AC版『マンハッタン』トランポリン操作が光る異色アクション

アーケード版『マンハッタン』は、1980年にデータイーストが発売したジャンプアクションゲームです。開発はデータイースト自身が手がけ、DECOカセットシステムという当時画期的な基板で動作するタイトルとして登場しました。プレイヤーはトランポリンとジェットを駆使して高層ビルを登るという、他に類を見ないゲーム性が特徴です。

開発背景や技術的な挑戦

本作はDECOカセットシステム用に開発されました。これは、業界初のゲームデータ交換式アーケードシステムであり、標準的なカセットにゲームデータを記録し、筐体側で読み込んで起動する仕組みでした。技術的には革新的でしたが、読み込みに時間がかかる、カセットが物理的に劣化するなど、いくつかの課題も抱えていました。

プレイ体験

プレイヤーはキャラクター「DECO Kid」を操作し、トランポリンを使って上空を目指します。ビルのバルコニーに着地することで得点が入り、障害物を避けながら上昇していく構造です。トランポリンでの跳躍タイミングと、空中でのジェットによる微調整が重要で、シンプルながらも集中力を求められるプレイが展開されます。

初期の評価と現在の再評価

当時はDECOカセット方式の新しさに注目が集まりましたが、技術的制限の影響もあり、商業的には中程度の評価に留まりました。現在では、レトロゲームファンの間で独自性と技術背景を含めて再評価されており、ユニークなタイトルとして知られています。

他ジャンル・文化への影響

「マンハッタン」はDECOカセットシステム向けのタイトルとして、後に続く交換式基板の先駆けとなりました。その設計思想は、他メーカーによる同様のアーケードシステムに影響を与えたとされています。

リメイクでの進化

リメイクをする場合、ジャンプと空中制御の物理表現を3Dで再構築し、都市の背景やギミックを拡充することで、現代的なアクションゲームとしての再評価が期待できます。スコアシステムの強化やマルチプレイ要素を加えることも効果的です。

「マンハッタン」は、その見た目以上に繊細な操作感を要求する、意外性のある作品です。トランポリンとジェットの組み合わせというアイデアは、今でも新鮮に感じられ、アーケードの実験精神を感じさせてくれます。

© 1980 Data East Corporation