アーケード版『DSテレジャン』は、1981年にデータイーストから発売された、カセット式アーケード基板「DECO Cassette System」専用の麻雀ゲームです。メーカーおよび開発元はデータイーストで、ジャンルはボードゲーム/麻雀。専用パネルを使用し、人対人・人対CPU両方の対局が可能な点が特徴です。
開発背景や技術的な挑戦
DSテレジャンは、DECO Cassette Systemに対応した14番目のソフトで、テープからRAMへの読み込みに数分かかるという当時としては斬新な設計でした。このシステムはゲーム交換の自由度を高め、業界に新しい可能性を提示しました。また、麻雀卓メーカーと共同開発された全自動卓「テレジャン」を基にしており、麻雀専用のハードウェア設計が施されています。
プレイ体験
プレイヤーは持ち点を消費しながら麻雀を進めていき、時間内に和了できなければゲームオーバーになるシステムです。手牌や捨て牌は画面上に明示されており、対人モードでは伏せられるなど配慮がされていました。操作性も良く、麻雀の知識があるプレイヤーにとっては戦略性の高いプレイが楽しめました。
初期評価と現在の再評価
登場当時は珍しい人対人モードを搭載していたこともあり、一定の注目を集めました。現在では保存の難しさから知名度は高くありませんが、DECOカセット時代の貴重な麻雀ゲームとしてじわじわと評価が再燃しています。
他ジャンル・文化への影響
DSテレジャンはアーケード麻雀における「人対人」の要素を早期に取り入れた点で、その後の麻雀筐体の設計に影響を与えました。実際に80年代後半には他社も2人対局対応の筐体を登場させています。
リメイクでの進化
現代にリメイクされる場合、以下のような進化が想定されます。
- 高速起動と高解像度グラフィックの採用
- オンライン対戦機能の搭載
- AI思考ルーチンの最適化と段階的な難易度選択
- 観戦モードや対局履歴の記録機能
まとめ
アーケード版『DSテレジャン』は、革新的なDECOカセット方式と、2人対局が可能な麻雀ゲームという点で非常に先進的な作品でした。現在ではあまり知られていないタイトルですが、アーケード麻雀の発展において重要な位置を占めていたことは間違いありません。
© 1981 Data East Corporation