アーケードゲーム『スペースバトル』は、1980年に豊栄産業（後のバンプレスト）から発売されたシューティングゲームです。開発は豊栄産業が行い、ジャンルとしては“基地防衛型シューティング”。プレイヤーは地上にある基地を守りながら、上空から迫る敵を撃ち落とします。ステージクリア時には、残った基地数に応じてボーナスが得られるシステムが特徴です。
開発背景や技術的な挑戦
当時、『ミサイルコマンド』のような「何かを守る」タイプのゲームが流行していました。その流れを受けて豊栄産業は、『スペースバトル』を投入しました。ゲーム基板には「ギャラクシアン」基板を利用し、敵の動きや操作方法に独自のアレンジを加えています。特に、自機が徐々に画面上に上がっていく“せり上がりペナルティ”システムは、難易度調整の面で独特な試みでした。
プレイ体験
実際のプレイでは、自機が徐々に画面上方へ移動するため、敵との衝突判定が厳しくなります。そのため、繊細な操作を求められ、ちょっとした操作ミスが即座にゲームオーバーにつながる緊張感があります。プレイヤーに緻密な動きと迅速な判断を求める、非常にスリリングなプレイ体験となっています。
初期の評価と現在の再評価
発売当初は、その特異な難易度調整システムのために「遊びづらい」と評されることもありました。しかし、近年のレトロゲーム再評価の流れで、この特徴が逆に個性として見直されるようになりました。現代のプレイヤーやゲーム研究家の間では、ゲーム黎明期のユニークなアイデアが評価され、再び注目を集めています。
他ジャンル・文化への影響
『スペースバトル』は国内において「基地防衛型シューティング」というジャンルを普及させるきっかけの一つとなりました。このジャンルはその後も『キング＆バルーン』などの多くのタイトルで採用され、国内ゲーム市場に一定の影響を与えています。
リメイクでの進化
もし現代にリメイクされる場合、自機の“せり上がりペナルティ”を任意に調整可能にし、幅広いプレイヤーに対応した難易度設定を導入することが考えられます。グラフィックの高解像度化、オンラインランキング機能、協力プレイモードなどの新要素を追加することで、現代的な進化を遂げる可能性があります。
筆者視点のまとめ
『スペースバトル』は、ゲーム史において特異な位置付けを持つ作品です。独自の難易度設計やゲーム性は評価が分かれるものの、レトロゲーム愛好家にとっては、挑戦的なアイデアを楽しめる貴重なタイトルです。
まとめ
1980年に豊栄産業（バンプレスト）が世に送り出した『スペースバトル』は、当時のシューティングゲームに新しいアイデアをもたらした作品です。独特なゲームシステムは当初の評価を分けましたが、現在ではその特異性が評価され、再評価が進んでいます。リメイクが実現すれば、より多くのゲームファンを惹きつける作品となるでしょう。
© 1980 豊栄産業
