アーケード版『ロボコップ2』は、1991年にデータイーストから稼働を開始した、ベルトスクロールアクションゲームです。開発および販売を手がけたのは日本のゲーム会社データイーストで、ジャンルとしてはプラットフォーム要素とシューティング要素を兼ね備えたアクションゲームです。
開発背景や技術的な挑戦
本作は映画「ロボコップ2」を原作としており、前作に引き続きデータイーストがゲーム化を担当しました。1990年代初頭のアーケードゲームは映画とのタイアップが盛んであり、本作もその流れの中で開発されました。より詳細なスプライトを用いたグラフィック表現や、シネマティックなカットシーンの導入など、当時のアーケード市場における技術向上の成果が見られます。さらに、1991年からアーケード筐体で稼働が始まったとされています。
映画『ロボコップ2』
『RoboCop 2』は1990年に公開されたアメリカのサイバーパンクアクション映画です。監督はイアーウィン・カーシュナーで、主演はピーター・ウェラーがロボコップ/アレックス・マーフィー役を務め、ナンシー・アレンがアン・ルイス役を演じています。物語は前作から間もないデトロイトを舞台に展開し、財政的に追い込まれた都市を背景にオムニ・コンシューマー・プロダクツ(OCP)が警察の年金カットや給与引き下げによってストライキを引き起こし、市を掌握しようとするところから始まります。その一方で、市街地では新種の覚醒剤「ヌーク」が蔓延し、カインというカリスマ的犯罪者がその供給を牛耳って悪の勢力を拡大していきます。OCP内部ではより強力なロボコップを作り出す計画が進められ、ジュリエット・ファックス博士がその開発を主導しますが、被験者はいずれも精神崩壊してしまいます。ロボコップ自身もOCPによって再プログラムされ一時的に混乱しますが、自ら感電してシステムをリセットし、本来の人格を取り戻します。物語のクライマックスでは、カインの脳を移植された新型「ロボコップ2(ロボケイン)」との激闘が描かれ、主人公は都市を守るために壮絶な戦いを繰り広げます。公開は1990年6月22日で、アメリカでは1,768スクリーンでスタートし、オープニング週末に約1,414万ドルを記録しました。最終的な北米での興行収入はおよそ4,568万ドルに達し、制作予算が1,400万ドルから3,000万ドルと推定されることを考えると、一定の成功を収めたといえます。さらに、ビデオレンタル市場での展開によって利益は拡大しました。『RoboCop 2』は、OCPによる都市支配の野望とロボコップの自己アイデンティティの葛藤をテーマとし、社会風刺とアクションを融合させた作品です。劇場公開時には批評が分かれましたが、スケール感あるアクションと特撮表現は高い注目を集めました。今日においても、80年代から90年代初頭のハリウッドが生んだサイバーパンク映画の代表作のひとつとして語り継がれています。
プレイ体験
プレイヤーはロボコップとして、ステージを進みながら敵を倒し、ボス戦へ挑むスタイルとなっています。近接時にはパンチや掴み攻撃、遠距離では銃撃を行うなど、多彩なアクションが楽しめます。ステージ内には射撃ギャラリー形式や、一部では高速道路上から車両を撃つファーストパーソンビューの場面もあり、変化に富んだ展開が魅力です。また、最大二人同時プレイに対応しており、二色のロボコップで協力して進行することが可能です。
初期の評価と現在の再評価
公開当時の詳細な評価情報は限られていますが、欧州のゲーム誌では「前作に比べてスプライトが大きくなったが、全体的なグラフィックの質は低下している」との評価を受けており、「本作を楽しむには本物のファンである必要がある」とも評されています。現在は、前後の家庭用版や他プラットフォームとの比較の中で、アーケード版ならではのダイナミックな演出と手軽な操作感が再評価されている傾向がありますが、具体的な現代レビューは確認できませんでした。
他ジャンル・文化への影響
アーケード版『ロボコップ2』自体が特定の他ジャンルへ大きな影響を与えたという記述は見当たりません。ただし、映画とアーケードゲームのタイアップ企画が盛んになった時期の一端を担う作品として、業界におけるメディアミックス戦略の一例と評価できるでしょう。
リメイクでの進化
アーケード版『ロボコップ2』に関するリメイク作品や再発売についての情報は確認できませんでした。家庭用版の移植や再評価はあるものの、アーケードオリジナルとしての後継作や公式リメイクは存在しないようです。
特別な存在である理由
本作は、アーケードゲームとしての手軽さと多様なステージ演出が融合したタイトルであり、プレイヤーが「映画の世界に入り込んだ」ような感覚を提供していました。特に変化に富んだステージ構成やダイナミックな演出は、他のタイアップ作品とは一線を画す魅力です。前作よりもキャラクターのモデリングが進化し、より劇中イメージに近づいた点も特筆に値します。
まとめ
アーケード版『ロボコップ2』は、1991年にデータイーストが映画『ロボコップ2』を題材に開発し、稼働させたベルトスクロールアクションゲームです。近接・遠距離攻撃の混ざった操作感、多彩なステージ演出、最大二人同時プレイといった要素が、当時のアーケードゲームとしての魅力を存分に詰め込んでいます。グラフィック面で評価の分かれる声もあったものの、映画ファンにとっては劇中の世界観をゲーセンで体験できる貴重な場であり、今なお特別な存在として語られています。
©1991 データイースト