アーケード版『アフターバーナー2』は、1987年にセガからリリースされた体感型シューティングゲームです。開発はセガAM2研(後のセガ・AM2)が手掛けました。プレイヤーはジェット戦闘機に乗り込み、高速で迫る敵機をミサイルやバルカンで撃墜していくことになります。その臨場感あふれるゲーム体験は、当時のゲームセンターに大きな衝撃を与えました。
開発背景や技術的な挑戦
当時のセガは、『ハングオン』や『アウトラン』に代表される体感型ゲームでアーケード市場を席巻していました。『アフターバーナー2』は、その集大成とも言える作品です。開発にあたり、セガAM2研は、専用の大型筐体を開発するという大きな技術的挑戦を行いました。中でも、筐体がプレイヤーの動きに合わせて前後左右に大きく傾く「ダブルクレイドル」タイプは、戦闘機パイロットのコックピットを忠実に再現した画期的なものでした。この筐体と、高速でスクロールする3Dグラフィックを融合させることで、プレイヤーはこれまでにない没入感のあるゲーム体験を味わうことができました。また、前作にはなかった「スロットルレバー」を実装し、プレイヤーが自由に速度を調整できるようになったことも、ゲーム性を深める上で重要な挑戦でした。
プレイ体験
本作のプレイ体験は、まさに空中のドッグファイトそのものでした。プレイヤーは、操縦桿を握り、スロットルレバーを操作して戦闘機を自在に操ります。敵機をロックオンしてミサイルを発射する爽快感は格別で、ロックオンが成功した時の「ファイヤー!」というボイスは、多くのプレイヤーの耳に焼き付いています。また、スロットルレバーで速度を調整することで、敵の攻撃をかわしたり、ミサイルを回避したりといった戦略的なプレイも可能になりました。全23ステージにわたる多彩なミッションは、プレイヤーを飽きさせませんでした。ハードロック調の迫力あるBGMも、ゲームの臨場感を高める上で欠かせない要素でした。
初期の評価と現在の再評価
『アフターバーナー2』は、その圧倒的なゲーム性と体感型筐体で、リリース当初から高い評価を受けました。ゲームセンターの主役として、多くのプレイヤーが列を作ってプレイしていました。その斬新なゲーム体験は、当時のゲーム雑誌でも大きく取り上げられました。現在では、レトロゲームの再評価が進む中で、本作は体感型ゲームの傑作として改めて注目されています。その高速3Dスクロールや、プレイヤーを揺さぶる筐体は、当時の技術的な限界に挑戦した結果であり、その先見性は高く評価されています。
他ジャンル・文化への影響
『アフターバーナー2』は、その体感型筐体とゲームシステムで、後の多くのゲームに影響を与えました。特に、体感型ゲームというジャンルを確立し、ゲームセンターの発展に大きく貢献しました。また、ゲーム中のハードロック調のBGMは、ゲームミュージックの多様性を広げ、多くのゲームクリエイターにインスピレーションを与えたと考えられます。そのスピーディーなゲーム展開と、迫力ある演出は、後の3Dシューティングゲームの基礎を築いたと言えるでしょう。
リメイクでの進化
『アフターバーナー2』は、メガドライブやセガサターンなど、多くの家庭用ゲーム機に移植されています。特に、ニンテンドー3DS向けにリリースされた『3D アフターバーナーII』は、当時の筐体の動きを3Dで再現するという、画期的な試みで多くのファンを驚かせました。もし完全なリメイク版が制作されるとしたら、最新のグラフィック技術による超リアルな空戦体験や、オンライン対戦機能の追加が期待されます。当時のゲーム性を損なうことなく、新しい要素を取り入れることで、さらなる魅力を引き出すことができるでしょう。
特別な存在である理由
『アフターバーナー2』が特別な存在である理由は、その時代のゲームの常識を覆した、圧倒的な体感型ゲーム体験にあります。プレイヤーが本当にジェット戦闘機に乗っているかのような錯覚に陥るダブルクレイドル筐体は、単なるゲームを超えたエンターテイメントでした。これは、鈴木裕氏が率いるセガAM2研が、常に新しいゲーム体験を追求していたことの証です。このゲームは、当時のアーケードシーンの多様性と、ゲーム開発者の独創性を象徴する作品の一つとして、今もなお多くのゲームファンに語り継がれる名作です。
まとめ
アーケードゲーム『アフターバーナー2』は、1987年にセガからリリースされた、体感型シューティングゲームの金字塔です。プレイヤーの動きに合わせて激しく動くダブルクレイドル筐体は、これまでにない没入感を生み出し、当時のゲームセンターに大きな衝撃を与えました。そのハイスピードなドッグファイトと、豪快なミサイル攻撃は、多くのプレイヤーを熱狂させました。現在でもその革新的なゲーム性は高く評価されており、レトロゲームファンから根強い人気があります。もしプレイする機会があれば、その時代を象徴するユニークなゲーム性をぜひ体験していただきたいです。
©1987 SEGA