アーケード版『キング・オブ・ザ・モンスターズ』(KING OF THE MONSTERS)は、1991年2月25日にSNKより稼働開始された対戦アクション/格闘・プロレス要素を含むアーケードゲームです。開発はSNK社内で行われ、怪獣(カイジュウ)同士が日本各地の都市で制覇を競うというユニークな設定が特徴です。
開発背景や技術的な挑戦
当時SNKはNeo Geoシステムの黎明期であり、本作は同機の初期格闘作品のひとつとされました。MC68000+Z80+YM2610と4096色パレットを駆使し、6体の怪獣によるダメージによる建物破壊やピンフォール要素を実現しました。
プレイ体験
プレイヤーはゴジラ風のGeonやキングコング風のWooなど6体の怪獣から選択。Aボタンでパンチ、Bでキック、必殺技には火炎やビーム攻撃、そして体力をゼロにして3秒間ピンカウントさせるプロレス感が魅力です。日本各地の都市(東京・京都・大阪など)を舞台に入り乱れ、大破壊の爽快感がライトに楽しめます。
評価と再評価
稼働当時、Game Machineでは4位、RePlayでは3位とアーケードでの人気は高かったですが、批評では「浅い」「単調」といった意見もありました。IGNが2008年にSwitch版をレビューした際、5.5/10と評価するなど賛否は分かれました。しかし近年は“カジュアルにも破壊アクションが楽しめる怪獣ゲーム”として根強い人気があります。
他ジャンル・文化への影響
カイジュウものをゲームで扱った先駆けとして、後のカジュアル格闘・アリーナ系モンスターゲームに影響を与えました。『ネオジオバトルコロシアム』などに登場する怪獣キャラの流れにもつながり、怪獣文化とゲームの融合として評価されます。
リメイクでの進化
リメイクでは、3D破壊描写の強化、オンライン対戦、都市ダイナミック生成、怪獣ごとの固有ストーリーモード追加が考えられます。さらに背景に環境メッセージを込め、現代に合わせた社会風刺を盛り込むシリーズ化も面白い方向性でしょう。
まとめ
『キング・オブ・ザ・モンスターズ』は、カイジュウ×破壊×プロレスという突飛な組み合わせが魅力のNeo Geo初期作品です。ゲーム性はシンプルながら、都市破壊と怪獣バトルの痛快感は今も色褪せず、ライトに楽しめる“破壊アーケード”の先駆者として再評価に値します。
© SNK CORPORATION 1991