『ADKワールド』は、ADKが制作し、1995年に発売されたネオジオCD専用のオムニバス作品です。業務用MVSや家庭用ネオジオのROMカートリッジでは発売されておらず、CD媒体の特性を生かしたファンディスクとして構成されています。『ワールドヒーローズ』『ニンジャコンバット』『ニンジャコマンドー』『マジシャンロード』『クロスソード』など、ADKが手掛けた作品の情報やイラストを収録しています。単独のゲームを攻略するというより、ADK作品の歴史や人物を楽しむための内容です。
メニュー画面は建物が並ぶ「ADKタウン」として表現され、プレイヤーは町の中から行き先を選びます。ブラウン博士の研究所では『ワールドヒーローズ』の登場人物に関する情報を閲覧でき、ADKカフェなどの施設では過去作品のパッケージ、イラスト、人物紹介などを確認できます。ゲーム雑誌や説明書だけでは触れにくかった制作会社の雰囲気を、登場人物の案内によって親しみやすく紹介している点が特徴です。
収録内容には資料の閲覧だけでなく、ADK作品に関する知識を試すクイズや、短時間で遊べるミニゲームも含まれています。「Cinema ADK:19YY」では、『ワールドヒーローズ』のブロッケンを主役にしたシューティングを楽しめます。通常のネオジオ作品ほど大規模ではありませんが、敵を倒して得点を獲得し、成績に応じた展開へ進む遊びが用意されています。町の各所を調べたり、一定の条件を満たしたりすることで、隠された要素を見つける楽しみもあります。
歴代作品を遊べるゲーム全集ではなく、紹介資料、ミニゲーム、クイズ、スタッフやファンに関する企画を組み合わせた内容です。そのため、ADK作品を知らない人よりも、『ワールドヒーローズ』などに親しんできた人ほど細かな話題を楽しめます。対戦格闘ゲームが主力だった当時のネオジオにおいて、メーカーそのものを主役にした作品は珍しい存在でした。ADKの個性的な作風やサービス精神を1枚のCDにまとめた、資料的な価値も持つタイトルです。
