アーケードゲーム『アフターバーナー』は、1987年にセガ(開発:セガAM2、ディレクター:鈴木裕)がリリースしたレールシューティングゲームです。プレイヤーがF-14トムキャットを操作して空中戦を繰り広げる内容で、独自の油圧式コックピット筐体と高速スクロールを活かした迫力あるビジュアルが特徴でした。
開発背景や技術的な挑戦
『アフターバーナー』は、映画『トップガン』の大ヒットに触発されて企画されました。当時最新の「Xボード」基板を用い、スプライトの高速処理や多重スクロールなど、高度な技術を駆使しています。特に油圧式で動く大型の筐体は、プレイヤーにリアルなフライト感覚を与えるための大きな挑戦でしたが、その高コストが課題ともなりました。
映画『トップガン』の概要
『トップガン』は1986年に公開されたアメリカ映画です。主人公の青年パイロット、マーベリックが米海軍のエリート戦闘機パイロット養成機関である「トップガン」で訓練を受け、ライバルとの競争や友情、恋愛を通じて成長していく物語を描いています。劇中では、F-14トムキャットによる迫力ある空中戦が話題となりました。
『トップガン』と『アフターバーナー』は、ともにF-14トムキャットを主役の戦闘機に採用しています。また、空中で敵機との激しい戦闘を展開する点や、高速での空中機動を特徴的に描いていることが似ています。両作品は1980年代の戦闘機ブームを背景としており、パイロット視点からの臨場感やリアリティを追求した表現が共通しています。
プレイ体験
プレイヤーは操縦桿を握り、機銃とミサイルを駆使して多数の敵機を撃墜していきます。最大の魅力は動く筐体による臨場感であり、急旋回や回避行動のたびにコックピットが傾き、本当に空を飛んでいるかのような錯覚を生みました。また、難易度が高く、第10ステージ以降は特に攻略が困難なことも話題になりました。
初期評価と現在の再評価
当時の『アフターバーナー』は、その画期的なグラフィックと筐体の演出によって大きな注目を浴びました。特にコックピット筐体の斬新さは、アーケード業界に新たな可能性を示しました。現在では「体感ゲーム」というジャンルの代表作として再評価され、レトロゲームブームの中でも高く評価されています。
他ジャンル・文化への影響
『アフターバーナー』はゲーム業界に留まらず、映画やアニメなど様々なカルチャーにも影響を与えています。特にその後のフライトシューティングゲームの基本スタイルを確立し、『エースコンバット』シリーズなどにも間接的な影響を与えました。また、ゲーム音楽としても評価が高く、BGMは後のセガのゲーム作品でも使用されています。
リメイクでの進化
もし現代に『アフターバーナー』がリメイクされるとすれば、VR技術や4D筐体を活用したさらなる臨場感を追求することが考えられます。また、オンライン対戦モードの導入や、実在する最新戦闘機の登場など、現代の技術とプレイヤーの好みに合わせた新要素の追加が期待できます。
特別な存在である理由
『アフターバーナー』が特別なゲームとなった理由は、プレイヤーが「ゲームをする」以上の体験を提供したことにあります。視覚、聴覚、触覚を総動員する体感型筐体を用意したことで、ゲームセンターの体験そのものを革新しました。その後のアーケードゲームの方向性を決定づけた点で、まさに歴史的な作品です。
まとめ
『アフターバーナー』は、1987年に革新的な技術と筐体演出でプレイヤーを驚かせ、現在でも色褪せない魅力を放つアーケードゲームです。その影響はゲームだけでなく、他のエンターテインメントにも及んでいます。現代の視点で見ても、新たな技術との融合が期待される名作と言えるでしょう。
©SEGA 1987

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