、通常のアップライト系だけでなく、筐体が左右に動くムービングタイプも用意されていました。カーブや走行状態に合わせて筐体が傾くことで、画面だけではなく身体でも走行感を味わえる作りです。
| 筐体タイプ | 内容 |
|---|---|
| MOVING | 筐体が左右に動くタイプ |
| UP COCKPIT | アップライトまたはコックピット系 |
| MINI UP | 小型アップライト系 |
ムービング筐体では、左限界、右限界、中央位置などを確認する仕組みがあります。画面、音楽、操作、筐体の動きが一体になっているところに、アーケード版『アウトラン』ならではの体験があります。
攻略の流れ
序盤の狙いは、クラッシュせずに速度を乗せることです。スタート直後はLOWギアで加速し、速度が上がったらHIGHへ入れます。最初のCoconut Beachでは、敵車の動きとカーブで外へ流される感覚をつかみながら、できるだけ高い速度を維持したいところです。
序盤で意識したいのは、敵車を抜く位置です。真正面から追いついてから慌てて避けるより、早めに左右どちらへ抜くかを決めておくと安定します。敵車の追い抜きは20,000点になりますが、接触で速度を落とすとタイムもスコアも失います。
中盤の狙いは、カーブと敵車の重なりをさばくことです。ステージが進むと同時に出る敵車が増え、カーブの途中で進路をふさがれる場面も増えてきます。ブレーキを使わずに抜けられるなら理想ですが、無理な高速維持でクラッシュするより、軽く減速して安全なラインを作る方が結果的に速くなります。
中盤以降は、分岐前のライン取りも大切です。左右どちらのルートへ進むかを早めに決め、分岐直前で大きく振らないようにします。ルート選択に迷っていると、分岐地点で速度を落としたり、道路端へ寄りすぎたりしやすくなります。
後半の狙いは、残り時間を守ってゴールへ運ぶことです。Stage 4以降は敵車数が増え、道路脇の障害物も危険になります。高得点を狙って強引に追い抜くより、クラッシュを避けて時間を残す方がゴールボーナスにつながります。
最終区間では、残り時間1秒が100,000点の価値を持ちます。敵車1台の20,000点より、数秒早くゴールする方が大きなスコア差になります。安全に速く走ることが、そのままスコア稼ぎにもなるのが『アウトラン』らしいところです。
必須テクテクニックをマスター
完走のために不可欠なのが、スピード維持とクラッシュ回避の技術です。まずは、タコメーターの針を特定域に保ち、スタートと同時に「Hi」ギアへ入れる「ロケットスタート」を習得しましょう。走行中は、無理な速度でのコーナリングを控え、アクセルを軽く離す「アクセルオフ」で曲がりきるのが基本です。本作では一度のクラッシュによるタイムロスが致命傷となるため、無理に突っ込むよりも「確実に減速してコース内に留まる」ことが、全5ステージを走り抜き、最終チェックポイントを通過する最短距離となります。
ギアガチャで限界を超える
アーケード版を極める上で欠かせないのが「ギアガチャ」と呼ばれる高等テクニックです。これは「Hi」と「Low」のギアを高速で切り替え続けることで、特殊な車両挙動を引き出す技です。本来、コース外の草地や砂地に入ると速度が激減しますが、ギアガチャを行えばオフロードでも速度低下を抑えて走行できます。これを利用して、15種類あるシーンの中の急カーブをイン側からショートカットするなど、常識外の攻略が可能になります。ただし、筐体への負担も考慮し、リズム良く正確に入力する繊細な操作を心がけましょう。
『アウトラン』は、美しいグラフィック、心躍るサウンド、そして奥深い攻略要素が結実した、アーケードゲーム史に輝く傑作です。ギアガチャのようなテクニックも、プレイヤーたちが試行錯誤の末に編み出した攻略への情熱の証に他なりません。「景色に見惚れるな、タイマーを見ろ」という言葉もありますが、時には少し余裕を持って、テスタロッサ風の愛車で全15シーンの多彩な街並みを流すのも乙なものです。レトロゲームセンターでこの赤い車を見かけたら、ぜひコインを投入し、あの夏の日と変わらない青い空の下へ旅立ちましょう。
©1986 SEGA

