プラットフォーム名『Mr.ヘリの大冒険』は、1987年にアイレムよりアーケード向けに登場した横スクロールシューティングゲームです。開発はアイレムが手がけ、独創的な世界観とキャラクターデザインが特徴です。プレイヤーは足のついたヘリ「Mr.ヘリ」を操作し、多方向から襲い来る敵を撃退しつつステージを進んでいきます。
開発背景や技術的な挑戦
当時、アイレムは『R‑Type』など本格的SFシューティングで名を馳せていました。その中で『Mr.ヘリの大冒険』は対照的に明るくコミカルな世界観を採用しました。使用されたアーケード基板はM‑72システムで、多方向スクロールと豊かな色彩表現、さらに上下・左右から攻撃できる多彩な操作性を実現するための技術的挑戦がありました。
プレイ体験
プレイヤーが最初に驚くのは、飛行モードと地上移動モードがシームレスに切り替わる操作感です。一見単純なシューティングですが、地上を歩く際に地形ギミックを活用して宝石を入手し、ステージ終盤で使うミステリーボックスを購入できる要素が斬新でした。特に第2ステージの暗闇とスイッチによって明かりを灯す仕掛けは印象深く、初見プレイヤーを驚かせます。
初期評価と現在の再評価
リリース当初は、日本のアミューズメント業界で月間第5位の稼働を記録し、プレイヤーにも好評だったようです。一方で、「Fantasy Zone」的ともいわれる可愛らしいスタイルが賛否を呼び、『本家には一歩及ばない』という見方もありました。しかし近年では、独自のゲーム性が評価され、レトロゲーム専門家による「Irem Collection」などの復刻作品にも選出されています。多方向スクロールや資金でパワーアップを購入する要素は、現代のインディー作品にも通じる先進性があると見直されています。
他ジャンル・文化への影響
『Mr.ヘリ』は同時代の他社作品とは違う、いわば「ほのぼの系シューティング」の先駆けとも言えます。後の『TwinBee』『Parodius』など、ゆるキャラ風シューティングに影響を与えた一作として評価されています。また、『Shuyaku Sentai Irem Fighter』や『R‑Type Final』など、他アイレム作品とのクロスオーバーにも登場し、アイレム作品の世界観に統一感を与えました。
リメイクでの進化
現代のリメイクでは、HDグラフィックによる背景の表現強化や、フルメタルなMr.ヘリの新デザイン、ボス戦時に地形ギミックを活かした大規模演出などが期待されます。また、地上・空中モードの操作性を向上させ、オンライン協力プレイを導入することで、新旧ファン双方にアピールできる進化が望めます。
特別な存在である理由
個人的には、『Mr.ヘリの大冒険』は「シューティングなのに冒険的」であり、操作するキャラクターに愛着が湧くデザインが素晴らしいと感じます。資金システムによる自由度も高く、当時としては画期的だったと思います。単なる弾避けシューティングとは一線を画す、遊び心に満ちた作品です。
まとめ
『Mr.ヘリの大冒険』は、コミカルなデザインと高い遊びごたえを併せ持つ異色のシューティングタイトルです。地上と空中を行き来する操作性、資金でのパワーアップ購入、市場にはない独特の世界観など、どれを取っても印象に残る要素ばかりです。いま改めて触れても、その魅力は色あせず、新規プレイヤーにも十分に楽しめる作品だと感じます。
© IREM CORP. 1987

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