アーケード版『モールアタック』は、1982年に八千代電気よりリリースされたアクションゲームです。ジャンルはリアクション性重視の“モグラたたき”タイプで、9つの穴から出現するモグラを、ボタン操作でひたすら叩いて得点を稼ぐ仕組みが特徴です。
開発背景や技術的な挑戦
当時、日本のゲームセンターでは「モグラたたき」系アーケードが人気を博しており、その流行を背景に八千代電気も参入を果たしました。本作は機械式ではなく、完全電子制御による映像とボタン入力により、筐体の小型化と導入コスト低下を図っています。また、当時のCPUとして6502を採用し、AY-3-8910サウンドチップも使用されていたと推測されます。
プレイ体験
プレイヤーは9つのボタンを駆使し、飛び出すモグラを素早く叩いていきます。特に“赤いキングモグラ”を叩くことでボーナスポイントが得られる要素があり、ハイスコア狙いの醍醐味となっています。反応速度とリズム感が勝敗を左右し、単純ながら緊張感のあるプレイが楽しめる構成です。
当初の評価と現在の再評価
発売当時は、モグラたたき系の中でも手軽さと電動式ではないユニークさが評価され、特に子供世代から人気を集めました。一方、大人には“単調で反復的”という印象がありましたが、現在ではレトロゲームとしてそのシンプルさが懐かしさとゲーム性の純粋さを再評価されつつあります。
他ジャンル・文化への影響
モグラたたき系ゲームはエンタメ文化全体に浸透し、Namcoの『Sweet Licks』のような派生作品にも影響を与えました。本作も“デジタル化されたモグラたたき”として、家庭用やPC、ゲームセンターでの普及に一翼を担っています。
リメイクでの進化
現代にリメイクするとすれば、LEDやハプティクスを活かした物理インタフェース、オンラインランキング、さらにカラーLEDをモグラの“種類”で差別化するギミックなどが考えられます。スピードモードやタイムアタック、複数人対戦対応も進化方向として魅力的です。
筆者視点によるまとめ
『モールアタック』は、シンプルなボタンアクションながら反射神経を鍛える即時性の強さが魅力です。動画長プレイを見ると、「永遠に続くチャレンジ」という魅力があり、その反復性がクセになる魅力もあります。現代のコアなゲームと比べると物足りなさもありますが、その“原始的な楽しさ”こそ本作が長年語り継がれる理由だと感じます。
まとめ
アーケード版『モールアタック』は、1960~70年代に流行した“モグラたたき”遊戯の電子化作品として、当時のプレイヤーに親しまれました。シンプルなルールと緊張感のあるゲーム性は、時代を超えても改めて楽しまれる価値があります。リメイクによって、さらに広がる可能性も感じさせる一作です。
© 1982 Yachiyo Electronics