アーケード版『奇々怪界』は、1986年にタイトーから発売されたアクションシューティングゲームです。開発はタイトーが手がけ、ジャンルはトップダウン視点のアクションシューティングです。プレイヤーは巫女の小夜ちゃんを操作し、妖怪にさらわれた七福神を救うために戦います。日本の妖怪や神話をモチーフにした幻想的な世界観が特徴です。
開発背景や技術的な挑戦

当時のシューティングゲームはSFテーマが主流でしたが、本作は日本文化や妖怪をテーマに取り入れた異色作として開発されました。Z80プロセッサを活用し、シンプルながら多彩な妖怪のデザインや鮮やかなグラフィックを実現しました。また、お札と御祓い棒という独特な攻撃方法を採用し、操作性にも新たな工夫が盛り込まれました。
プレイ体験
プレイヤーが感じる「お札を連射して敵を倒す爽快感」や「御祓い棒で敵を吹き飛ばす感覚」が『奇々怪界』の醍醐味です。7つのステージには個性豊かな妖怪が登場し、各ステージの終盤には七福神を守るボスが待ち受けています。鍵を見つけて進む仕掛けや、敵との攻防の駆け引きなど、シンプルなゲーム性ながらも奥深い戦略が求められました。
初期の評価と現在の再評価
発売当初はSF中心のゲーム市場において、和風の世界観が異彩を放ち話題となりました。その結果、1986年当時のアーケードランキングでは上位にランクインし、商業的にも成功しました。近年ではアーケードアーカイブス版として復刻され、当時を知らないプレイヤーからも高く評価されています。
他ジャンル・文化への影響
『奇々怪界』の和風な妖怪や巫女というモチーフは、後のゲーム文化にも大きな影響を与えました。特に『東方Project』など、巫女が主人公のシューティングゲームに影響を与えたことが知られています。また、他のタイトー作品とのコラボレーションにも登場し、同社を代表するキャラクターの一つとなっています。
リメイクでの進化
もし現代に『奇々怪界』がリメイクされるとすれば、グラフィックの高精細化やキャラクターアニメーションの強化が期待されます。また、オンライン協力プレイの導入や新たなストーリー展開も考えられ、より多くのプレイヤーが楽しめる作品になる可能性があります。
まとめ
『奇々怪界』は、和風ファンタジーの世界観とシンプルながら中毒性の高いゲーム性が融合した、今なお色褪せない名作です。独特の世界観やデザイン性は、時代を超えて再評価され続けています。
攻略
プレイヤーは、巫女の小夜ちゃんとなり、妖怪にさらわれた七福神を救出するために戦います。お祓い棒による近接攻撃と、お札を投げる遠距離攻撃を駆使し、妖怪たちを退治しながら神社の境内を進みます。道中で手に入る鍵を使ってボスの待つ部屋に入り、全8ステージをクリアして七福神を救出することが最終目標です。また、飛距離が伸びる水色のお札や、敵を貫通する赤色のお札など、さまざまなアイテムを活用して攻略を進めます。
ストーリー設定
『奇々怪界』は、日本の伝統的な「妖怪退治」を描いたアクションゲームです。主人公の巫女「小夜ちゃん」は、妖怪にさらわれた七福神を救うため、妖怪の里へと乗り込む冒険が描かれています。
小夜ちゃん
小夜ちゃんは本作の主人公です。お札とおはらい棒を武器に使い、さらわれた七福神を救出するための旅立ちます。
七福神
七福神は、小夜ちゃんが奉仕する7人の福の神たちです。彼らは祈りを捧げている最中に妖怪軍団によってさらわれてしまいました。
ゲームシステム
『奇々怪界』はアクションゲームで、近接攻撃のお祓い串と遠距離攻撃のお札を使い分けながら妖怪を退治し、神社の境内を進んでいきます。ステージごとに1人ずつ囚われた七福神を救出することが目的で、道中に落ちている鍵を手に入れるとステージ最後の部屋に待ち受ける大物妖怪を退治できます。敵および敵弾への接触、水や谷への落下で1ミスとなります。全8ステージ(通常7ステージ+宝船探しステージ)構成で、ゲームオーバーになると数字3桁のルーレットが現れ、3桁の数字が得点の末尾3桁と一致すれば、1クレジット増えます。
操作方法
プレーヤーは8方向レバーで主人公の「小夜ちゃん」を操作し、2つのボタンで近接用の武器「お祓い棒」と飛び道具「お札」を使い分けます。両ボタンを同時に押すことによって、道中で手に入れた水晶球を使用できます。
方向レバー | 移動 |
ボタン1 | 御札 |
ボタン2 | お祓い棒 |
アイテム
『奇々怪界』には、プレーヤーの戦闘を助けるさまざまなアイテムが登場します。これらのアイテムには、お札の飛距離を伸ばしたり敵を貫通させたりするおふだ、敵の動きを止めたり全滅させたりする水晶玉、1UPするおはらい棒、ステージボスの部屋に入るための鍵などがあります。
アイテム | 効果 |
---|---|
水色のおふだ | お札の飛距離が伸びます。複数回取得することでさらに飛距離が伸び、ゲームの難易度も上がります。この難易度の上昇は、ミスをしても解除されません。 |
赤色のおふだ | お札が敵を貫通する能力を得ます。 |
二重のおふだ | お札の連射速度が上昇します。 |
黄色のおふだ | お札が「大入り」のお札に変化し、当たり判定が大きくなります。 |
水色の水晶玉 | ボス以外のすべての敵の動きを一時的に停止させることができます。ただし、敵と接触するとミスとなります。 |
黄色の水晶玉 | ボス以外のすべての敵を一掃することができます。 |
おはらい棒 | 1UPします。特定の条件を満たすと入手できます。 |
鍵 | 鍵はステージ内のどこかに落ちており、ステージボスのいる部屋に入るために必要となります。 |
敵キャラクター
敵キャラクターは、ボス戦までに登場する一般キャラクターとボスキャラクターの2タイプが存在します。
一般キャラクター
さまざまな妖怪が登場します。妖怪たちは個々に特徴的な攻撃パターンを持っています。妖怪の中には、小夜ちゃんのお祓い攻撃が効かない者もいます。
キャラクター名 | 特徴 |
---|---|
プカプカ | 人魂のお化けで、一緒に近づいてきます。ステージが進むと弾を吐くようになります。 |
ばけちょうちん | 火の玉を吐き出すランタンの妖怪で、常に3匹で行動します。 |
かさべー | 傘を模した妖怪で、飛び跳ねながら接近し、周囲を旋回した後に突進します。 |
おたま | 火の玉のような妖怪で、一緒になって飛び回ります。お札かお祓いで全滅させるとアイテムを落とします。 |
おげい | 首を伸ばして攻撃するろくろ首の妖怪です。お祓い攻撃は効果がありません。 |
とおせんぼう | 足を持った墓石の妖怪で、道をふさぎ、小夜ちゃんが通ろうとすると突進します。 |
はしりたい | 人間の下半身がついた鯛の妖怪で、画面外から飛び出してきます。 |
みのじい | みのを着た子泣きじじいで、小走りで小夜ちゃんに接近し、しがみつきます。 |
りんりん | 狐のお面をかぶった妖怪少女で、軽快に動き回り、お手玉や毬を投げてきます。 |
よねばあ | 砂を投げつける砂かけ婆の妖怪です。 |
にょろにょろ | 白ヘビの妖怪で、常に群れて近付き、接触すると締めつけてきます。地面を這っているためお祓いは効きません。 |
いちどう | ひとつ目小僧で、小夜ちゃんを見つけると仲間の妖怪を呼びます。 |
ばけうり | 井戸に潜むお化け瓜で、小夜ちゃんが近づくと飛び出します。時折、野菜が混じり、特定の野菜をお札で打つとアイテムが手に入ります。 |
るむる | おんぶお化けで、しがみつくことで小夜ちゃんの移動速度を下げます。大量にしがみつかれるほど動きが鈍くなります。 |
がらこつ | 骸骨の妖怪で、小夜ちゃんが一定時間同じ場所に留まっていると出現します。障害物にぶつかるか、攻撃を当てると一時的に消えますが、すぐに復活します。 |
鬼火 | 小夜ちゃんを追いかけるものと、横方向にジグザグに動きながら画面を縦断するものの2パターンが存在します。 |
ボスキャラクター
小豆洗いの豆頭から、雷神の雷電王、天狗の仙山、山婆や九尾の狐など、日本の妖怪や神話に題材を取ったキャラクターが多数登場します。
ステージ | キャラクター名 | 特徴 |
---|---|---|
SCENE1 | 豆頭(ずず) | 小豆洗いとして知られるこのボスは、移動しながら豆を投げつけて攻撃してきます。 |
SCENE2 | 雷電王(らいでんおう) | 雷神としての力を持つこのボスは、画面外へ小さな雷を飛ばしたり、地面に当たると燃え上がる大きな雷を放ちます。火柱はしばらく画面内に残ります。 |
SCENE3 | 仙山(せんざん) | 天狗の仙山は、口から炎を吐いたり、手に持った団扇で突風を起こしたりします。また、突然突進してくることもあります。 |
SCENE4 | 山婆(さんば) | やまんばとして知られるこのボスは、両手で包丁を投げつけてきます。ダメージを与えるたびに、一度に投げる包丁の数が増えます。 |
SCENE5 | 操珠僧(そうじゅそう) | 解いた数珠を振り回して攻撃してくる怪力の妖僧です。その長いリーチの攻撃は、非常に厄介です。 |
SCENE6 | 魔尾狐(まびこん) | 九尾の狐として知られるこのボスは、子狐の群を使って攻撃します。自身は飛び跳ねながら体当たりしてきますが、動いているときにしか、ダメージを与えられません。 |
SCENE7 | 魔奴化(まぬけ) | 八百八狐の化け狸である魔奴化は、主人公の小夜ちゃんに化けて現れます。一定時間動けなくなるお札を投げつけ、その隙にお祓い棒で小夜ちゃんを吹っ飛ばそうとします。ダメージを与えると狸の正体を現し、逃げ回りますが、しばらくすると再び小夜ちゃんに化けて向かってきます。このボスを倒すと、七福神が全員集まり、最終ステージの巻物探しに進むことになります。 |
SCENE8は、魔奴化との戦闘に勝利した後に訪れる最終ステージ「巻物探し」です。このステージは独特の形状を持ち、完全ループの迷路となっています。画面内には多くの地蔵が立ち並び、そのどこかには三種類の巻物が隠されています。これらの巻物は、お祓いの力を用いて探し出す必要があります。全ての巻物を見つけ、ゴールに到達することでエンディングを迎えることができます。そして、エンディングとスタッフロールの後には、2周目がスタートします。2周目以降、難易度がアップします。
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