AC版『妖怪道中記』妖怪と地獄巡り!マルチエンドが斬新な高難度アクションゲーム

妖怪道中記

アーケード版『妖怪道中記』は、1987年にナムコから稼働された横スクロール型のアクションゲームです。いたずら好きな少年「たろすけ」が主人公で、地獄巡りをテーマに、多彩な妖怪たちと戦いながら極楽浄土を目指すというユニークな設定が特徴となっています。

開発背景や技術的な挑戦

本作は当時の最新基板「SYSTEM 1」を採用しており、8192色の色彩表現と多彩なステージ構成が特徴でした。技術的には横スクロールに加え、縦方向の要素や複雑な敵キャラクターの動きを導入するなど、当時としては高度な開発技術が使われています。

プレイ体験

ゲームの難易度は非常に高く設定されており、特にたろすけの操作性やジャンプのクセ、突如現れる敵の動きなど、初見では攻略が難しいポイントが数多く存在します。さらに、ショップでのアイテム購入や特殊技「気合弾」の使用など戦略的な要素もあり、奥深いプレイが楽しめます。

初期評価と現在の再評価

稼働当初は難易度の高さが賛否を分けましたが、かわいいキャラクターや独特の世界観、マルチエンディングという斬新な要素が徐々に評価され、現在ではナムコの名作アーケードゲームの一つとして再評価されています。

他ジャンル・文化への影響

『妖怪道中記』は地獄巡りや妖怪をモチーフとした作品の草分け的存在であり、その後の和風ホラーや妖怪テーマのゲーム作品にも大きな影響を与えました。コミカルかつホラーな世界観の融合という表現は、多くのクリエイターにインスピレーションを与えています。

リメイクでの進化

もし現代にリメイクされるなら、当時の理不尽な難易度を適度に調整し、操作性やシステム面を改良することが考えられます。また、グラフィックの高精細化やBGMの再収録に加え、オンラインでのランキング機能や協力プレイ要素なども導入されるでしょう。

特別な存在である理由

『妖怪道中記』はそのユニークな世界観と高い難易度、さらには多彩なプレイスタイルによるマルチエンディングなど、時代を超えて遊べる奥深さを持っています。理不尽な要素があるからこそ、クリア時の達成感が際立ち、プレイヤーの記憶に残り続ける作品になりました。

まとめ

『妖怪道中記』は独特の世界観と挑戦的なゲーム性でアーケードゲーム史に残る名作となりました。発売当時の技術革新や斬新なアイデアは、現在のゲームにも通じる面白さと可能性を秘めています。リメイクによって、現代のプレイヤーにも新たな魅力が伝わることが期待されます。

攻略

プレイヤーは、イタズラ好きの少年「たろすけ」を操作し、神様の罰で地獄の入り口へ運ばれた彼が妖怪念力という特殊な力を使いながら、横スクロールや縦スクロールで構成された五つのステージを巡り、各ステージに設けられた関所や中ボスをクリアして最終の輪廻界にたどり着くことを目的とします。地獄を巡る道中では、妖怪を倒したり敵を踏んだりすることでお金を入手し、それを使ってよろず屋で回復アイテムや連射強化アイテムなどを購入しながら進みます。攻撃は妖怪念力の溜め撃ちが基本で、溜めすぎると息切れして一定時間動けなくなるリスクがあります。ステージごとにイベントや構成が異なり、プレイヤーの行動によってエンディングが変化するマルチエンディング制を採用しています。最終ステージ「輪廻界」では、敵を殺さず途中のお金も取らずに進むことで、より良いエンディングである「天界」に到達できますが、その逆に敵を多く倒したりお金を多く取得したりすると「地獄界」といった下位のエンディングになります。たろすけの体力(POWER)が0になるとゲームオーバーとなります。

操作方法

方向レバー移動
ボタン1攻撃
ボタン2ジャンプ

エリア構成

エリア名称
第一の世界地獄の入口
第二の世界苦行の道
第三の世界幽海
第四の世界裁きの谷
第五の世界輪廻界

輪廻界をクリア後、マルチエンディングになります。全部で5種類あり、ハッピーエンドの順は次の通りです。輪廻界で敵を倒さず、金も拾わなければ天界エンディングが濃厚です。

マルチエンディング

『妖怪道中記』(アーケード版)では、最終ステージ「輪廻界」での行動によって、たろすけの行き着く先が5種類のエンディングに分岐します。敵を倒す数やお金を取る量といったプレイ内容が、そのままたろすけの運命を左右します。以下は、それぞれのエンディングと到達条件の一覧です。

エンディング名称条件(最終ステージ「輪廻界」での行動)
天界(てんかい)敵を一切倒さず、お金を一切取らない(殺生せず・無欲を貫く)。最終面での敵撃破数0&取得金0でのみ到達可能なベストエンディング。
人間界(にんげんかい)敵を5匹以下に抑え、取得金額を3000両以内に留める(少数の敵を倒し、わずかな金のみ取得)。殺生・強欲を極力控えた結果、人間界に転生するエンディング。
畜生界(ちくしょうかい)敵を10匹以下に抑え、取得金額を7000両以内に留める(ある程度敵を倒し、適度に金を取得)。人間界エンドより殺生・欲が多い場合に辿り着くエンディング。
餓鬼界(がきかい)敵を20匹以下に抑え、取得金額を1万両以内に留める(かなり多くの敵を倒し、多額の金を取得)。畜生界よりさらに強い欲や殺生を働いた場合のエンディング。
地獄界(じごくかい)敵を21匹以上倒す、または所持金が10100両以上になる(大量の殺生・強欲)。最も業深いプレイとなったときのバッドエンディング。

©NAMCO 1987