『テクモワールドサッカー’96』は、1996年にテクモが開発し、SNKから供給されたネオジオ用のサッカーゲームです。テクモが展開していたワールドサッカー系作品の一つであり、ネオジオ向けに発売された同社のサッカー作品として独自の位置を占めています。日本国内では正式発売されず、海外市場向けのMVS作品として流通しました。世界大会を題材にした分かりやすい構成と、少ないボタンでパスやシュートをつなげられるアーケード向けの操作を採用しています。
プレイヤーは32か国の代表チームから使用国を選択し、七試合で構成された大会へ挑みます。試合では選手を八方向へ動かし、ドリブル、パス、シュート、守備時のタックルを使い分けます。通常のパスとは別にクロスを上げる操作が用意され、ゴール前に待つ味方へボールを送り込めます。地上の短いパスだけでなく、相手選手の頭上を越える攻撃を利用できるため、サイドから中央へ攻める流れを作りやすくなっています。
ドリブルで相手を抜くことに成功すると、選手の移動速度が上がり、そのままゴール前まで走り込んで強力なシュートを放てます。細かなボール保持を再現するより、突破に成功したときの勢いと得点の爽快感を重視した仕組みです。一方で、無理に正面突破を続けるとボールを奪われやすいため、味方の位置を確認してパスとドリブルを切り替える必要があります。同点で試合を終えた場合は、一本ごとに緊張感のあるペナルティーキック戦で勝敗を決めます。
敗北後にコンティニューして同じ相手へ再挑戦するときは、チームの強さか速さを選んで能力を上げられます。強化は一定回数まで重ねられるため、難しい相手に対して攻撃力を高めるか、移動速度で優位に立つかを選択できます。拡大縮小を交えた選手表示や多数の音声が試合を盛り上げ、二人対戦ではクロスや高速ドリブルを巡る攻防を楽しめます。国を選び、短い試合を勝ち抜いて世界一を目指すという明快な流れに、テクモらしい攻撃的なサッカーを取り入れた作品です。
©1996 TECMO
