AC版『バーニングファイト』硬派ビート&エムアップの原点回帰レビュー

アーケード版『バーニングファイト』(Burning Fight)は、1991年5月20日にSNKより稼働開始されました。ジャンルは横スクロール型ビート&エムアップで、開発・販売ともにSNKが手がけ、最大2人同時プレイに対応しています。

開発背景や技術的な挑戦

当時SNKはアーケード黎明期において、カプコンの『ファイナルファイト』などが人気を博すビート&エムアップ市場に参入しました。Neo Geo MVS(MC68000+Z80、YM2610音源、4096色)をフル活用し、グラフィックや演出面の強化を図りましたが、テンポとアニメーションには制約が見られました。

プレイ体験

プレイヤーはニューヨークの刑事デュオ“デューク&ビリー”または大阪の警察官リュウを操作し、サブウェポンや破壊可能オブジェクトを活用して進みます。3人のキャラはバランス・高速・パワー型で差異がありますが、基本の技はほぼ共通です。ステージ内のミニチャレンジやボーナスセクションも用意され、協力プレイでは連携が攻略の鍵です。

評価と再評価

稼働当時は一定の人気を博しましたが、「ファイナルファイトの焼き直し」「アニメーションのぎこちなさ」「敵バリエーションの乏しさ」などの批評もありました。近年ではアーカイブ配信などを通じて、中堅ながら遊べるビート&エムアップとして再評価されています。

他ジャンル・文化への影響

SNKがビート&エムアップ市場へ本格参入した作品として、後の『サンソウル』や『メタルスラッグ』開発へつながる布石となりました。Final Fight型を取り入れつつも、協力プレイ重視や環境破壊演出はSNKらしさを表現しています。

リメイクでの進化

現代リメイクでは高画質HDリマスター、滑らかなアニメーション、オンライン協力&リーダーボード機能、キャラクター毎の連携技・必殺技バリエーション追加などが期待されます。さらにボーナスステージ追加やキャラ個別エンディングもファン向けに歓迎される内容です。

まとめ

『バーニングファイト』はアーケード初期における中堅ビート&エムアップでありながら、SNKの挑戦作としての意義が大きい作品です。華やかさこそ控えめながら、協力プレイやステージ構成に遊びごたえがあり、アーカイブ配信などを通じていまも語られる価値ある一作です。

© SNK CORPORATION 1991