アーケード版『ダブルドラゴンIII ザ・ロゼッタストーン』は、1990年11月に北米向けに、1991年1月に日本で発売された、メーカーはテクノスジャパン(開発はイーストテクノロジー)、ジャンルは横スクロール型アクションゲームです。プレイヤーは兄弟格闘家のビリー&ジミー・リーを操り、世界各地に散らばるロゼッタストーンを探して旅立つというストーリーを持ち、シリーズとしてはアーケード版で3作目にあたるのが特徴です。
開発背景や技術的な挑戦
シリーズ前2作はテクノスジャパン自身が社内で開発していましたが、本作ではイーストテクノロジーが制作を担当しました。そのため、グラフィックや操作感において従来の作風とは異なる雰囲気が生まれています。また、アーケード筐体で最大3人同時プレイに対応し、第3のプレイヤーとしてソニーという新キャラクターも登場しました。さらに、北米版ではプレイヤーが追加クレジットを投入してアイテムやパワーアップを購入できるショップ機能が導入され、アーケードゲームとしては非常に斬新な試みとなりました。これによりゲームバランスやプレイヤーの戦略性が大きく変化し、当時の業界内でも注目を集めました。
プレイ体験
本作では2人、もしくは3人で協力してプレイできるようになっており、シリーズらしいコンビネーション攻撃に加え、走り攻撃や壁ジャンプキックなどの新しい技が追加されています。ステージはアメリカを皮切りに、中国、日本、イタリア、エジプトへと展開し、各地で異なる敵キャラクターや仕掛けが登場します。北米版におけるショップ機能では、攻撃力アップや体力回復、武器の購入などが可能で、プレイヤーの判断によって攻略方法が変わる仕様となっていました。一方、日本版ではこの要素が削除され、より純粋なアクション性が重視されています。
初期の評価と現在の再評価
発売当初、特に北米では商業的な成功を収めましたが、ゲーム性については賛否が分かれました。グラフィックや音楽の進化は評価されたものの、操作感の変更や難易度の高さ、課金要素の存在が一部で批判を受けました。現在では、シリーズの中でも最も実験的な作品として再評価されており、特にアーケードゲームにおける新しい挑戦としての意義が語られています。
他ジャンル・文化への影響
ダブルドラゴンIIIは、横スクロールアクションの進化を象徴する作品の1つとして位置づけられます。特に、世界を旅する構成や複数キャラクター制、そしてアーケードにおける課金型要素の導入は、後の多くのアクションゲームに影響を与えました。また、各国を舞台にした演出は国際的なスケール感を演出し、当時のアーケードゲームでは珍しいグローバルな冒険を実現したタイトルでもあります。
リメイクでの進化
本作自体の完全リメイクは存在しませんが、後年に発売された移植版やDouble Dragon Trilogyなどのコレクション作品で再びプレイ可能となりました。これらの移植版では、操作性の調整やグラフィックの最適化が行われ、当時のハードウェアでは実現できなかった快適なプレイ体験を提供しています。また、近年ではオンライン上での再評価を受け、改めてシリーズの転換点として紹介される機会が増えています。
特別な存在である理由
ダブルドラゴンIII ザ・ロゼッタストーンは、シリーズの中でも特に挑戦的な姿勢が強く表れた作品です。開発体制の変更、システムの刷新、そしてアーケードにおける新しい収益構造の導入といった要素は、単なるアクションゲームにとどまらない意欲的な試みでした。世界を股にかけた舞台構成や個性的な敵キャラクターのデザインも相まって、シリーズファンの間で語り継がれる独自の存在となっています。
まとめ
アーケード版『ダブルドラゴンIII ザ・ロゼッタストーン』は、1990年代初頭のアクションゲームシーンにおける重要な転換点の1つといえる作品です。従来の格闘アクションの枠を超え、世界を巡る冒険要素とプレイヤー選択による戦略性を取り入れたことで、シリーズの幅を大きく広げました。その実験的な試みと、当時としては革新的なシステム設計は、今なおゲーム史の中で特別な輝きを放っています。
©1990 テクノスジャパン