アーケード版『ナイツ・オブ・ザ・ラウンド 円卓の騎士』成長と共闘が光る中世アクションの傑作

ナイツ・オブ・ザ・ラウンド 円卓の騎士

アーケード版『ナイツ・オブ・ザ・ラウンド 円卓の騎士』は、1991年にカプコンが開発・発売したベルトスクロールアクションゲームです。プラットフォームは当時のアーケードシステム「CPS‑1(カプコン・プレイ・システム)」を採用しています。開発・販売はカプコン、ジャンルはアクション(ベルトスクロール型)で、RPG風のレベルアップ要素を持つ点が特徴です。攻撃力や外観が変化するユニークな演出が魅力です。

開発背景や技術的な挑戦

当時、カプコンは『ファイナルファイト』や『キング オブ ドラゴンズ』など多くのファンタジー系ベルトスクロールアクションをCPS‑1による開発ラインで展開しており、その流れを受けて『ナイツ オブ ザ ラウンド』も誕生しました。CPS‑1はモトローラ68000 CPUを搭載し、384×224ピクセル・4096色の高精細を実現。この高性能が、鎧や武器など中世騎士風のグラフィック表現を豊かにした技術的ポイントです。

プレイ体験

プレイヤーキャラクターはアーサー王、ランスロット、パーシヴァルの3名から選択でき、最大3人同時プレイが可能です。一定の得点に到達するとレベルアップし、最大レベルは16。レベルアップにより攻撃力が上がり、体力全回復、外観の強化という成長演出が好評です。

また、騎乗シーンでは馬に乗って攻撃ができ、重斬で敵をなぎ倒す爽快感も魅力です。防御要素(ガード)を軸にした戦闘は、ただの殴り合いではない技術的駆け引き感もありました。

初期の評価と現在の再評価

発表当時、『第6回ゲーメスト大賞(1992年度)』では、年間ヒットゲーム部門およびプレイヤー人気部門の両方で6位に選出されるなど、一定の人気を集めました。

現在では、その豪華なグラフィック、成長演出、3人共闘プレイの斬新さから、ベルトスクロール・アクションジャンルのクラシックとして再評価されています。特に、当時の技術でここまでの演出を盛り込んだ点に高い評価が集まっています。

他ジャンル・文化への影響

『ナイツ・オブ・ザ・ラウンド 円卓の騎士』はアーサー王伝説をベースにしつつも、アクションゲームとしてRPG要素を取り込んだ先駆的な作品です。その後のアクションRPGやベルトスクロール系タイトルに影響を与え、幻想的なファンタジーアクションの方向性を提示した文化的な足跡があります。

リメイクでの進化

現代にリメイクされるとしたら、グラフィックはフル3D化され、美麗な鎧や魔法演出が追加されるでしょう。レベルアップ演出ではアーマーや武器がリアルタイムに変化し、さらにオンライン協力プレイや対戦モード、ストーリーモードの充実、ボイスドラマ風演出で物語性を強化する進化が見込まれます。

特別な存在である理由

このゲームは単なるアクションにとどまらず、成長要素と協力プレイ、そして技術的な演出が調和した希有な作品です。「中世という世界観」「RPG風レベルアップ効果」「3人同時プレイ」の組み合わせは、他に類を見ない独創性を持っており、アーケードゲームの可能性を拡張した点で特別な一作です。

まとめ

アーケード版『ナイツ・オブ・ザ・ラウンド 円卓の騎士』は、1991年にカプコンがCPS‑1基板で開発・展開したベルトスクロールアクションゲームです。アーサー王伝説をモチーフにしつつ、RPG的成長や防御・騎乗アクションを組み込んだ革新的な内容で、当時評価され、今なおレトロゲーマーから再評価される傑作です。リメイクすれば、更なる進化も期待できる魅力あふれる作品です。

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