『ポケットテニス』は、シンプルな操作でラリーと駆け引きを楽しめるテニスゲームです。1998年10月28日にネオジオポケット本体と同時発売され、夢工房が手掛けました。画面はモノクロで、コート全体を把握しやすい斜め後方からの視点を採用しています。登場する8人の選手には、攻撃、防御、速さに関する能力差があります。見た目は親しみやすくまとめられていますが、移動の軽快さや打球への対応力が異なるため、自分の戦い方に合った選手を探すことが最初の楽しみになります。
試合の基本は、相手が返しにくい場所へボールを打ち分けることです。ボールの位置まで早めに移動し、打つ方向やタイミングを調整してラリーを続けます。サービスから始まり、ストロークを左右へ散らして相手を動かし、空いたコースへ決めるというテニスの流れが少ない操作で表現されています。ボールだけを追って動くと、返球後にコートの端へ残されて反対側を狙われます。打った直後に中央付近へ戻り、次の1球へ備えることが安定した試合運びにつながります。移動速度の高い選手は広い範囲へ対応しやすく、初心者にも扱いやすい存在です。
複雑な育成や細かな装備設定はなく、電源を入れてすぐ試合へ進める手軽さが本作の持ち味です。1試合の区切りも分かりやすく、短い空き時間に少しずつ遊ぶ携帯機との相性に優れています。選手ごとの違いは現代のスポーツゲームほど大きくありませんが、立ち位置、返球方向、打つタイミングによって展開が変わります。力任せに同じ方向へ返すより、相手の移動を見て反対側へ打つ方が得点しやすくなります。後にカラー表示や一部グラフィックの調整を加えた『ポケットテニス カラー』が発売されました。本作は、その土台となった簡潔なゲーム性をモノクロ画面で味わえる1本です。
