1990年代前半、SNKの代表作である『餓狼伝説』シリーズはゲーム本編の人気に加え、テレビCMにおいても強烈な印象を残しました。1993年初頭に放送された『餓狼伝説2 新たなる闘い』のCMは「狼の休息編」「ミキ編」「ゲーム編」の3種類が制作され、60秒版を基本に30秒版や15秒版も展開されました。続く1993年冬の『餓狼伝説スペシャル』ではテリー編、アンディ編、ジョー編の3種類が用意され、それぞれに60秒・30秒・15秒版が存在しました。両作に共通するのは、実写とゲーム映像を組み合わせて作品の世界観を伝える広告手法であり、視聴者に「キャラクターが現実世界に存在する」かのような錯覚を与える構成でした。特に注目されるのは、女性役として出演した晴山ミキの存在です。彼女はSNKとCM契約を結んでいた実績を持ち、当時は明治製菓や明星食品のCMなどにも出演していた人物で、舞台や音楽活動にも関わっていたとされています。『餓狼伝説2』の「ミキ編」や舞を想起させる演出は、晴山ミキの起用と密接に結びついており、実写パートにおける女性像が単なる装飾に留まらず、ゲームキャラクターと現実をつなぐ役割を果たしていたことがうかがえます。
注目ポイント
『餓狼伝説2』のCMでは、傷ついたテリーが路地裏で休息する姿を描いた「狼の休息編」、女性が街を駆け抜ける「ミキ編」、そしてゲーム映像のみで構成された「ゲーム編」が用意され、いずれも短尺版を含めて合計9バージョンが存在しました。これらは映画の予告編のように物語性を強調し、短い映像でプレイヤーの想像力を刺激しました。さらに同年冬に放送された『餓狼伝説スペシャル』のCMは、テリー、アンディ、ジョーの各キャラクターを主人公に据え、クライマックスでギースが必殺技によって吹き飛ばされる演出を共通テーマとしました。この爽快感あるラストは視聴者に強烈な印象を与え、ゲームの迫力を短い時間で凝縮することに成功しています。両作品に共通する「100MEGA SHOCK!」や「150メガ新登場」といったコピーは、NEOGEOの圧倒的性能をアピールしつつ、ブランドの存在感を印象づけました。実写パートで観客を現実に引き込み、そこからゲーム映像へと誘導する演出は、短尺広告でありながらも世界観を体験させる高度な映像表現であり、格闘ゲーム黄金期の広告戦略を象徴しています。特に晴山ミキの出演は、ゲームキャラクターと現実を媒介する象徴的な存在として、シリーズCMの物語性をより強固なものにしていたと評価できます。
動画情報
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