アーケード版『飛翔鮫』東亜プランが磨き上げた絶妙な難易度と戦略性が光る名作STGを振り返る

アーケード版『飛翔鮫』は、1987年にタイトーより発売された縦スクロールシューティングゲームです。開発は『タイガーヘリ』で知られる東亜プランが担当しました。プレイヤーは複葉機「フライングシャーク号」を操り、ショットとボムを駆使して多彩な敵と戦うシンプルながら奥深いゲーム性が特徴です。

開発背景や技術的な挑戦

本作は東亜プランが『タイガーヘリ』で培ったノウハウをさらに進化させた作品です。当時の縦スクロールシューティングは技術的な表現力の限界がありましたが、『飛翔鮫』では砲塔破壊や墜落演出、ステージクリア後の着陸シーンなど、細かな演出に力を入れることでプレイヤーに臨場感を与えることに成功しています。また、ショットのパワーアップやボムの管理という戦略性も、このゲームを特徴づける重要な要素でした。

プレイ体験

ゲームは全5ステージ構成で、ジャングルや軍事基地、海上など多彩なロケーションが登場します。パワーアップアイテムを取得するとショットが扇状に広がり、最大12連射になる爽快感はプレイヤーにとって大きな魅力でした。しかし、チェックポイント方式を採用しており、敵の攻撃が厳しい地点での再スタートは難易度が高く、当時のプレイヤーの間では攻略のしがいがある難所として話題になりました。

初期の評価と再評価

発売当時、『飛翔鮫』は日本国内で高い人気を博し、1987年のアーケードゲーム売り上げランキングでは年間2位となるほどでした。ゲーム誌でも完成度が高いと評価されました。近年は当時の作品を再評価する流れの中で、2022年にM2が移植した『飛翔鮫!鮫!鮫! -TOAPLAN ARCADE GARAGE-』が登場し、オリジナル版の完成度が再び高く評価されています。

他ジャンル・文化への影響

『飛翔鮫』は縦スクロールシューティングゲームのゲームデザインに大きな影響を与えました。特にショットとボムの組み合わせ、チェックポイント方式による難易度設計などは、後に登場するシューティングゲームでも広く採用されています。また、本作のBGMも印象的で、その後のゲーム音楽シーンにおいても評価されています。

リメイクでの進化

もし現代にリメイクされる場合は、高解像度グラフィック化に加え、オンラインスコアランキングやリプレイ機能などが導入されることが考えられます。また、初心者向けの救済措置として被弾時の自動ボム発動や難易度調整が加えられれば、幅広い層が楽しめるタイトルとして進化するでしょう。

筆者からの視点

『飛翔鮫』の魅力は、シンプルでありながら絶妙な難易度設定や戦略性が高いゲームバランスにあります。演出面での細やかな気配りや、プレイヤーの技量を問うシビアな設計は、今もなお多くのプレイヤーに愛される理由だと感じます。当時のアーケードゲームの面白さを凝縮した本作は、シューティングゲーム史に残る名作と呼べるでしょう。

まとめ

アーケード版『飛翔鮫』は、東亜プランの縦スクロールシューティングゲームの集大成とも言える作品です。発売から長い年月が経った今も、多くのプレイヤーにとって忘れられない作品として評価されています。リメイクや復刻を経て、新たなプレイヤーがこの作品に触れる機会が増えていることは、ゲーム史においても意義深いことだといえます。

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