『アルガーナ』は、1989年12月に発売されたアクションRPGで、メーカーはブラザー工業、開発会社は M.N.M ソフトウェアです。ゲームジャンルはアクション+RPGで、特徴としては音楽(古代祐三氏作曲)やアクション性と探索要素の融合、TAKERU 自販機による流通などがあります。対応機種には SHARP X68000 シリーズおよび SHARP X1 シリーズ(X1/TURBO 型)があります。発売は 1989年~1990年頃です。
開発背景や技術的な挑戦
『アルガーナ』の開発を手がけた M.N.M ソフトウェアは、比較的小規模なチームながらも当時の限られたハードウェアリソースを使ってグラフィック・音楽・操作性を高める挑戦を行っています。TAKERU(ブラザー工業によるソフトベンダーシステム)専売ソフトとして企画されていたため、販売形態が一般流通とは異なり、コスト・媒体(フロッピーディスク)など制作における制約があったと思われます。メディアは 5インチ 2HD フロッピーディスクが用いられた版が確認されています。
プレイ体験
プレイヤーは、対応機種(SHARP X68000 シリーズまたは SHARP X1/X1 TURBO)上でアクション操作および探索を行います。SHARP X68000 版はより高精度なスクロール、色数、サウンド表現が可能で、X1 版でも 2DD フロッピーディスクを用いたものがあり、8bit ながらも音楽や演出で一定の水準を保っています。X1 版の操作性や音楽面はファンからも評価されています。
初期の評価と現在の再評価
発売当初、X68000 版はそのハード性能を活かした表現がされたことで注目され、X1 版も 2DD ディスクという媒体を使いながらも見劣りしない音楽・グラフィックが評価されました。現在、レトロゲームファンの間で両機種版ともに「知る人ぞ知る名作」として再評価されており、特に X1 TURBO 版は希少性も加わってコレクターズアイテムになっています。
他ジャンル・文化への影響
『アルガーナ』が特別なのは、対応機種の幅が 8bit と 16bit の両方を含んでいることです。SHARP X1 シリーズ(8bit)と SHARP X68000 シリーズ(16bit)という異なる性能のマシンで、それぞれの良さを出そうとした点が文化的にも意義があります。また TAKERU による自販機ソフト流通という販売モデルが、小規模ソフトハウスやマニア向けタイトルの参入を可能にしたことも評価されます。
リメイクでの進化
調査した限り、『アルガーナ』の正式なリメイクや最新版への移植は確認されていません。オリジナル機種(X1 系/X68000 系)でのリリース以外に、新しいプラットフォームでの復刻などの公式情報は見つかりませんでした。
特別な存在である理由
『アルガーナ』が特別な存在である理由の一つは、その対応機種の広さです。X1 シリーズの中でも TURBO 系統を含む 8bit 機と、X68000 シリーズという 16bit の性能を持つ機種の両方に対応しており、それぞれのハードの制約を感じさせない設計がなされています。また、X1 の 2DD フロッピーディスク版など媒体・流通形態のバリエーションもありこのあたりの希少性が価値を高めています。
まとめ
対応機種としては主に SHARP X68000 シリーズおよび SHARP X1 シリーズ(X1/X1 TURBO)が確認されています。X1 版は 2DD フロッピーディスクでのリリースがあり、価格・媒体・仕様の点で X68000 版とは異なるものの、どちらもその時代の限界を引き出した作品です。現在では両版ともにレトロゲーム愛好家から高く評価されており、プレイヤー操作・音楽・探索などの要素がバランス良く設計されているため、古典 PC ゲームの良い代表例と言えます。
©1991 ブラザー工業