アーケード版『コスミックモンスター2』UFO撃ち逃しで敵増殖の戦略型インベーダー系

アーケード版『コスミックモンスター2』は、1979年にユニバーサルから登場したシューティングゲームです。2方向ジョイスティックとボタン1つで操作し、プレイヤーは自機を操って画面上部から迫り来るモンスター軍団を撃ち落とします。『スペースインベーダー』のクローン作品ながら、独自の演出とスコアリング要素を取り入れており、当時の固定画面シューティングジャンルに新たな刺激を与えました。

開発背景や技術的な挑戦

1979年は『スペースインベーダー』によって固定画面シューティングがブームを迎えた時期で、ユニバーサルは“Cosmic”シリーズとして参入しました。第1作『Cosmic Monsters』と本作『Cosmic Monsters II(2)』はほぼ同時期の登場で、名称やROMに差異があるものの、実質同一内容という業界的な事情があります。バージョンIとIIで区別されるものの、ゲーム内容に大きな違いはありません。

プレイ体験

プレイすると、『スペースインベーダー』に非常によく似た挙動を示しますが、本作には特徴的な追加要素があります。UFO(飛来物)を撃ち逃すと、画面上部にモンスターの行が増加するペナルティ付き。本作ではこのギミックが“化石”あるいは名古屋撃ちと呼ばれる戦術を通じてプレイヤーの戦略性を刺激します。スコア3000点以上でエクストラライフが追加され、UFO得点も600~1000点と高めに設定されており、高得点狙いを促す設計です。

初期評価と再評価

発売当初はクローン作として評価が分かれましたが、固定シューティングの枠組みで新たな戦略要素を加えた点が称賛されました。近年ではレトロゲーム愛好家の間で“同一性・差異”の研究対象として注目され、収集性や歴史的価値が再評価されています。エミュレーションの進展により、当時のバージョン違いの比較やサウンド基板の解析など、技術面でも価値ある調査対象となっています。

他ジャンル・文化への影響

本作は直接的な派生作品を多く産んではいませんが、ユニバーサルの“Cosmicシリーズ”全体が、その後のシューティングゲーム進化の礎となりました。特に、UFOによるペナルティ演出やボーナススコア要素は、次世代のアーケードシューティングで一部踏襲され、ゲームデザインの歴史的背景の一端を担っています。

筆者視点のまとめ

『コスミックモンスター2』は、単なる『スペースインベーダー』のクローンにとどまらず、UFOの遅延や追加攻撃など、ユニークなペナルティを導入した点で評価に値します。ユニバーサルの無名な一品ながら、レトロゲーム文化の一部として再評価されるべき作品です。適度な難度と戦術性を兼ね備えたこの作品は、当時の技術制約と創意工夫が交差した貴重な事例でもあります。

まとめ

  • 1979年にユニバーサルから登場した固定画面シューティング。
  • 『スペースインベーダー』クローンながら、UFOを撃ち逃すと敵が増える独自演出あり。
  • “名古屋撃ち”等のテクニックが高得点戦略として機能。
  • 現代的な演出強化やオンライン要素を加えれば、十分リメイク可能な設計。
  • レトロゲーム文化の資料的価値と面白さを兼ね備える逸品。

© 1979 ユニバーサル