アーケード版『ミラクルアドベンチャー』は、1993年12月に発売された、データイーストによるプラットフォームアクションゲームです。開発・発売はデータイーストが担当し、日本では「ミラクルアドベンチャー」のタイトルで登場しました。本作は、同社の他作品「ジョー&マック」に強く影響を受けたコミカルなアニメ調グラフィックとヨーヨーを主体とした攻撃が特徴です。
開発背景や技術的な挑戦
アーケード版『ミラクルアドベンチャー』は、SNKのネオジオMVSハードウェア向けに、データイーストが初めて開発・リリースしたタイトルです。1993年12月に北米および欧州で稼働開始され、日本では1994年2月18日に正式リリースされました。新たなアーケード基板への対応や、ネオジオの高いグラフィック性能を活かした滑らかなアニメーションの実装などが、技術面での挑戦だったと考えられます。
プレイ体験
プレイヤー(主人公JohnnyまたはTom)は、初期武器であるヨーヨーを手に、次々と現れる敵をジャンプ攻撃や武器入手によって倒しながら進んでいきます。武器は宝箱から入手可能で、攻撃ボタンを押し続けてチャージ攻撃を行ったり、スマートボムによる全画面攻撃も利用可能です。ステージは複数のワールドに分かれ、各ワールドのボスを倒して宝の地図のかけらを集め、最後に3つの異なるエンディングへと分岐する仕組みです。
初期の評価と現在の再評価
当時、北米ではアーケードゲーム人気ランキングで比較的上位に位置するヒット作でした。批評面でも好意的に受け止められていたと見られます。その後の再評価においても、後年のゲーム誌ではネオジオAESの代表的なタイトルのひとつとして挙げられています。
他ジャンル・文化への影響
本作は、同じデータイーストのプラットフォームアクションである『ジョー&マック』の影響を色濃く受けたデザインや演出が取り入れられており、データイースト作品間に共通するユーモアとビジュアルスタイルの一端を担っています。さらに、セガ・メガドライブ向けに制作された『ダッシン・デスペラドーズ』は、本作の後継的な要素を持つとされ、シリーズを越えた影響が見て取れます。
リメイクでの進化
アーケード版のソフト自体にリメイクは存在しませんが、2010年にWiiのバーチャルコンソールで、2017年にはHamster Corporationによる「アーケードアーカイブス」シリーズとしてPlayStation 4、Xbox One、Nintendo Switchで配信されています。これによって現代でも遊べる形で進化しています。
特別な存在である理由
『ミラクルアドベンチャー』は、データイーストにとってネオジオMVS向けの第一歩となった重要な作品です。コミカルなキャラクターやヨーヨーアクション、多彩な武器構成、複数のエンディングを備えた構造など、単なるプラットフォーマー以上に遊びごたえのある設計が光ります。加えて、当時のアーケード市場で一定の人気を博した点も含めて、同社の個性が感じられる特別な作品です。
まとめ
アーケード版『ミラクルアドベンチャー』は、1993年末にデータイーストがネオジオプラットフォーム上で初めてリリースしたアクションプラットフォームゲームです。ヨーヨーや武器入手による戦略性、ユーモラスなグラフィック、複数エンディングという要素を備え、当時一定の評価を獲得しました。後年も再配信により新たなファンに触れられ続けており、その独特の魅力は色あせません。
©1993 Data East