アーケード版『ビジランテ』は、アイレムが開発・1988年に稼働を開始した横スクロールアクションゲームです。開発はアイレム、北米ではデータイーストが発売を担当。AC版は1~2人交互プレイに対応し、パンチ・キック・ヌンチャクを駆使して全5面のステージを進みます。
開発背景や技術的な挑戦
本作は、1984年の名作『スパルタンX』の精神的続編として開発されました。当初は『Kung‑Fu Master』の続編として構想されていましたが、アメリカ市場を意識してニューヨークの裏通りを舞台とするなど世界観を一新。Z80 CPUとYM2151音源を活用し、グラフィック面ではビルの看板や背景が緻密に描き込まれ、アーケード筐体での演出にこだわりが見られます。
プレイ体験
プレイヤーはまず地面に落ちているヌンチャクを拾うことでリーチの長い強力な攻撃手段を得られますが、一度ダメージを受けると失ってしまうため緊張感が増します。ボス戦では体力がじわじわ回復する仕様になっており、一気に倒し切る必要がありました。ジャンプキックやしゃがみ攻撃も多彩で、慣れると爽快感を楽しめる操作性でした。
初期評価と現在の再評価
稼働当初は北米・日本問わず人気を集め、1988年4月には日本のアーケードで2位にランクインしています。メディアでは“グラフィックの緻密さ”や“演出の滑らかさ”が高く評価されました。その後、家庭用への移植やバーチャルコンソール配信により再注目され、現代ではレトロゲームファンの間で“アーケード黄金期の隠れた名作”として再評価されています。
他ジャンル・文化への影響
本作は米国のストリート文化をモチーフとし、スパイクヘアのギャングやヌンチャク、チェーンといった武器を採用したスタイルが後のビート ’em upジャンルに影響を与えました。野外やスラム街といったリアルな舞台設定は、その後のゲーム作品にも取り入れられ、特定のカルチャーを背景にした演出の先駆けと位置づけられています。
リメイクでの進化
もし現代にリメイクされるなら、以下のポイントで進化が期待されます:
グラフィックをHD化し、背景の街並みを3Dで再構築。コンボ技やガード・回避など現代風の操作体系を導入。オンライン対応で協力プレイやランキング機能を実装。ストーリー性を強化し、ローグス団構成員にも個別のバックボーンを設定することでより深みのある物語が展開できるでしょう。
筆者視点での独自結論
アーケード筐体そのままの操作感や緊張感、そして「ヌンチャクを拾った時の爽快感」は、このゲームならではの魅力です。難易度の高さも含めて、アーケードの醍醐味を忠実に味わえる一作と言えます。現代のプレイヤーには、過去と現在をつなぐレトロカルチャーの象徴としても価値のある作品です。
まとめ
アーケード版『ビジランテ』は、アイレムの名作『スパルタンX』のアメリカン版ともいえる作品で、ニューヨークという舞台設定と緻密な演出が特徴です。ヌンチャクの取得とボスの回復仕様によるスリリングな戦い、そしてレトロビート ’em upファンには外せない演出が光ります。リメイクが実現すれば、さらなる進化が期待されますが、オリジナルの魅力は今なお色褪せていません。
©1988 IREM SOFTWARE ENGINEERING INC.

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