アーケードレーザーディスクゲーム『エシュズオルンミラ』は、1984年に船井電機株式会社と学研によって発売されました。本作はレーザーディスクを用いた実写とアニメーションを組み合わせるアクションゲームで、前作『インター・ステラ』(1983年)に続く第2弾作品にあたります。
開発背景や技術的な挑戦
1980年代初頭、レーザーディスクゲームは映像クオリティで注目を浴びており、『ドラゴンズレア』や『スペースエース』といった海外作品への対抗として船井電機も参入しました。『エシュズオルンミラ』では特に映像演出と操作性の両立が課題となり、8方向レバーと1ボタンを併用したインターフェースを採用。また、映像シーンの切り替えがスムーズに行えるよう、特別な合成ボードなど高度なハード面での工夫があったとされています。
プレイ体験
本作は、主人公ドン・デイヴィスを操作し、指示に応じて進行方向を選択、ボタンを押すというリズミカルな展開が特徴です。ただしタイミングは非常にシビアで、ミスするとライフが減る仕様です。エンディングを見るには全ステージを一貫してクリアしなければならず、当時のアーケードプレイヤーにとっては繰り返し挑戦し続ける高い難易度が印象的でした。ミス時に登場する舌を出すラスボス“エシュ”の演出も強烈でした。
初期評価と現在の再評価
アーケード稼働当時、『エシュズオルンミラ』は知名度こそ高めといわれましたが、本格的な人気獲得には至りませんでした。一方で、後にMSX移植などでも話題となり、当時から「名前だけはよく聞くゲーム」として認識されていました。
現在では、他社LD作品へのリスペクトと国内メーカー初期の挑戦作として、コアなレトロゲーマーらから再評価されています。技術的制約がありながら演出を詰め込んだ意欲作として評価されており、希少性も相まってコレクターズアイテムとしての価値も高まっています。
他ジャンル・文化への影響
『エシュズオルンミラ』は、実写とアニメーションを混在させたLDゲームの一例として、国内のアーケード文化における映像ゲームの可能性を示しました。当時の他ジャンル作品にも映像演出のヒントを与えたともいわれ、後続のCD-ROMゲームや家庭用レーザーディスク作品への先駆的な実験場としての役割を果たしています。
リメイクでの進化
もし現代にリメイクされるなら、フルHD・4K映像+フルボイスによる没入感の強化、マルチルート分岐の追加、失敗や成功をバロメーターとするライフシステムの刷新などが考えられます。また、VR演出を組み込めばレーザーディスク当時の“映像に介在する”感覚を現代的に再解釈できるでしょう。
まとめ
『エシュズオルンミラ』は、1984年という早期に船井電機と学研が挑んだレーザーディスクアクションゲームであり、技術と演出の両立に意欲的に取り組んだ作品です。当初は大衆的な成功こそ得られなかったものの、現在では希少性と初期国内LDゲームとしての歴史的価値から、レトロゲーマーやコレクターに愛される存在となっています。
©FUNAI ELECTRIC CO., LTD. 1984

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