AC版『ダートフォックス』ギアチェンジと時間制限の緊迫感がクセになる戦車レースゲーム

アーケード版『ダートフォックス』は、ナムコが1989年に開発・発売した近未来的な戦車型装甲車によるレースゲームです。タイムアタック形式で、プレイヤーは制限時間内に各ステージを走り抜けながらスピードを競います。縦スクロールによる疾走感ある表現や、最大4人まで同時プレイ可能なマルチプレイヤー機能が特徴の作品です。

開発背景や技術的な挑戦

『ダートフォックス』の開発は、当時ナムコが力を入れていた『ファイナルラップ』シリーズの技術を応用し、多人数対戦とタイムアタック要素を融合させて行われました。技術面ではナムコ・システム2基板が使われ、縦画面ならではの迫力あるスピード感や滑らかなスクロール描画が実現されています。

プレイ体験

プレイヤーはコーナリング時のギアチェンジ操作が特に重要で、スピードを落とさずに走るためのテクニックが求められます。時間制限があるため、ステージごとにギリギリの時間でクリアする緊迫感も印象的です。また、CPU車との駆け引きや他プレイヤーとの競り合いが、プレイに奥行きを与えています。

初期の評価と現在の再評価

発売当初、『ダートフォックス』は大型筐体とマルチプレイ機能で注目されましたが、他のナムコの有名レースゲームと比べて知名度が低く、評価も控えめでした。しかし近年では、ギア操作の重要性や独特の操作感、緊張感あるレース展開が再評価され、レトロゲームファンからの注目が集まっています。

他ジャンル・文化への影響

『ダートフォックス』はナムコによる近未来をテーマにしたレースゲームの先駆けとして、後のアーケード作品や家庭用ゲームに影響を与えています。また、ゲームの音楽や効果音も評価が高く、作曲担当の細江慎治氏の参加により音楽面でもファンからの支持を得ました。

リメイクでの進化

もし現代にリメイクされるならば、グラフィックの全面3D化やオンライン対戦モードの実装、さらに装甲車両のカスタマイズ要素を追加することにより、戦略的な奥深さやゲームとしての魅力がさらに広がることが期待されます。

まとめ

『ダートフォックス』はタイムアタック形式で展開する独特な近未来レースゲームで、当時の技術を駆使したスピード感や多人数プレイ機能が特徴的でした。時を経て再評価されることで、その独自の操作感やプレイ体験が改めて注目されています。リメイクにより再び日の目を見る可能性も十分に秘めています。

© NAMCO 1989