アーケード版『ザ・キング・オブ・ファイターズ ’95』は、1995年7月にSNKがネオジオMVS向けに送り出した対戦型格闘ゲームです。シリーズ第2作として、前作の3人チーム制を継承しつつ、プレイヤーが自由に編成できるチームエディットや、草薙京の宿命のライバルである八神庵の初登場、そしてボスとして「オメガ・ルガール」を据えた物語の拡張など、多くの要素で進化を示しました。稼働開始から間もなく、前作の基盤の上に「より遊びを広げる」方向性が明確化し、以後のシリーズの長期的な路線を強固なものにした作品として位置づけられます。
開発背景や技術的な挑戦
本作の制作にあたっては、人気が高まり始めた草薙京に対して、物語と対戦構図の両面で拮抗し得る新キャラクターを投入するという課題がありました。そこで登場したのが八神庵で、草薙家と八神家の確執、さらにはシリーズを貫く「オロチ」の神話モチーフが導入され、長期的なストーリーアークに説得力が与えられました。加えて、前作から検討されていたというチームエディットを実装するため、キャラクター数・技構成・相性を俯瞰した総合的なバランス調整が求められ、開発では「自由な編成でも破綻しない」圧倒的な検証量が積み上げられています。
ハードウェア面では、当時のアーケード基板上でスプライト枚数や処理負荷を抑えつつ、動作の軽快さを損なわない調整が図られました。キャラクターのフレーム設計、ダメージ・硬直・押し戻しといった基礎パラメータの緻密化に加えて、回避(避け)やメーターの手動チャージなど、後年のシリーズへ受け継がれるシステムの「原型」をこの段階で形にしたことが、本作の技術的な価値を高めています。
プレイ体験
対戦は3人1組のチームによる勝ち抜き形式で、プレイヤーは試合前に出場順を決め、ラウンドごとに控えのキャラクターへとバトンを渡します。チームエディットはこの出場順と相まって、相性の良い組み合わせや苦手機体へのカウンターピックといった駆け引きを促進し、同じ顔ぶれでも編成次第で戦局が大きく変わる面白さを生み出しました。さらに、試合中にスタンないし組み付き状態で背景の控えキャラクターが救援攻撃を行う「チームアタック」の存在が、シリーズならではの「チームとして戦う」感覚を強く印象づけます。
操作体系は4ボタン(弱・強のパンチ/キック)を基本に、AB同時押しの「避け」で打撃をすり抜け、一定フレーム内にボタンを押して反撃へ転じる「避け攻撃」を搭載します。移動面では、素早くレバーを前方向に2回入力することで発動する「前ダッシュ」、逆に後ろ方向に2回入力することで発動する「後方ダッシュ」があり、攻め込む・距離を取るといった選択肢が広がります。さらに、通常のジャンプに加えて、より高く飛び上がる「スーパージャンプ」、投げの近距離発生といった基礎も明瞭で、入力遅延やガードキャンセルの条件までルールが明文化されています。また、ABC同時押しのメーター手動チャージ、満タン時に一定時間強化されるMAX状態、体力20%以下やMAX時に解禁される超必殺技など、「攻めに転じるタイミングを自分で作る」デザインがひときわ際立ちます。これらは単に派手さを狙うのではなく、読み合いと実行精度を高い次元で結びつける仕組みとして機能します。
初期の評価と現在の再評価
稼働当時のアーケードでは、自由度の高い編成と新生キャラクター群の魅力、そしてテンポの良いラウンド進行によって、対戦台が常に埋まるほどの人気を得ました。プレイヤーコミュニティでは、前作で芽生えた戦術が一段深まり、避け攻撃を軸にした差し返しや、メーター管理を前提とした「勝負所」の見極めが日常化していきます。現在では、後年の作品に比べるとシステムがシンプルであるがゆえに、足運び・対空・置き技の基礎が凝縮されており、シリーズ学習の入り口としての価値が改めて注目されています。
他ジャンル・文化への影響
3人チームによる勝ち抜き形式は、単なるキャラクター選択の自由を超えて「役割の分担」や「順番の戦術」をゲームデザインに組み込むもので、対戦格闘のフォーマットに新機軸をもたらしました。さらに、避け(スポット回避)や手動チャージといったシステムは、のちのシリーズで洗練され、多くの対戦格闘作品における防御・反撃の設計思想にも影響を与えたと語られます。キャラクター面では、八神庵の存在感が音楽・ビジュアル・台詞回しを含めて強烈で、公式・非公式の二次創作や他メディア展開においても象徴的な人気を獲得しました。
リメイクでの進化
本作は長年にわたりアーケード版準拠の復刻が継続しており、オリジナルの挙動を尊重しつつ、スコアアタックや短時間で競うモード、オンラインランキングなど、当時の得点文化を現在の環境で再現・可視化する取り組みが進みました。これにより、当時のアーケードと同様に「自分の技量を数字で競う」軸が復権し、基礎を磨く教材としての価値が一段と高まっています。復刻の方向性が「忠実な再現」を中心に据えている点は、アーケード版の完成度が今なお通用することの裏づけでもあります。
特別な存在である理由
『’95』が特別視されるのは、シリーズの核であるチーム制に「編成の自由」という決定的な拡張を与え、同時に八神庵とオロチの系譜という物語の幹を確立したからにほかなりません。システム面では、避け/避け攻撃、メーター運用、ガードキャンセルの条件といった基礎が明快に整理され、純度の高い読み合いが立ち上がる設計になっています。視覚的にはアニメーションと演出が前作比で引き上げられ、音響面でも各チームの楽曲が対戦の「温度」を支える役割を果たしました。こうした総合力が、稼働から年月を経てもなお対戦台に人を呼び寄せる磁力となり、シリーズ全体の原点回帰点として機能し続けているのです。
まとめ
アーケード版『ザ・キング・オブ・ファイターズ ’95』は、シリーズ初期にして完成度の高い対戦格闘体験を提示しました。チームエディットの導入がプレイヤーの創意を引き出し、避けを核とする攻防の転換が手触りを劇的に高め、メーター運用が「勝負所」を自ら作る喜びを生みます。八神庵の加入とオロチをめぐる物語によって世界観は広がり、以後の展開に長く影響を与えました。復刻による現代的な競争の場も整い、当時の興奮と現在の研究・鑑賞の両面で価値を保ち続ける一本です。アーケードという文脈において、基礎の厳密さと自由度の両立を実現した本作は、いまもプレイヤーに「チームで勝つ面白さ」と「格闘ゲームの核心」を端的に伝えてくれます。
攻略
プレイヤーは、アーケード版『ザ・キング・オブ・ファイターズ95』で、各国から集結した格闘家たちを操作し、チームバトルを勝ち抜いていくことを目的とします。本作はシリーズ第2作目にあたり、前作『KOF94』からシステムが大きく進化し、チーム編成の自由度が格段に増しました。プレイヤーは自分の好みや戦略に合わせて、3人のキャラクターを自由に選択してチームを組み、CPUや対戦相手とのバトルに挑みます。ゲームの基本ルールは1対1の格闘戦を3人分繰り返す形式で、1人が敗北すると次のメンバーが登場し、相手チームを全滅させれば勝利となります。
戦闘中は通常攻撃、必殺技、さらにはゲージを消費して発動する強力な超必殺技を駆使して戦います。ゲージは攻撃や被弾、挑発動作などで蓄積され、満タンになると超必殺技の発動が可能になります。また、シリーズ独自の「緊急回避」や「超必殺技フィニッシュ」といった駆け引き要素も存在し、対戦をさらに奥深くしています。プレイヤーの目的は、アーケードモードではCPUが操るライバルチームを順次撃破し、最終的にラスボスである「ルガール」を打ち倒すことです。ストーリー上、ルガールは前作に続いて暗躍しており、彼を倒すことで物語はクライマックスを迎えます。
ゲームオーバーの条件は、自分のチームの3人全員が敗北した時点で成立します。CPU戦ではコンティニューを選択すれば再挑戦が可能ですが、対人戦では即座に勝敗が決します。そのため、どの順番でキャラクターを登場させるか、ゲージをどのタイミングで使うかなど、戦略性が非常に重要です。プレイヤーは限られたライフとゲージを有効に活用し、相手の攻撃を読み切ることで勝利を目指します。シンプルなルールでありながら、キャラクターごとの個性と戦術の幅が広がることで、初心者から上級者まで長く遊べる作品として高い評価を得ています。
ストーリー設定
アーケード版『ザ・キング・オブ・ファイターズ95』の世界観とストーリーは、世界各地の格闘家たちが己の技と誇りを懸けて競い合う国際大会「キング・オブ・ファイターズ」を舞台に展開します。前作で主催者ルガールを打ち倒したことで一度は終幕を迎えたかに見えた大会ですが、謎の人物によって再び開催が宣言されます。参加者は各国を代表する強豪たちで、草薙京や八神庵をはじめとする宿命のライバル関係が本作から鮮明に描かれるようになります。特に八神庵は今作で初登場し、主人公草薙京の宿敵として物語の中心に位置づけられ、二人の間に流れる「草薙」と「八神」の血に刻まれた因縁が物語全体に深みを与えています。大会の裏では、前作で倒されたはずのルガールが生き延びており、彼こそが再び大会を仕組んだ黒幕であることが明らかになります。彼は強化改造を受けた新たな姿で参戦者の前に立ちはだかり、圧倒的な力で挑戦者を絶望へと追い込みますが、プレイヤーはチームを駆使して彼を打ち破ることを目指します。こうした流れの中で『KOF95』は単なる格闘大会を超えたドラマ性を備え、チーム同士の因縁や国家を超えた絆、そして人間を超えた存在との戦いが交錯する物語となっています。その世界観は現実の格闘大会の熱気を基盤にしながら、古代から続く血の因縁や闇の組織の思惑といった壮大な要素を織り込み、格闘ゲームの枠を超えた物語性を確立しているのが特徴です。
ゲームシステム
本作のゲームシステムは、従来の格闘ゲームに存在する基本的な操作体系を踏襲しながらも、独自の要素を多数取り入れることでチーム戦ならではの駆け引きと奥深い戦略性を生み出しています。各システムはキャラクター選択やラウンドの進行、攻撃や防御の手段に至るまで幅広く設計されており、プレイヤーは状況に応じた判断力と操作精度を駆使して戦いを進める必要があります。
チームエディットとオーダーセレクト
プレイヤーは固定チーム制から解放され任意の3人で編成でき、試合前に出場順を決めるオーダーセレクトで前衛・中堅・大将の役割を調整しつつ、通常設定では一部の隠しボスは使用不可のまま戦略性の高いチーム作りを行います。
ラウンド進行と勝敗判定
3本先取ではなく3対3の入れ替え制で1人が倒れると次の味方が登場し、各ラウンド終了時には勝者にわずかな体力回復が与えられ、相手チームの3人を全滅させた側が試合勝利となります。
基本操作と移動
弱強のパンチとキックによる4ボタン体系に加えて前方への走りと後方へのバックステップが可能で、近距離では方向入力を伴う通常投げが発生し、空中ガードは基本的に不可のため地上戦の間合い管理が重要になります。
ジャンプバリエーション
小ジャンプ・通常ジャンプ・ハイジャンプの3段階が存在し、短い滞空での接近圧力から高い弧を描く飛び込みまで状況に応じて使い分けることで対空誘い、表裏択、安全飛びなどの攻め筋を組み立てます。
緊急回避 (ドッジ)
その場で体をかわす短時間の無敵行動により連携の割り込みや必殺技の回避が可能ですが、移動距離はなく投げには無力で硬直を狙われやすいため読み合いの質が問われます。
パワーゲージとMAX状態
攻撃・被弾・挑発で蓄積するゲージはA+B+Cの溜め操作でも上昇し、最大になると時間制限付きのMAX状態に移行して超必殺技の発動条件を満たし、攻守の主導権を握る起点になります。
超必殺技
MAX状態中または体力が減って点滅している状況でコマンド入力により発動でき、無敵時間や高い削り性能を活かして割り込みや確定反撃、締めの火力強化に用いられます。
吹っ飛ばし攻撃 (C+D)
強攻撃同時押しで放つ一撃はヒットで大きく距離を取り、ガードされても間合い調整やターンの取り直しに機能し、対空潰しや差し返しの要として地上戦のリズムを作ります。
連続技とキャンセル
通常技から必殺技へのキャンセルや連打派生を軸に、差し込み始動や対空落としから安定火力を確保し、状況に応じて起き攻めに移行できるダウン奪取のルートを選択します。
投げと受け身
密着での方向+強攻撃による通常投げは暴れ潰しの要であり、一部状況では投げ抜けの猶予が短く設定されているため近距離の2択が強力になり、ダウン後は受け身の有無で起き上がりの間合いとタイミングを揺らせます。
スタン (気絶) とカウンター
連続被弾や強攻撃始動でスタンが発生すると大きな追撃機会となり、打点の噛み合わせで生じるカウンターヒットは有利時間を伸ばして高威力コンボにつながるため、置き技と差し返しの精度が勝敗を左右します。
挑発 (タウント)
専用ボタン操作で行う挑発は相手のパワーゲージをわずかに減少させる効果があり硬直の長さゆえ乱用は危険ですが、遠間でのけん制やリズム崩しとして駆け引きに厚みを持たせます。
キャラクター
草薙京
草薙京は日本チームのリーダーで、本作の主人公です。黒い学ランを改造したようなジャケットに白いヘッドバンドを合わせたデザインで、高校生らしさと熱血漢の雰囲気を兼ね備えています。草薙流古武術と炎を操る特殊な血統を持ち、拳に炎を纏わせる「百八式・大蛇薙」や、突進技から派生する「荒咬み」など多彩な技で攻めます。超必殺技「裏百八式・大蛇薙」は炎を大きく放つ高火力技で、試合の切り札となります。宿命のライバル八神庵との因縁が物語の中心にあり、主人公らしい王道の存在感を放ちます。
二階堂紅丸
二階堂紅丸は日本チームのムードメーカー的存在で、金髪という派手で都会的なデザインです。モデルとしても活動するキャラクターで、戦闘では電撃を操る個性的な格闘スタイルを用います。必殺技には高速の飛び蹴り「スーパー稲妻キック」や電撃を纏った打撃「紅丸コレダー」があり、奇襲性とスピードを武器に戦います。超必殺技「雷光拳」は電撃を広範囲に放つ強力な技で、紅丸らしい派手さを体現しています。明るく軽快な性格がバトルスタイルと衣装に反映され、草薙京や大門五郎との対比でも魅力を発揮しています。
大門五郎
大門五郎は日本チームの重量級メンバーで、白い柔道着に身を包み、圧倒的な体格を誇るキャラクターデザインです。柔道をベースにした豪快な投げ技を得意とし、接近戦では一気に流れを変える力を持ちます。必殺技「地雷震」は地面を叩いて衝撃波を生み出す独自技で間合いを制し、「天地返し」「裏投げ」など強力な投げで相手を叩きつけます。超必殺技「超大外刈り」は迫力ある一撃で相手を粉砕し、見た目通りのパワーファイターとしてチームに厚みを加えています。冷静沈着な性格で京や紅丸を支える存在でもあります。
リョウ・サカザキ
リョウ・サカザキは龍虎の拳チームのリーダーで、橙色の空手着に身を包んだ伝統的な格闘家スタイルのキャラクターです。極限流空手の正統継承者として真面目で武人らしい性格が強調され、構えや動きからも誠実さが伝わります。必殺技は飛び道具「虎煌拳」、対空の「昇龍拳」、突進技「虎咆吼」など堅実な技が揃い、さらに超必殺技「龍虎乱舞」は連続攻撃を叩き込む迫力の大技です。安定感のある性能で、チームの軸を担います。
ロバート・ガルシア
ロバート・ガルシアはイタリア出身の富豪の息子で、リョウと共に極限流空手を学んだ親友です。長い黒髪をオールバックにした華やかなデザインが特徴で、蹴り技を主体とした戦闘スタイルで差別化されています。必殺技には「飛燕疾風脚」や「龍撃拳」などがあり、蹴りと気弾を巧みに織り交ぜて戦うのが持ち味です。超必殺技「覇王翔吼拳」は強力な飛び道具で、遠距離での決定力を発揮します。エレガントで実力者というキャラクター性が際立ちます。
タクマ・サカザキ
タクマ・サカザキはリョウの父であり、極限流空手の創始者です。白い道着姿にたくましい体格を備えたデザインで、格闘家としての風格と威厳を示しています。必殺技には「覇王至高拳」や「虎煌拳」など、極限流の基本技を豪快かつ重厚に繰り出し、リョウやロバートと共通する技を持ちながらも圧倒的な威力を誇ります。超必殺技「覇王翔吼拳」は極限流を象徴する大技で、父としての存在感と師範としての威厳を強く印象づけます。
テリー・ボガード
テリー・ボガードは餓狼伝説チームのリーダーで、赤いキャップにノースリーブの赤いベスト、ジーンズというラフで親しみやすいデザインです。陽気で義理堅い性格が魅力で、シリーズを代表するアメリカ出身のストリートファイターです。必殺技は地面を這う飛び道具「パワーウェイブ」、対空技「ライジングタックル」、突進技「バーンナックル」といったバランスの取れたラインナップを持ちます。さらに超必殺技「パワーゲイザー」は爆発的なエネルギーを地面から放ち、高い火力と派手な演出で観客を沸かせます。攻防一体の性能とカリスマ的な存在感で、草薙京やリョウと並ぶSNKの看板キャラクターです。
アンディ・ボガード
アンディ・ボガードはテリーの弟で、忍者的なデザインの白い道着と長い金髪が特徴的なキャラクターです。兄のテリーとは対照的に冷静沈着で、武術を体系的に磨き上げた格闘スタイルを持ちます。必殺技には突進技「斬影拳」、飛び上がって蹴りを放つ「昇龍弾」、空中から蹴り降ろす「空破弾」などがあり、スピーディーかつ切れ味鋭い攻撃が特徴です。超必殺技「超裂破弾」は気を込めた大技で、テリーとは異なるストイックさを見せつけます。クールな性格と実直な戦闘スタイルがデザインにも表れ、兄弟でありながら互いに異なる個性を確立しています。
ジョー・東
ジョー・東は餓狼伝説チームの3人目で、タイ出身のムエタイ戦士です。上半身裸にムエタイパンツとバンテージを巻いた姿は伝統的なスタイルで、筋肉質なデザインと陽気な性格が特徴です。必殺技は飛び膝蹴りの「タイガーキック」、竜巻のような飛び道具「ハリケーンアッパー」、連続肘打ち「スラッシュキック」などムエタイらしい豪快な技が揃っています。超必殺技「スクリューアッパー」は巨大な竜巻を発生させるド派手な技で、攻めの爆発力を象徴します。軽快でお調子者な性格ながら、試合では真剣に戦うプロファイターとしての誇りを持つキャラクターです。
ハイデルン
ハイデルンは怒チームのリーダーで、軍服姿に片眼鏡という冷徹なデザインが特徴です。特殊部隊を率いる軍人で、落ち着いた性格と鋭い知略を持ちます。戦闘スタイルは独自の暗殺術で、伸びのある手刀技を中心に構成されています。代表的な必殺技「クロスカッター」は斬撃エネルギーを飛ばす技で、中遠距離戦を制する力を持ちます。また「ネックローリング」など相手を掴んで体力を吸収する独自の投げ技も強力です。超必殺技「ファイナルブリンガー」は大きなエネルギー斬撃を繰り出す迫力ある技で、リーダーとしての威厳と圧倒的な実力を体現しています。
ラルフ・ジョーンズ
ラルフ・ジョーンズは屈強な体格と赤いバンダナが特徴の熱血軍人で、チームのパワーファイターです。タンクトップに迷彩パンツというワイルドなデザインで、豪快な格闘スタイルを見せます。必殺技には「バーニングハンマー」や「ガトリングアタック」などの突進系技があり、力強さと連続性を兼ね備えています。超必殺技「ギャラクティックファントム」は爆発的な一撃を叩き込む大技で、ラルフらしい豪快さを表現しています。仲間想いで頼れる兄貴分的な性格が、チームの雰囲気を盛り上げます。
クラーク・スティル
クラーク・スティルはラルフの相棒で、サングラスと帽子を身に着けたクールな軍人です。無口で冷静沈着な性格ですが、投げ技主体の戦闘スタイルで豪快に相手を投げ飛ばします。必殺技「ナパームストレッチ」や「スーパーアルゼンチンバックブリーカー」は掴みから大ダメージを与える強力な技で、近距離戦で恐るべき存在感を発揮します。超必殺技「アルティメットタックル」は突進からの強力な組み技で、投げキャラとしての本領を見せます。ラルフとの連携や軍人らしい規律ある立ち振る舞いがデザインとプレイスタイルに強く反映されています。
麻宮アテナ
麻宮アテナはサイコソルジャーチームの中心的存在で、日本出身の女子高生ながら超能力「サイコパワー」を操る格闘家です。『KOF95』では赤を基調としたチャイナドレス風のコスチュームで登場し、アイドル的な華やかさと武術家としての凛々しさを兼ね備えたデザインとなっています。必殺技には飛び道具「サイコボール」、対空技「サイコソード」、空中からの突進「フェニックスアロー」などがあり、遠近両方に対応可能です。超必殺技「シャイニングクリスタルビット」は自身の周囲にエネルギーを展開して攻防一体の戦術を可能にし、彼女の超能力者としての特異性を際立たせています。明るさと強さを兼ね備えたシリーズ屈指のヒロインです。
椎拳崇
椎拳崇は香港出身の少年格闘家で、麻宮アテナの親友として共に戦うキャラクターです。『KOF95』では青いシャツに短パンというラフな洋服姿で描かれ、少年らしい活発さを強調したデザインになっています。戦闘スタイルは中国拳法をベースとしており、素早い身のこなしと跳躍力を活かした技が多いのが特徴です。必殺技には火球を放つ「龍炎弾」、飛び蹴りの「龍爪撃」、回転攻撃の「転身蹴」などがあり、スピード感あふれる戦い方が持ち味です。超必殺技「天覇封神脚」は連続蹴りを高速で繰り出す大技で、少年らしい勢いと爆発力を表現しています。明るく無邪気な性格で、チームの雰囲気を和ませる存在です。
鎮元斎
鎮元斎は中国出身の老拳法家で、麻宮アテナと椎拳崇の師匠にあたる人物です。小柄で丸みを帯びた体格に長い白髭をたくわえ、酒瓶を手放さないコミカルなデザインが特徴です。戦闘スタイルは酔拳を基盤とし、ふらつきながら繰り出す技で相手の意表を突きます。必殺技には変則的な打撃「酔歩打」や飛び道具「酔歩火球」などがあり、独自のリズムで戦います。超必殺技「超酔歩打」は酒瓶を使った豪快な乱打攻撃で、見た目に反して高い威力を誇ります。コミカルでありながら弟子たちを導く師匠としての存在感を放っています。
ユリ・サカザキ
ユリ・サカザキはリョウ・サカザキの妹で、極限流空手を独自にアレンジした明るく元気な女性格闘家です。衣装は白い道着に帯を締めたシンプルなスタイルで、彼女の活発さと空手家としての実直さを表しています。必殺技には素早い連続蹴り「飛燕鳳凰脚」やコミカルな「百烈ビンタ」があり、兄やロバートと共通する「覇王翔吼拳」なども使用できます。超必殺技「飛燕鳳凰脚・超」は派手な連続攻撃を繰り出す大技で、勢いのある戦闘スタイルを象徴しています。明るい性格と親しみやすいキャラクター性に加え、扱いやすい性能から初心者にも人気の高いキャラクターです。
キング
キングはタイ出身の女性格闘家で、白いタキシード風の衣装に蝶ネクタイを合わせたスタイリッシュなデザインが特徴です。元はバーテンダーで、男装風の出で立ちが中性的な魅力を放ちます。戦闘スタイルはムエタイをベースにした蹴り技中心で、飛び道具「ベノムストライク」や突進蹴り「トラップショット」など、中距離を得意とする技が揃います。超必殺技「サプライズローズ」は華麗な連続蹴りを放つ大技で、キングのクールさと力強さを体現しています。
不知火舞
不知火舞は不知火流忍術を操るくノ一で、赤い忍者装束に大きな扇子を携えた華やかでセクシーなデザインが特徴です。明るく天真爛漫な性格ですが、戦闘では高い機動力とトリッキーな動きで相手を翻弄します。必殺技には扇子を投げる「必殺忍蜂」、炎を纏って突進する「龍炎舞」、空中急降下攻撃「花蝶扇」などがあり、素早さと変則性を武器に戦います。超必殺技「超必殺忍蜂」は炎を大きく纏った強力な扇子攻撃で、彼女の攻撃的な一面を強調しています。舞は華やかさと強さを兼ね備えた女性キャラクターの象徴です。
キム・カッファン
キム・カッファンは韓国出身の正義感あふれるテコンドー使いで、チームのリーダーです。白い道着に青い帯を締めた姿は端正で清潔感があり、真面目な性格と武人としての誠実さを体現しています。必殺技は蹴りを主体としたもので、前方へ滑り込む「飛燕斬」、連続回転蹴り「半月斬」、素早い蹴り上げ「龍炎脚」などを駆使します。超必殺技「鳳凰脚」は連続回し蹴りを叩き込み、強烈なラッシュ力を見せる大技です。犯罪者更生のためにチャンとチョイを監視下に置きつつ、ともに戦わせるというユニークな立場がキャラクター性を際立たせています。
チャン・コーハン
チャン・コーハンは元犯罪者で、巨体と鉄球を武器に戦うパワーファイターです。囚人服風の縞模様の衣装に鎖でつながれた巨大な鉄球を持ち歩く姿はインパクト抜群で、豪快な性格と力強さを象徴しています。必殺技は鉄球を振り回す「鉄球大回転」や突進する「鉄球ラッシュ」などシンプルながら破壊力の高い技が揃い、近距離で相手を圧倒します。超必殺技「超鉄球スイング」は巨大鉄球を豪快に振り回して叩きつける圧倒的な大技で、彼の豪腕ぶりを表現しています。見た目は荒々しいものの、キムの指導の下で更生を目指すという背景がユーモラスでもあります。
チョイ・ボンゲ
チョイ・ボンゲは小柄で素早い元犯罪者で、鋭い爪を使った連続攻撃を得意とします。『KOF95』では緑色のシャツにサスペンダー付きズボンという奇抜な衣装で登場し、小柄で細身ながら狂気を感じさせる風貌が特徴です。戦闘スタイルは高速の爪攻撃を主体としており、必殺技には「斬影爪」や「飛翔爪」など俊敏さを活かしたものが揃います。超必殺技「幻影爪」は残像を伴った連撃で、トリッキーかつ爆発的な攻撃力を見せつけます。巨体で豪快なチャンと対照的に、素早く鋭い動きを得意とすることでチームの戦術に幅を持たせています。
八神庵
八神庵は『KOF95』で初登場した草薙京の宿敵で、紫の炎を操る攻撃的なファイターです。黒を基調とした衣装に赤紫の長髪というダークなデザインで、素早い「闇払い」や連撃の「葵花」を軸にラッシュを仕掛け、超必殺技「八稚女」で一気に体力を奪います。今作ではビリー、影二と組んだライバル色の強い編成で物語面でも存在感を放ちます。
如月影二
如月影二は『龍虎の拳2』出身の忍者で、KOFシリーズにも参戦する格闘家です。装いは黒装束ではなく、濃い紫系の忍装束に差し色のスカーフを合わせた配色で、顔出しの精悍なデザインが特徴です。技構成は飛び道具の「気孔砲」、居合い斬りのように切り込む「霞み斬り」、前進連撃の「流影陣」、蹴り技「天馬脚」など素早さと奇襲性を活かすものが中心で、超必殺技は「斬鉄波」を用います。極限流への宿恨という設定がチーム内の緊張感を高め、八神の攻勢とビリーの間合い管理をつなぐ撹乱役として機能します。
ビリー・カーン
ビリー・カーンは長柄武器を操る棒術の使い手で、赤いバンダナと三節棍を携えたストリート色の強いデザインです。広い間合いを制圧する「旋風棍」や「烈風棍」によって中遠距離で主導権を握り、起き攻めや差し返しでダメージを積み上げます。超必殺技「超火炎旋風棍」は炎を纏った大技で制圧力が高く、近接で畳み掛ける八神、奇襲で崩す影二と噛み合う編成を支えます。
草薙紫舟
草薙紫舟は草薙京の父であり、古来より続く草薙一族の現当主として『KOF95』のストーリーに登場します。表舞台で戦うプレイヤーキャラクターではありませんが、物語上の重要人物として描かれます。八神家との因縁を背負い、また京に炎を操る力を受け継がせた存在でもあります。本作ではオロチ一族との因縁を暗示する役割を担い、八神庵の登場によって激化していく草薙家と八神家の宿命を強調する立ち位置を持っています。威厳ある外見と落ち着いた言動は、草薙京を導く父親としての風格を示しており、プレイヤーに物語の背景と宿命の重さを印象づける存在です。
ルガール・バーンシュタイン
ルガール・バーンシュタインは『KOF95』の最終ボスとして登場する人物で、前作『KOF94』で倒されたはずが生き延び、改造を受けて再びプレイヤーの前に立ちはだかります。白いスーツに義手を備えた冷酷なデザインは威圧感に満ち、格闘家たちを圧倒する存在感を放ちます。必殺技は対空性能と判定に優れる「ジェノサイドカッター」や強力な飛び道具「カイザーウェイブ」が代表的で、理不尽なまでの性能で挑戦者を追い詰めます。さらに超必殺技「ギガンティックプレッシャー」は広範囲に衝撃を与える大技で、圧倒的な破壊力を誇ります。ルガールは単なる強敵に留まらず、KOF大会を裏で操る黒幕として物語全体の緊張感を生み出し、シリーズにおける象徴的な悪役として確固たる地位を築いています。
©1995 SNK

アーケード版『ザ・キング・オブ・ファイターズ ’97』オロチ編完結と新バトルシステムの魅力

アーケード版『ザ・キング・オブ・ファイターズ96』格闘システム刷新と物語深化の魅力

AC版『ザ・キング・オブ・ファイターズ’95』オロチ編開幕と戦術進化の原点

アーケード版『ザ・キング・オブ・ファイターズ ’94』3人チーム戦が生んだ革新性

アーケード版『ザ・キング・オブ・ファイターズ2000』最後のSNK開発作と革新的ストライカーの魅力

アーケード版『ストリートファイター2ダッシュ』四天王が選べる進化形格闘ゲーム

アーケードゲーム記事アーカイブから懐かしの名作を探せます

アーケード版『サムライスピリッツ 零』一撃重視と原点回帰の剣戟格闘