アーケード版『ニンジャコンバット』は、1990年にアルファ電子(ADK)が開発、SNKがMVSアーケード向けに稼働させたベルトスクロールアクションゲームです。発売年月は1990年7月、日本では7月24日稼働開始で、メーカーはSNK、開発はADKが担当しました。ジャンルは横スクロールのベルトアクションであり、火炎龍や雷神などの忍法や武器アイテム、多彩なステージ構成が特徴です。
開発背景や技術的な挑戦
アーケードゲーム『ニンジャコンバット』は、ネオジオの初期タイトルのひとつとして登場しました。当時としては高性能なネオジオ基板(MVS)の性能を活かして、多彩な武器、忍術エフェクト、仲間キャラクターの数などを詰め込んだ表現力豊かな作品でありつつ、当初からゲームバランスの調整が難しい点も目立ちました。コーラによる回復アイテムが序盤にしか登場せず、後半では一撃でライフゲージが大きく削られるなど、バランス面に課題も見られました。
プレイ体験
プレイヤーはジョー(赤忍者)またはハヤブサ(青忍者)を操作し、手裏剣を主軸にさまざまな武器を拾いながら「影一族」が支配する「ニンジャタワー」へ突き進みます。ジャンプ攻撃やバク転(somersault attack)、そして忍術としてジョーは火炎龍の術、ハヤブサは雷神の術を発動し、画面上の敵を一掃できます。ステージ数は全7面で、途中で倒した中ボス(ムサシ、カゲロウ、ゲンブ)が味方として合流し、プレイの幅が広がります。
初期の評価と現在の再評価
アーケード稼働当初は日本国内で人気を博し、一部地域ではソフトウェアコンバージョンキットとして高い支持を得ていました。しかし家庭用移植版では、無限コンティニューの仕様や短いプレイ時間、単調さなどについて批判もありました。
また現在の評価では、操作のもっさり感や当時としては表現が派手ながらも、同ジャンルの名作に比べてインパクトに欠け、総じて賛否が分かれる作品とされています。
他ジャンル・文化への影響
ネオジオ初期の忍者アクションとしてその名を馳せた本作は、後にリリースされるニンジャ系タイトルにも影響を与えたと見られますが、直接的な派生や影響を示す具体的な資料は見当たりませんでした。
リメイクでの進化
後年、本作は家庭用移植やバーチャルコンソール、アーケードアーカイブス(ACA NEOGEO)などで復刻されていますが、本稿ではアーケード(MVS)オリジナル版に限定しているため、リメイクによる進化についての詳細な言及は控えます。
特別な存在である理由
ネオジオの立ち上げ期における代表作であり、当時としては表現力の高さや迫力ある演出を実現した作品であること、またプレイヤーが倒した中ボスが仲間になる演出などは、当時としては斬新でユニークな要素でした。
まとめ
1990年に誕生したアーケード版『ニンジャコンバット』は、ネオジオ初期を彩るビートアクションとして、豪快な忍術演出と派手な武器アクション、敵を仲間にする展開などを兼ね備えた野心的な作品です。一方で、ゲームバランスや難易度調整には課題が見られ、プレイヤーには厳しい体験を強いる場面も多くありました。現在でも、初期ネオジオ作品としての歴史的価値や雰囲気を味わう作品として位置づけられています。
©1990 SNK