プレイステーション版『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刀 サムライスピリッツ新章』は、1999年12月にSNKから発売された対戦格闘ゲームです。開発はジャパンヴィステックが担当しました。大人気シリーズ『サムライスピリッツ』の新たな章として、これまでの2Dから3Dへと大胆に表現を変え、登場人物も一新されています。物語はこれまでのシリーズから20年後の世界を舞台にしており、新たな主人公である九葵蒼志狼をはじめ、歴史の裏で暗躍する剣客たちの物語が描かれています。
開発背景や技術的な挑戦
本作は、それまでの『サムライスピリッツ』シリーズの路線から大きく変わり、3Dポリゴンによる表現に挑戦した意欲作です。開発はジャパンヴィステックが手がけ、剣戟格闘ゲームの新たな可能性を模索しました。当時の3D対戦格闘ゲームの流行を受けての試みであり、キャラクターの動きや剣術の駆け引きを、より立体的にリアルに表現することが目指されました。しかし、当時の技術的な制約もあり、滑らかさや迫力といった面で苦労が見られた部分もありました。
プレイ体験
本作のプレイ体験は、従来の2Dシリーズとは大きく異なっています。3D化されたことで、奥行きのあるフィールドで戦うことが可能となりました。しかし、一部のプレイヤーからは、キャラクターの動きがもっさりと感じられる点や、シリーズの特徴であった豪快なエフェクトが控えめになった点について意見がありました。一方で、峰打ちや鍔競り合いといった剣術の駆け引きをシステムとして取り入れ、戦略的なバトルを楽しめる工夫も凝らされています。新キャラクターたちの個性的な技や、彼らの織りなすストーリーも、プレイヤーをゲームの世界に引き込む要素となりました。
初期の評価と現在の再評価
本作のリリース当時の評価は賛否両論でした。従来のファンからは、3D化による変化やゲームバランスに対して厳しい声も聞かれました。しかし、シリーズの新たな試みとして評価する声も少なからず存在します。現在では、レトロゲームとしての再評価が進んでおり、当時の時代背景や技術的な挑戦を知る上で重要な作品として捉えられています。特に、3Dに移行した時代の格闘ゲームとしての位置づけで、その独自性が改めて注目されることもあります。
他ジャンル・文化への影響
『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刀 サムライスピリッツ新章』が他のゲームジャンルや文化に直接与えた影響については、Web上で十分な情報を見つけることができませんでした。しかし、本作品はゲームソフトの枠を超え、関連書籍や攻略本、ドラマCD、フィギュアなど、多岐にわたるメディアミックス展開が行われました。これらのグッズは、本作が特定のファン層に強く支持されていたことを物語っています。
リメイクでの進化
本作は、現在までに直接的なリメイク版は発売されていません。近年発売された『SAMURAI SPIRITS』は、シリーズの原点回帰を目指した最新作であり、本作とは異なる方向性を持っています。もし本作が現代の技術でリメイクされるならば、より滑らかな3Dグラフィックや、オンライン対戦機能の実装など、現代のゲーム環境に合わせた様々な進化が期待できるでしょう。
特別な存在である理由
『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刀 サムライスピリッツ新章』は、シリーズの中でも特別な存在感を放つ作品です。それは、従来の路線から大胆に脱却し、3Dという新たな領域に挑戦した意欲作であるためです。物語の舞台を20年後の未来に設定し、旧キャラクターの新たな姿や新キャラクターのドラマを描いたことも、ファンにとっては大きな驚きでした。賛否両論はあったものの、シリーズの歴史の中で、大胆な変化を試みた重要なターニングポイントとして記憶されています。
まとめ
プレイステーション版『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刀 サムライスピリッツ新章』は、3Dへの移行期における格闘ゲームの一つの挑戦でした。当時の評価は分かれましたが、シリーズの歴史を語る上では欠かせない存在です。新キャラクターたちの魅力や、剣術の駆け引きを再現しようとした意欲的なシステムなど、今改めて振り返ると多くの魅力が詰まっています。この作品は、変化を恐れずに新たな表現を模索したSNKの姿勢を示す、貴重なタイトルと言えるでしょう。
攻略
プレイヤーは、選んだ剣士を操作して物語を進め、離天京を舞台に展開するドラマチックな剣劇の結末に辿り着くことを目的としています。ルールは3D剣術格闘アクションを基盤に据えており、各キャラクターに用意されたマルチシナリオを追いながらバトルを進め、勝利によって強化要素やイベントを解放しつつ体験を広げていきます。戦闘では体力ゲージを削り合い、先に相手のゲージをゼロにすることで勝利を得られますが、自身の体力が尽きた時点で敗北となり、ストーリーモードではその章の進行が失敗してゲームオーバーとなります。
ストーリー
プレイステーション版『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刀 サムライスピリッツ新章』は、シリーズの伝統的な世界観を大きく塗り替え、これまでの物語から20年後の世界を舞台にしています。かつて争いの中心地であった「離天京」は、人心を更生させるための場所として再建されたものの、人々の心に宿る憎悪の念や欲望によって、再び弱肉強食の無法地帯と化してしまいます。この地に集まる者たちは、強い者だけが生き残るという過酷な現実を突きつけられ、互いに刃を向け合います。この戦いから生じる人々の負のエネルギーは、次第に覇業三刃衆と呼ばれる謎の集団の力を強めていきました。物語は、新たな主人公である九葵蒼志狼を中心に展開され、彼は自身の過去と向き合いながら、この混乱した時代を生き抜くことになります。また、旧シリーズでお馴染みのキャラクターたちも、20年の時を経て成長した姿で登場し、それぞれの立場で物語に深く関わってきます。覇王丸や橘右京といった剣士たちは、かつての強敵としてではなく、新たな時代の剣士たちを導く存在として描かれています。特にプレイステーション版では、アーケード版にはなかった「剣客指南」という独自のモードが追加されており、キャラクター一人ひとりの背景や心情がより深く掘り下げられています。これにより、なぜ彼らが戦い、何を求めているのかという、それぞれの信念や苦悩をプレイヤーがより深く理解できるような構成となっています。本作は、シリーズの新たな可能性を模索し、3Dという表現で、剣客たちの葛藤と生き様をドラマティックに描き出した作品です。
ゲームシステム
プレイステーション版『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刀 サムライスピリッツ新章』は、3D格闘ゲームとして、従来のシリーズとは一線を画す独自のゲームシステムが多数採用されています。単なる移植版に留まらず、家庭用ならではの要素も加わり、プレイヤーはより奥深いゲーム体験を味わうことができます。ここからは、そのシステムを項目ごとに詳しくご紹介します。
怒りゲージと怒り爆発
このシステムは、シリーズの代名詞とも言える要素が3D格闘ゲームの文脈に落とし込まれたものです。プレイヤーが相手からダメージを受けると、画面下部の怒りゲージが徐々に溜まっていきます。ゲージが満タンになると、キャラクターは一時的に攻撃力が大幅に上昇し、より強力な一撃を放つことが可能になります。また、怒りゲージが満タンの状態で特定のコマンドを入力すると「怒り爆発」が発動します。これは相手を吹き飛ばす強力な攻撃であると同時に、発動後はさらに一定時間、怒り状態を上回る攻撃力アップの恩恵を受けられます。ただし、この怒り爆発は一試合で一度しか使用できないため、使いどころが非常に重要な戦略的要素となっています。
鍔競り合いと峰打ち
本作ならではの剣術の駆け引きを表現するシステムとして、鍔競り合いと峰打ちが挙げられます。鍔競り合いは、特定の攻撃同士が同時にぶつかることで発生し、ボタンの連打勝負となります。勝利したプレイヤーは相手を大きく吹き飛ばし、追撃のチャンスを得ることができます。これは、剣士同士の力と技の応酬をリアルに再現するものであり、勝負の緊張感を高めています。一方、峰打ちは、相手にダメージを与えることなく気絶させる技で、これまでのシリーズが持つ残酷な描写を控えめにしつつも、相手を無力化するという戦略的な選択肢を提供しています。これにより、プレイヤーは単に相手の体力を奪うだけでなく、状況に応じた様々な戦術を組み立てることが可能になりました。
剣質と空中ガード
キャラクターセレクト時に「修羅」と「羅刹」という二つの剣質を選択できるシステムは、本作のゲームプレイに大きな多様性をもたらしています。同じキャラクターでも、選んだ剣質によって使用できる必殺技や連続技の性能が変化し、プレイスタイルが大きく変わるため、プレイヤーは自分の好みに合わせた戦い方を見つけることができます。例えば、修羅は正統派の必殺技が揃っているのに対し、羅刹はトリッキーな技が多く、より独特の戦術を要求します。また、3D格闘ゲームならではの要素として、ジャンプ中の攻撃に対してもガードが可能な「空中ガード」が実装されています。これにより、安易なジャンプ攻撃は危険となり、空中での攻防がより複雑で奥深いものになっています。
キャラクター
九葵蒼志狼 (くき せいしろう)
九葵蒼志狼は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』の主人公で、幕府御庭番衆に属する若き剣士です。キャラクターデザインは、長く逆立つ黒髪に赤みが差した前髪を持ち、鋭い眼差しで敵を睨み据える精悍な顔立ちが印象的です。衣装は淡い青色の羽織に濃紺の袴という和装で統一され、腰には刀を佩き、両手に籠手風の手甲を装着し、素足に草履という実戦的かつ伝統的なスタイルを貫いています。その姿は古風な武士の風格と若々しい力強さを兼ね備えており、シリーズの新たな主人公像を象徴しています。戦闘面では突進技と無敵技を備えた万能型の性能を持ち、攻撃力の高い連続技による安定したダメージを狙えると同時に、一撃必殺級の爆発力をも兼ね備えている点が大きな特徴です。特に素早く踏み込み相手を切り裂く技や、無敵時間を利用した切り返し技を持ち合わせ、攻防両面に隙が少ないバランス型の剣士として設計されています。ストーリー上では奪われた家伝の刀「紅煌」を取り戻すべく戦いに挑む姿が描かれ、その使命感と冷静な剣客としての振る舞いがキャラクター性をより際立たせています。彼の立ち居振る舞いには青年剣士らしい瑞々しさが宿っており、従来の『サムライスピリッツ』の登場人物に比べてより現代的かつ若者的な魅力が前面に押し出されているのが特徴です。シリーズにおいて初めて据えられた完全新主人公であり、和の伝統美と斬新なアクション性を両立したデザインが、プレイヤーに強い印象を与える存在となっています。
覇王丸 (はおうまる)
覇王丸は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』においても登場するシリーズを代表する剣豪であり、流浪の武人として己の剣を磨き続ける姿が描かれています。キャラクターデザインは従来の若々しい姿から大きく変化し、逞しい筋肉質の体格と年齢を重ねた精悍な顔立ちが特徴です。逆立つような長髪は白髪が混じり始め、顎には髭を蓄え、胸元を大きく露出させた粗野な武人の風格を漂わせています。衣装は白を基調に裾や袖口に黒をあしらった道着風の装束で、赤い帯を腰に締め、草履を履いたスタイルで、長年の戦いを経てなお衰えぬ覇気を感じさせます。戦闘スタイルは相変わらず力強い剣撃を中心に据え、豪快な斬り払いと飛燕斬のような突進技、さらにはかつての代名詞である「天地覇煌斬」に象徴される一撃必殺の豪剣を誇ります。その攻撃は重さと切れ味を兼ね備え、相手を圧倒する破壊力を見せつける一方で、熟練の老練さが加わったことで攻防の駆け引きに幅を持つ存在となっています。物語の中では若き剣士たちに道を示す存在としても描かれ、蒼志狼をはじめとした新世代と交わることで「剣の真理」と向き合い続ける姿が強調されています。彼の存在感はまさにサムライスピリッツというシリーズそのものを象徴しており、老いてなお衰えぬ覇気と豪放な人柄がプレイヤーに深い印象を与えるキャラクターです。
花房迅衛門 (はなふさじんえもん)
花房迅衛門は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場する豪快な老剣士で、主人公・九葵蒼志狼の父の旧友として物語に深く関わる人物です。所属は特定の組織ではなく、自由に生きる一匹狼のような存在で、若き剣士たちにとっては父親的な頼れる存在でもあります。キャラクターデザインは筋骨隆々とした巨体に特徴的な髭面、頭頂部を剃り上げた髪型が印象的で、肩には布を無造作に羽織り、荒々しい生き様をそのまま体現した風貌となっています。武器は巨大な十文字槍で、そのリーチを活かした攻撃は圧倒的な制圧力を誇り、振り下ろしや突きは一撃一撃が重く、戦場で培われた実戦的な技が活かされています。必殺技としては槍を大きく振り回し相手を弾き飛ばす豪快な技や、踏み込みながらの突進突きなどパワー型の技が多く、接近した相手を一掃するような攻撃性能を備えています。戦闘スタイルは一見荒っぽいものの、長年の経験に裏打ちされた読みと間合いの取り方で、若者には真似できない老練さを発揮します。性格的には豪放磊落で酒と女に弱い一面を持ちながらも、義理人情に厚く、仲間や旧友のためには命を惜しまぬ武士道精神を宿しています。その姿は「老いてなお盛ん」という言葉がふさわしく、物語上においても蒼志狼の成長を見守る存在でありながら、戦士として未だ衰えを知らぬ豪傑ぶりをプレイヤーに印象付けます。豪快な外見と迫力ある十文字槍のアクションは、本作における重量級キャラクターの代表格といえるでしょう。
服部半蔵 (はっとりはんぞう)
服部半蔵は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場する伊賀流忍者で、幕府の密命を帯びて暗躍する存在です。本作における半蔵は従来シリーズの人物ではなく、息子の真蔵が父の名を継いだ新世代の「半蔵」として登場しています。キャラクターデザインは全身を黒い忍装束で包み、顔は覆面で隠しながらも鋭い眼光が覗き、両肩には金属製の大きな篭手を装備して防御性と威圧感を強調しています。さらに脚部には白を基調とした装甲具が施され、赤の紋様がアクセントとなっており、伝統的な忍者像に甲冑的要素を加えた重厚なスタイルとなっています。背中には紫の鞘に収められた忍刀を背負い、戦場での即応性を象徴しています。戦闘スタイルは俊敏かつ多彩で、素早い連続斬りや手裏剣、煙幕を利用した撹乱、さらには分身を用いたトリッキーな戦法を得意とし、奇襲やかく乱を駆使して相手を翻弄する戦い方が特徴です。必殺技としては影を残してすり抜ける移動技や、空中から一気に畳みかける忍法が揃っており、スピードと奇襲性を最大の武器としています。物語的には父の名を継いだ責務を背負い、幕府のために暗躍する使命を帯びつつも、自らの信念と誇りを持って戦い続ける姿が描かれています。従来の半蔵に比べると若さと精悍さが強調され、次代の忍としての存在感を放つキャラクターであり、伝統と革新を兼ね備えたデザインと性能がプレイヤーに新鮮な印象を与えます。
サヤ (さや)
サヤは『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場する女性剣士で、妖艶さと冷徹さを兼ね備えたキャラクターです。所属組織は明確には語られていませんが、暗殺や密命を帯びて動くような立場にあることが示唆されており、その振る舞いや戦闘スタイルからも影の戦士としての存在感を強く漂わせています。キャラクターデザインは、金髪をまとめた洗練された姿で、漆黒を基調に金色のラインをあしらったボディスーツ風の忍装束を身に纏っています。露出度の高い胸元や肩のスリットが、彼女の女性らしい魅力と同時に妖しい雰囲気を演出しており、敵を翻弄するキャラクター性を際立たせています。武器は片手に収まる湾曲した刀で、素早い斬撃や鋭い突きを得意とし、連撃を活かしたスピード戦闘に特化しています。必殺技はその俊敏さを前面に押し出したもので、踏み込みから一瞬で斬り裂く技や、空中から翻るように斬りつける連撃技などが想定され、相手に反撃の隙を与えない攻めを展開します。さらに妖艶な所作を活かして相手の警戒心を緩め、そこから致命的な一撃を放つという暗殺者的な戦術が特徴です。物語的には蒼志狼たちの行く手を阻む存在として登場し、その正体や目的が謎めいていることからストーリーに深みを与える役割を担っています。美貌と冷徹な戦闘力を兼ね備えたサヤは、本作におけるダークヒロイン的な立ち位置を担い、プレイヤーに強烈な印象を残すキャラクターです。
乱鳳 (らんぽう)
乱鳳は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場する破天荒なキャラクターで、従来のサムライスピリッツには存在しなかった新顔として強烈な個性を放っています。所属は特定の組織ではなく、自由奔放に動く放浪者的存在で、戦闘スタイルや言動からして型破りで予測不能なキャラクターです。キャラクターデザインは、痩身ながら筋張った体に派手なゴーグルをかけ、口元に大きな笑みを浮かべた異相の戦士で、背中には羽飾りのように逆立った黒髪が広がり、全体に野性的な印象を漂わせています。さらに黄土色を基調とした袖なしの衣服に赤い帯を締め、脚は白い脚絆で固められており、古風さと奇抜さを組み合わせた風貌をしています。最大の特徴は手にした巨大な木槌で、常人では扱えないほどの大きさと重量感を誇り、それを振り回し豪快に敵を叩き潰す戦い方を得意としています。必殺技は木槌を活かした回転攻撃や、飛び込みながらの叩き付けといった破壊力重視のものが多く、トリッキーな動きと合わせて相手のペースを乱す性能を持ちます。また、その見た目通りコミカルでトリッキーな挙動を多用することから、相手にとっては読みづらく、戦闘では心理的にもプレッシャーをかける存在となっています。物語上では混乱や騒動を呼び込む道化のような立場を演じつつ、時に核心に触れる言動を見せるなど単なる賑やかしでは終わらない存在感を持ち、異彩を放つキャラクターとしてプレイヤーに強烈な印象を残します。乱鳳はその奇抜なデザインと豪快な武器によって、シリーズの新章におけるユニーク枠を担うキャラクターといえます。
十六薙夜血 (いざなぎやち)
十六薙夜血は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場するダークヒーロー的な存在で、名の通り夜や血を想起させる不吉で妖しい雰囲気を纏った剣士です。所属は特定されていませんが、外法に通じるかのような禍々しい気配を漂わせ、物語の中でも蒼志狼らの前に立ちはだかる敵対者として描かれることが多いキャラクターです。キャラクターデザインは長髪を逆立て、冷たい眼差しを浮かべた青年で、紫を基調とした肌に密着する戦闘服を身に纏い、腰には黒と白の市松模様をあしらった布を下げています。全体としては肉体美を誇示するような装いであり、指先には黒い爪を思わせる装飾が施され、首には小さなクロスを下げており、異端と神秘を同時に演出しています。武器は幅広で鋭利な刀身を持つ異形の剣で、その重厚さと禍々しい意匠が夜血の狂気を象徴しています。戦闘スタイルは力強い斬撃を主体としつつ、素早い踏み込みや連撃も可能とするバランス型で、特に一撃の重さとリーチを活かした剣技が強みです。必殺技には闇の力を込めた斬撃や相手を切り刻む多段攻撃などが含まれ、彼の不気味な存在感をさらに際立たせています。物語的には正義と悪の狭間を揺らぐような立場で、血に塗れた宿命を背負った剣士として描かれ、主人公たちにとって大きな試練となる存在です。十六薙夜血は、そのダークなビジュアルと重厚な剣技でプレイヤーに強い印象を残す、シリーズの新章にふさわしい不気味な剣士といえます。
榊銃士浪 (さかきじゅうしろう)
榊銃士浪は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場する実力派剣士で、西洋の武器文化を取り入れた異色の存在です。所属は明確に定められていませんが、幕府や藩のしがらみを離れて己の剣と銃の道を極める浪人として描かれており、従来の純和風剣士とは一線を画すキャラクターです。キャラクターデザインは鋭い眼光を持つ精悍な顔立ちの青年で、肩まで伸びた髪を後ろで束ね、青の羽織に白い袴を合わせた和装を基調としています。しかし片手には銃剣を模した独特の武器を携え、黒の手袋をはめた姿は和と洋の融合を象徴しています。腰には帯刀しつつも銃を取り入れた構えを見せ、伝統に囚われない柔軟さが表れています。戦闘スタイルは刀術と銃撃を組み合わせたハイブリッド型で、中距離から銃撃で牽制し、近距離では鋭い剣技で畳みかけるバランスの良い戦い方を得意とします。必殺技は銃口から放つ弾丸と斬撃を連動させた攻撃や、踏み込みながら剣と銃を同時に操る二段攻撃などが想定され、他キャラにはない独自性を発揮します。物語上では西洋の武器を取り入れることに葛藤や誇りを抱えつつも、新時代を切り開くためにその道を選んだ剣士として描かれ、伝統を背負う他の登場人物との対比で存在感を放ちます。榊銃士浪は和の剣豪でありながらも西洋文化を取り入れた新時代の戦士として、プレイヤーに鮮烈な印象を残すキャラクターです。
吉野凛花 (よしのりんか)
吉野凛花は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場する女性剣士で、華やかさと凛とした気品を兼ね備えたキャラクターです。所属は特定の流派や組織に属さず、己の信念と誇りを胸に戦う独立した存在として描かれています。キャラクターデザインは、名前にふさわしく和の美しさを意識した華やかな装いを特徴とし、長い髪を整え、女性的な優雅さを漂わせながらも、戦士としての強さと覚悟を感じさせる表情を浮かべています。衣装は女性らしい意匠が随所に施されつつも、機動性を重視した和装風の戦闘服であり、剣士としての気品と実用性を両立しています。武器は反りのある刀で、鋭い斬撃や突きを得意とし、特に素早い連撃や隙のない構えで相手を圧倒するタイプです。必殺技は連撃を軸にした華麗な斬り込みや、舞うように繰り出す剣舞的な技が中心で、その美しさと殺傷力を兼ね備えている点が大きな特徴です。また、俊敏さを生かして相手の攻撃をいなすような回避行動も得意とし、軽やかに舞いながら反撃へ転じる戦闘スタイルがプレイヤーに爽快感を与えます。物語的には蒼志狼たちと交わる中で、自らの信念を貫きつつ新時代の流れに身を投じる女性剣士として描かれ、物語の緊張感を高める存在でもあります。美しさと強さを兼ね備えた吉野凛花は、本作の女性キャラクターの中でも象徴的な存在であり、優雅な剣舞を武器に戦う姿はプレイヤーに強烈な印象を与えるでしょう。
七坐灰人 (かなくらはいと)
七坐灰人は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場する異彩を放つ剣士で、冷徹かつ影のような存在感を持つキャラクターです。所属は特定されておらず、浪人や闇に生きる剣客といった立場で描かれており、物語の中では主人公たちに立ちはだかる強敵としての役割を担います。キャラクターデザインは痩身で鋭い目元を持ち、全体的に陰の気配を漂わせるのが特徴です。灰人という名の通り、衣装はくすんだ灰色や黒を基調とし、風に舞うような布を纏った姿は幽鬼のような印象を与えます。髪は乱れた黒髪で、表情は常に冷淡であり、感情を押し殺した冷酷な剣士として描かれています。武器は幅広の刀を使用し、必殺技には残像を伴った斬撃や影のように滑り込む突進技が含まれ、素早く予測不能な動きで相手を追い詰めるのが持ち味です。また、敵を翻弄するようなフェイントや不意打ちに近い攻撃も多く、戦闘では常に相手の神経を削るようなスタイルを展開します。物語的には「灰人」という異名に象徴される通り、人の世に溶け込みながらも孤独と闇に包まれた存在であり、その生き様は主人公たちの対比として描かれることが多いです。戦いの中で感情を見せぬ冷徹さは、彼がただの剣客ではなく闇を背負った男であることを強調しており、プレイヤーに不気味さと緊張感を与える存在となっています。七坐灰人は、華やかなキャラクターの多い本作において、闇と孤独を体現した異端の剣士として強烈な印象を残します。
つむじ風の臥龍 (つむじかぜのがりゅう)
つむじ風の臥龍は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場する個性派キャラクターで、風を操るかのような俊敏さと荒々しさを兼ね備えた戦士です。所属は不明ですが、その風来坊のような名と立ち位置から、組織や権力に縛られず自由気ままに生きる浪人、もしくは漂泊の剣客としての性格付けがなされています。キャラクターデザインは名前の通り「風」をイメージした軽快さを感じさせる装いが特徴で、長い布やマントのような衣装をなびかせ、戦場を颯爽と駆け抜ける姿が印象的です。髪は逆立ち気味で風に揺れるように描かれ、表情は豪放かつ快活、戦いそのものを楽しむような奔放さが漂っています。武器は湾曲した長刀や槍のような長物を携えており、これを振るうたびに風切り音を立てて敵を圧倒します。必殺技は竜巻や突風を思わせる高速回転斬りや、風圧を伴った突進技が中心で、素早さと勢いで相手を翻弄するのが大きな特徴です。攻撃の際には自身の体を風に同化させたかのように動き、時に一瞬で間合いを詰めて強烈な一撃を叩き込む戦法を得意とします。物語的には風のごとく現れては去っていく放浪の剣士として描かれ、蒼志狼たちの旅路において一時的に交錯する存在として立ちはだかります。その性格は自由奔放で束縛を嫌うものの、戦いの最中には義侠心を見せることもあり、ただの傍観者や荒くれ者ではない深みを持っています。つむじ風の臥龍は、その名とデザインが示す通り風の化身のような存在で、スピード感とダイナミックな必殺技によってプレイヤーに爽快感を与えるキャラクターです。
九鬼刀馬 (くきとうま)
九鬼刀馬は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場するCPU専用キャラクターであり、一定条件下でのみ使用可能になる特別な存在です。主人公・九葵蒼志狼と対をなすように配置されたキャラクターで、物語上でも因縁深い宿命のライバルとして位置づけられています。キャラクターデザインは金色に逆立つ髪と鋭い眼光を持ち、上半身を大きくはだけた姿から隆々とした腹筋を誇示し、冷酷かつ傲慢な雰囲気を漂わせています。衣装は黒地に赤の縁取りを施した羽織をまとい、腰には橙色の帯を締め、全体的に闇を象徴する色合いで構成されています。その姿は蒼志狼の青を基調とした清廉なデザインと対比するように作られており、二人の宿命的関係性を視覚的にも際立たせています。武器は長く鋭い日本刀で、彼の戦い方は苛烈かつ冷徹で、一撃ごとに相手を圧倒する破壊力を備えています。必殺技は鋭い踏み込み斬りや、闇の力を宿したかのような強烈な一閃が中心で、その爆発的な攻撃力は蒼志狼を凌駕するほどです。さらに一撃必殺の重さに加え、意表を突く素早さを見せることもあり、CPU専用としてプレイヤーに圧倒的な壁として立ちはだかります。物語においては蒼志狼と対照的な「影」として描かれ、紅の刃を振るうその姿は血と闇に染まった宿命を体現しています。九鬼刀馬はシリーズの新章における宿命のライバルキャラとして、プレイヤーに強烈なインパクトを与える存在であり、その禍々しいデザインと圧倒的な力で物語を大きく動かす重要な役割を担っています。
命 (みこと)
命は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場するCPU専用キャラクターで、特定の条件を満たすことでのみ使用可能になる特別な存在です。その名前が示すように「生命」や「宿命」といった重々しいテーマを背負っており、物語上でも重要な役割を担うキャラクターです。キャラクターデザインは長い紫色の髪を高く結い上げ、涼しげな表情を浮かべながらもどこか憂いを帯びた雰囲気を漂わせています。衣装は青を基調とした巫女風の和装に近い意匠でありながら片脚を大きく露出させ、神秘性と妖艶さを同時に演出しています。武器は巨大な片刃の大刀で、刀身には独特の意匠が施され、神聖さと禍々しさが共存した存在感を放っています。戦闘スタイルは大振りで豪快な斬撃を主体としながらも、霊的な力を込めた技を繰り出すことが特徴で、一撃ごとの迫力は他キャラを圧倒します。必殺技は大刀を振り抜くことで衝撃波を生み出す斬撃や、霊力を伴った範囲攻撃で、神秘的かつ圧倒的な破壊力を誇ります。CPU専用として登場するため、その強さは通常のプレイヤーキャラ以上に調整されており、プレイヤーにとって大きな壁として立ち塞がる存在です。物語的には「命」という名が示すように、キャラクターたちの宿命や戦いの根幹に深く関わり、時に試練を与える存在として描かれます。そのデザインや戦闘スタイルは神秘的でありながらも力強く、シリーズにおいて異彩を放つ存在であり、プレイヤーに強烈な印象を残すキャラクターです。
眠兎 (みんと)
眠兎は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場するCPU専用キャラクターで、一定条件下でのみ使用可能となる特別な存在です。その名の通り「眠る兎」を思わせる愛らしい響きを持ちながらも、戦闘では油断ならない不思議な力を発揮するキャラクターです。キャラクターデザインは緑色の髪に前髪の一部が鮮やかなピンク色で彩られた独特の配色が特徴で、大きなエメラルドグリーンの瞳と頬に描かれた黒い模様が愛嬌と妖しさを同時に感じさせます。幼い子供のような外見に加え、首元には毛皮をあしらった白い外套をまとい、胸元には赤い達磨のような装飾が吊るされており、デザイン全体から神秘性と遊び心が漂っています。戦闘スタイルはその小柄な体格を活かした素早い動きと跳躍を得意とし、まるで兎のように軽やかに跳ね回りながら攻撃を繰り出すのが特徴です。必殺技には飛び跳ねながら相手に体当たりする奇襲的な技や、予測不能な軌道で斬撃を放つ技が含まれ、相手にとっては捉えどころのない戦いを強いられることになります。CPU専用キャラクターであるため性能は特異で、時に異常な強さを発揮してプレイヤーを翻弄する存在です。物語的には幼さと神秘性を併せ持つ存在として描かれ、単なるマスコットではなく戦いの裏に潜む何らかの真実や謎を示唆する役割を持つと解釈されています。眠兎はその可憐な外見とギャップのある戦闘スタイルによって、プレイヤーに強烈な印象を与える異色のキャラクターです。
陀流磨 (だるま)
陀流磨は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場するCPU専用キャラクターで、一定条件下でのみ使用可能となる特異な存在です。老齢の僧侶を思わせる風貌ながら、その眼光と禍々しい雰囲気はただの隠遁者ではなく、修羅を渡り歩いた猛者であることを示しています。キャラクターデザインは額から頭部にかけて大きな傷跡が走り、右目には眼帯を着け、残る左目は白濁した瞳で不気味な印象を与えます。白く長い髭と眉が老獪さを強調し、赤と紫を基調にした僧衣を纏う姿は僧形でありながらどこか異端的な雰囲気を漂わせています。その名が示すように「だるま」を連想させる重厚さを持ち、戦闘スタイルも重量感のある攻撃が主体です。必殺技は大地を踏み鳴らすような衝撃波や、重い杖や掌打を用いた一撃必殺の打撃を得意とし、攻め込む相手を一瞬で叩き伏せる圧倒的なパワーを誇ります。俊敏さよりも破壊力と防御力に重きを置いた戦法で、接近戦での圧迫感は本作屈指のものとなっています。物語的には長い年月を生きた中で修羅の道に堕ち、闇に通じる術を体得した存在として描かれ、主人公たちの前に強大な障害として立ちはだかります。陀流磨は、その異様な風貌と老僧らしからぬ戦闘力によって、ただの人間ではなく「修羅に魅入られた者」としての迫力を放ち、プレイヤーに強烈な印象を残すキャラクターです。
ター・ションマオ (大熊猫/だいくまねこ)
ター・ションマオは『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場するCPU専用キャラクターで、一定条件を満たすことで使用可能になる重量級のファイターです。名前に「大熊猫」とあるように、彼のキャラクターデザインはパンダをモチーフにしたユーモラスかつ異形的な姿を持ち、シリーズでも異彩を放つ存在となっています。キャラクターデザインは白い大柄な体に青い文様が描かれた顔立ちで、目元には涙のような青い渦巻き模様が刻まれています。その体型は非常に巨大で丸みを帯びており、見るからに重量級の戦士であることを示しています。衣装は中国武術を思わせる黄色い道着風の服に黒と赤の縁取りが施され、異国的な雰囲気を強く漂わせています。戦闘スタイルは重量感を生かした豪快な肉弾戦が中心で、巨体を活かした体当たりや投げ技を駆使して相手を圧倒します。必殺技には地響きを立てるようなボディプレスや、腕力にものを言わせた豪腕投げなどが含まれ、機動力よりもパワーと耐久力に優れたキャラクター性を持っています。そのユーモラスな外見に反して戦闘能力は極めて高く、プレイヤーに強烈な圧迫感を与える相手として描かれています。物語上では異国から来た武闘家としての立場を持ち、和の剣豪たちとは異なる流儀で戦うことで、作品全体に多様性と異国情緒を与えています。ター・ションマオはその特異なデザインと巨体を活かした戦闘スタイルにより、本作における重量級かつ異色枠のキャラクターとしてプレイヤーに深い印象を残す存在です。
無限示 (むげんじ)
無限示は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場するCPU専用キャラクターで、一定条件を満たすことで使用可能となる特別な存在です。その名の「無限」が示す通り、底知れぬ力と異常な戦闘力を誇り、プレイヤーにとっては圧倒的な壁となる強敵です。キャラクターデザインは筋骨隆々とした巨体に、額から頬へかけて大きな傷跡が走る凶悪な風貌を持ち、紫色の唇から覗く笑みは狂気と残忍さを表しています。頭頂部を後ろで束ねた髷は黒髪に白い筋が混じり、老練さと獰猛さを同時に演出しています。耳には飾りのような小物を差し、荒々しさの中に異様な風格を漂わせています。衣装らしい衣服はほとんどなく、裸に近い姿でその逞しい肉体を誇示し、まるで「肉体そのものが武器」であることを示しているかのようです。戦闘スタイルは純粋な剛力を活かした肉弾戦が中心で、巨大な拳や蹴りによる打撃で相手を粉砕するほか、時には地面を揺るがすような衝撃波を伴う豪快な技を繰り出します。必殺技は破壊力特化型で、単発で体力を大きく削る一撃や、強引に相手の攻撃を受け止めて反撃する技が多く、CPU専用らしい理不尽な強さを体現しています。物語的には蒼志狼や刀馬たちの前に立ちはだかる「修羅の化身」として描かれ、人の枠を超えた存在としてシリーズの世界観に凄みを加えています。無限示は、その圧倒的な体格と狂気的な笑み、そして理不尽な強さによって、プレイヤーの記憶に深く刻まれる異形の剛腕キャラクターです。
ゴロツキ
ゴロツキは『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場するCPU専用キャラクターで、一定条件下でのみ使用可能となる異色の存在です。その名の通り無頼者を思わせる立ち位置で、作品の中では力と恐怖で周囲を支配する荒くれ者として描かれています。キャラクターデザインは頭部に独特の剃り込み模様を施し、額には「犬」の文字を刻んだような痕があり、見る者に強烈なインパクトを与えます。大柄で筋肉質の体躯を持ち、上半身は裸で逞しい肉体を誇示し、紫色の厚い唇と顎の髭が異様な風貌を際立たせています。その姿は「野獣を人の形に押し込めたかのような荒くれ者」を想起させ、まさに名の通りの「ゴロツキ」を体現しています。戦闘スタイルは力任せの肉弾戦が主体で、相手を殴り飛ばす豪腕の一撃や、地面を揺るがすような投げ技を得意としています。必殺技には相手を掴んで叩き付けるパワフルな技や、突進しながら拳を振り抜く荒々しい攻撃が含まれ、俊敏さには欠けるものの、圧倒的な力でねじ伏せるスタイルを持っています。物語的には秩序や規律とは無縁の存在で、己の欲望と衝動のままに暴れ回ることで主人公たちの前に立ちはだかり、荒廃した時代の混沌を象徴するキャラクターとして機能しています。ゴロツキは、その異様な外見と豪腕による単純明快ながら強力な戦闘スタイルによって、シリーズのCPU専用キャラの中でも一際印象深い存在であり、プレイヤーに理不尽な強さと不気味さを同時に体験させるキャラクターです。
朧衆 (おぼろしゅう)
朧衆は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場するCPU専用キャラクターで、一定条件下でのみ使用可能となる特異な存在です。名前の通り「朧(おぼろ)」=霞や影を意味し、闇に生きる暗殺者集団を想起させるデザインがなされています。キャラクターデザインは全身を赤と黒の禍々しい紋様で覆われた女性戦士で、顔には仮面のような装飾が施され、鋭い緑色の瞳が妖しく輝いています。長く垂れ下がる髪や頭部の飾りが異形感を強め、全体として人間離れした不気味さと妖艶さを同時に漂わせています。その外見はまさに人外の暗殺者といった風格で、伝統的な剣豪たちとは一線を画すビジュアルです。戦闘スタイルは高速の移動と分身のような奇襲攻撃を主体とし、霧や影に紛れて敵を翻弄しながら鋭い一撃を繰り出す暗殺者型です。必殺技には残像を伴った連続斬撃や、瞬間的に消えて現れる高速移動、さらには闇の力を宿した特殊攻撃が含まれ、相手の隙を突いて致命傷を与える性能を持っています。物語的には「朧衆」という名称が示す通り、単独ではなく組織的な存在として描かれる可能性があり、幕府や反乱勢力に雇われた暗殺集団の一員として主人公たちに立ちはだかります。その正体は謎に包まれており、人間であるのか、あるいは闇から生まれた存在なのかさえ定かではありません。朧衆は、その異形的なデザインと暗殺者らしい戦闘スタイルによって、作品全体に緊張感と不気味さを与える存在であり、プレイヤーに忘れがたいインパクトを残すキャラクターです。
伊賀忍軍 (いがにんぐん)
伊賀忍軍は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場するCPU専用キャラクターで、一定条件を満たすことで使用可能となる集団的存在です。その名の通り、服部半蔵の属する伊賀流忍者一党を象徴するキャラクター群であり、作中では半蔵の影武者や部下のような役割を果たしています。キャラクターデザインは全身を灰色の忍装束で包み、顔は布で覆って表情を隠し、額には金属の額当てを装着しています。そのため個別の個性は薄く、匿名性と集団性が強調されており、「忍軍」という名にふさわしい無名の戦士として描かれています。外見は典型的な忍者像であり、目だけを鋭く覗かせることで不気味な存在感を放っています。戦闘スタイルは手裏剣や苦無を用いた遠距離攻撃、煙幕や影分身によるかく乱、素早い体術による連続攻撃など、忍者ならではの多彩な戦術を駆使します。必殺技には瞬間的に距離を詰めて斬りつける技や、複数人が現れたかのような分身攻撃などが含まれ、プレイヤーを翻弄する性能を持っています。物語的には幕府の密命を遂行する存在として蒼志狼たちの前に現れ、場合によっては敵対する立場をとりますが、その根底には服部半蔵の指揮や伊賀流の理念があり、単なる雑兵ではなく物語の緊張感を高める役割を担っています。伊賀忍軍は個性を排した集団的キャラクターとして、プレイヤーに対して「組織の恐ろしさ」と「忍軍の圧力」を体感させる重要な存在です。
お侍 (おさむらい)
お侍は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場するCPU専用キャラクターで、一定条件を満たすことで使用可能になる特殊な存在です。その名前の通り、時代劇に登場する典型的な「侍」の姿をデフォルメしたようなキャラクターであり、真剣勝負の舞台にあえてユーモラスな彩りを加える異色の立ち位置となっています。キャラクターデザインは、頭に「労働」と書かれた鉢巻きを締め、丸眼鏡をかけた風貌で、いわゆる生真面目な学者風の武士を思わせます。衣装は紺色の羽織袴に黄色い帯紐を掛け、きっちりとした正装ながらも、表情や雰囲気からはどこか間の抜けた印象を与えています。その姿は威厳というよりも滑稽さが強調されており、シリアスな登場人物が多い本作において明確にユーモア枠を担っています。戦闘スタイルは直線的で素朴な剣術が中心であり、必殺技も派手さに欠けるものの、時に予想外のリーチや妙なタイミングの攻撃で相手を翻弄します。CPU専用キャラとしての性能はややクセが強く、対戦においてはネタ要素として楽しめる存在です。物語的には特に深い関与はなく、むしろ作品全体の空気を和らげる役割を持っており、シリアス一辺倒ではないゲーム性を表現するためのスパイスといえるキャラクターです。お侍は、その奇抜なデザインとコミカルな立ち位置によって、プレイヤーに「番外編的な面白さ」を提供する存在であり、本作の隠れた名物キャラのひとりといえるでしょう。
幽堕 (ゆうだ)
幽堕は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場するCPU専用キャラクターで、一定条件を満たすことで使用可能となる特異な存在です。彼は記憶を失った剣士「アスラ」のもうひとつの姿ともいえる存在であり、人ならざる影のような業を背負ったキャラクターとして物語に深く関わります。キャラクターデザインは蒼白な肌に鋭い輪郭を持つ顔立ちで、赤黒い眼差しが不気味さを漂わせています。長く流れる黒髪は風に靡き、眼の周囲には闇を象徴するような影が差し、全体的に死者や亡霊を連想させる陰鬱な雰囲気を纏っています。衣装は漆黒を基調としながらも赤の意匠が差し込まれ、肩口にかけた装束が禍々しい存在感を強調しています。その姿は人の剣士でありながらも、人外へと堕ちた者の象徴的な造形となっています。戦闘スタイルは不気味な残像や分身を伴う斬撃が特徴で、まるで影が実体を持ったかのような不可思議な攻撃を繰り出します。必殺技には、影のようにすり抜ける高速移動や相手を切り刻む多段斬撃などが含まれ、正統派の剣士とは一線を画した戦いを展開します。その不規則な挙動と異様な攻撃演出は、プレイヤーに強烈な恐怖感と緊張感を与えます。物語においては記憶を失った剣士としての正体が重要な鍵となり、蒼志狼や刀馬といったキャラクターたちの宿命に深く絡む存在です。幽堕は、闇に堕ちた剣士というコンセプトを体現し、その神秘的かつ不気味なデザインと異質な戦闘スタイルによって、シリーズの中でも特に強烈な印象を残すキャラクターです。
九皇蒼志狼 (くのうせいしろう)
九皇蒼志狼は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場する隠しキャラクターであり、主人公・九葵蒼志狼のもう一つの姿、もしくはその内に秘められた「影」ともいえる存在です。通常の蒼志狼が青を基調とした清廉な青年剣士であるのに対し、九皇蒼志狼は黒と金を基調とした衣装を纏い、全体から威厳と妖しさを放っています。キャラクターデザインは長く逆立つ髪をそのままに、表情は冷徹かつ無機質で、瞳には闇を宿しており、通常の蒼志狼とは異なる宿命的な重みを感じさせます。衣装は黒い着物に金の装飾を施した羽織を掛け、豪華さと禍々しさを兼ね備えた風格を漂わせており、まさに「隠された真の姿」という雰囲気を体現しています。戦闘スタイルは蒼志狼と基本的に同じく剣術主体ですが、必殺技にはより高威力かつ隙の少ない派生が多く、CPUとして登場した際には圧倒的な強さを誇ります。特に突進技や無敵技の性能が強化され、一撃必殺級の爆発力は通常の蒼志狼を凌駕しています。物語的には隠し要素としての登場であるため深く描かれることは少ないものの、「蒼紅の刃」に関わる真の宿命や、蒼志狼の内面に潜む影を示唆する存在と考えられています。九皇蒼志狼は、主人公の影としての役割を担うことで、物語やゲームシステムに深みを与えるキャラクターであり、その威厳ある姿と圧倒的な性能によってプレイヤーに強烈な印象を残す隠し剣士です。
朧 (おぼろ)
朧は『剣客異聞録 甦りし蒼紅の刃 サムライスピリッツ新章』に登場するCPU専用キャラクターで、一定条件下でのみ使用可能な特異な存在です。キャラクターデザインは腰の曲がった老爺の姿で、長い白髭を撫でながら笑みを浮かべる顔立ちは、一見すると無害で温厚そうな老人に見えます。しかし、衣装には不穏な意匠が施されており、茶色の和服に赤い炎のような模様が燃え広がるように描かれ、紫の装飾も加わることで妖しさを強調しています。髪は白く薄くなりつつも後ろに流れ、全体の姿からは老練さと不気味さが同居する雰囲気が漂っています。戦闘スタイルは老人らしい緩慢な動きに見えて、その実トリッキーで予測不能な技を繰り出し、相手の意表を突く戦法を得意としています。必殺技には煙や幻術を利用したような攻撃や、相手を翻弄する軌道の不可解な打撃技が含まれ、表向きの柔和な外見とは裏腹に危険な戦闘力を秘めています。物語的には「朧」という名前が示すように、霞や幻のように正体が掴めない存在であり、ただの老人か、それとも妖術を操る異能者かは定かでなく、謎めいた立ち位置で登場します。主人公たちにとってはただの道化のように見えながらも、実際には強力な敵として立ち塞がることがあり、その落差がプレイヤーに強烈な印象を与えます。朧は、老爺という外見と裏腹の戦闘力を持つことで、物語とゲームプレイの両面で不気味なアクセントを加えるキャラクターです。
隠し要素
隠しキャラクターの使用方法
特定のキャラクターでストーリーモードをクリアすると、隠しキャラクターが使用可能になります。以下は使用キャラクターと解禁される隠しキャラクターの対応表です。
使用キャラクター | 解禁される隠しキャラクター |
---|---|
九葵蒼志狼 | 九鬼刀馬 |
覇王丸 | 命 |
乱鳳 | 眠兎 |
七坐灰人 | 陀流磨 |
つむじ風の臥龍 | ター・ションマオ |
十六薙夜血 | 無限示 |
榊銃士浪 | ゴロツキ |
サヤ | 朧衆 |
服部半蔵 | 伊賀忍軍 |
花房迅衛門 | お侍 |
命 | 幽堕 |
九葵蒼志狼を除く全キャラ | 九皇蒼志狼 |
眠兎の隠しコスチューム
眠兎には特別な隠しコスチュームが用意されています。「天使のコスチューム」は眠兎でストーリーモードをクリアした後にL1ボタンを押しながら眠兎を選択することで使用可能になります。「悪魔のコスチューム」は無限示でストーリーモードをクリアした後にL2ボタンを押しながら眠兎を選択すると解禁されます。
2Pカラーの選択方法
キャラクター選択時にR1またはR2ボタンを押しながら決定すると、通常とは異なる2Pカラーのキャラクターを使用できます。対戦時の気分転換に最適な要素です。
おまけムービーを見る方法
ムービーモードで「METAMORPHOSIS」「ZERO」「ANGEL」の3本のムービーを揃えると、特別なおまけムービーが解放されます。作品世界の理解を深めるための追加要素です。
アタックモードの項目追加
アタックモードは条件を満たすことで課題が増え、やり込み度が向上します。
- ストーリーモードでリムルルを助けると最大15項目まで課題が増加します。
- 全15項目をクリアすると「自由練習」が出現します。
- 潜在能力ポイントを100ポイント獲得すると「一閃勝負」が解禁されます。
バトルモードの設定拡張
アタックモードの全15項目をクリアすると、バトルモードで「怒りゲージの有無」など多数の設定が追加され、対戦を自由にカスタマイズできるようになります。
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