AC版『スーパー(禁)版』徹底解剖、禁断麻雀ゲームの怪作の全貌

アーケード版『スーパー(禁)版』は、1990年にYUGAが発売し、カプコンが開発を担当した業務用脱衣麻雀ゲームです。ジャンルはアダルト要素を含む麻雀で、23人の女性雀士と連続対戦し、3翻以上のあがりでHボタン連打演出へと移行するのが特徴です。実在アイドルに似たキャラが多数登場し、過激なグラフィックが当時話題となりました。

開発背景や技術的な挑戦

本作は1988年の『麻雀学園 卒業編』の流れを引き継ぎ、当時の脱衣麻雀の規制が緩かった社会情勢の中で企画・開発されました。YUGAによる開発・運営、カプコンが担当したグラフィックは、実写風のアイドルモデルを採用して精細に描かれており、Hボタンの連打要素によるイタズラ演出などシューティング的なゲーム性を取り入れた点が技術面での革新でした。

プレイ体験

プレイヤーは最大23人と連戦し、3翻以上であがると「ティッシュタイム」と呼ばれる脱衣演出に突入します。ここでのHボタン連打はプレイヤーの注目を集め、コントローラーのHボタンが擦り切れるほど連打される現象も日常茶飯事でした。負けてもコーチが脱ぐ「代脱ぎシステム」により、必ず脱衣シーンが見られる設計で、テンポよく次々と演出が発生するため中毒性が高く、多くのギャラリーを魅了しました。

初期評価と現在の再評価

当時は「Hボタン連打」「過激な脱衣演出」により一部で賞賛される一方、肖像権問題や倫理的批判の対象ともなりました。その結果、業界内で脱衣表現の自主規制が強化され、YUGAが撤退する要因ともなりました。現在では「行き過ぎた性的表現の先駆け」として、当時のゲーム業界を象徴する“スルメ”のような怪作として再評価されつつあります。

他ジャンル・文化への影響

本作は脱衣麻雀というジャンル自体の規制強化を促す契機となり、業務用ゲームにおける表現制限の流れを加速させました。そのため、カルチャー的には「アーケードゲームにおける性表現の臨界点」として記憶され、後のインディーや同人ゲームに影響を与えるきっかけともなったといえます。

リメイクでの進化

現代にリメイクするなら、グラフィックはフルHD/4K化、演出はモーション&音声強化、Hボタン連打要素をタップやジェスチャー操作に進化させることで、往年のテンポ感とユーザーインタラクションの両立が可能です。さらに、モード選択による表現規制の調整やオンライン対戦機能を導入すれば、往年のファンにも新規プレイヤーにも受け入れやすいリメイクとなるでしょう。

まとめ

『スーパー(禁)版』は、過激な脱衣麻雀の歴史において象徴的な作品です。連戦と脱衣演出を組み合わせたテンポの良さ、Hボタン連打によるプレイヤー参加感、そして規制強化へとつながる社会的影響。そのすべてが“怪作”としての魅力を形づくっており、アーケードゲーム史における一つの頂点といえる存在です。

© YUGA/CAPCOM 1990