アーケード版『ザ・キング・オブ・ファイターズ ’97』オロチ編完結と新バトルシステムの魅力

ザ・キング・オブ・ファイターズ ’97

アーケード版『ザ・キング・オブ・ファイターズ ’97』は、1997年7月28日にSNKによってネオジオMVSアーケードプラットフォーム向けにリリースされた対戦型格闘ゲームです。開発と制作はSNK、ジャンルは3対3のチーム戦格闘で、シリーズ第4作にして「オロチ編」の完結作として位置づけられています。本作は、2種類の新たな戦闘システムを搭載し、個性的なキャラクターとシナリオを背景にプレイヤーを魅了しました。さらに、アジアやラテンアメリカを中心に世界中で圧倒的な人気を誇り、今なおシリーズの代表作のひとつとして語り継がれています。

開発背景や技術的な挑戦

『KOF ’97』の制作にあたり、SNKはシリーズの物語「オロチ編」を完結させることを目標にしました。前作『KOF ’96』で戦闘システムに変革を加えた流れを引き継ぎつつ、本作では新たに「アドバンスドモード」と「エクストラモード」という2つの異なるバトルシステムを導入しました。これにより、攻撃的なプレイと防御的なプレイをプレイヤーの好みに応じて選択できる自由度が実現されました。

開発チームは、アーケード基板であるネオジオMVSの限界に挑戦し、30人以上のキャラクターを滑らかに動作させつつ、演出面でも迫力あるストーリーデモを盛り込みました。特にオロチ編のラストを盛り上げるために、神話的要素を交えたボス戦の演出に力が注がれています。また、ゲームバランス調整には限られた期間しか割けなかったにもかかわらず、極端なキャラクター格差を抑えつつ多様な戦略性を維持することに成功しました。

プレイ体験

プレイヤーはチームを3人編成し、相手チームとの3対3の勝ち抜き戦を行います。本作最大の特徴は「アドバンスドモード」と「エクストラモード」の2種類の戦闘システムです。アドバンスドモードでは、攻撃や被弾によって自動的にゲージが蓄積し、最大5本までストック可能です。このゲージを使用することでスーパー必殺技やMAX状態の発動が可能となり、攻撃的かつ爆発力のある戦闘を展開できます。また、チームメンバーが減るほどストック数が増えるため、逆転のチャンスを狙える設計になっています。

一方でエクストラモードは、従来作のチャージ方式を採用しています。プレイヤーが意識的にゲージを溜める必要がある分、駆け引きが重視されます。体力が少なくなると赤く点滅し、その際に発動するスーパー必殺技は「スーパーデスペレーションムーブ」と呼ばれる強化版に変化します。防御的で戦略的な展開を求めるプレイヤーにとって魅力的な選択肢であり、異なるゲーム性が共存することで、対戦に奥行きが加わりました。

初期の評価と現在の再評価

稼働当初から、『KOF ’97』はストーリー演出やキャラクターの魅力、システムの完成度に高い評価を受けました。特にオロチ編の締めくくりとして、草薙京・八神庵・神楽ちづるによる「3種の神器チーム」が集結する展開は、シリーズファンにとって大きな感動を呼びました。また、シリーズ伝統のチームバトル制を維持しつつ新たな駆け引きを導入した点も称賛されました。

後年においても本作は「シリーズ屈指の完成度を誇る作品」として再評価されています。移植版の登場によって若い世代にもプレイされ続けており、現代の視点から見ても洗練されたシステムと独特のテンポ感が支持されています。

他ジャンル・文化への影響

『KOF ’97』は特に中国、メキシコ、南米各国で絶大な人気を誇り、アーケード文化における象徴的な存在となりました。これらの地域では家庭用ゲーム機が普及しにくい事情があったため、安価で交換可能なカートリッジ式のネオジオMVS筐体が重宝され、その中でも『KOF ’97』は常に設置される定番作品でした。

さらに、メキシコではキャラクター名を冠したダンスムーブが生まれるなど、格闘ゲームの枠を超えて文化的影響を及ぼしました。中国では現在でも大会や対戦会が開かれるほどの人気を保っており、本作が単なるゲームを超えて地域文化に浸透していることがうかがえます。

リメイクでの進化

アーケード版の成功はその後の移植やリメイクへと繋がりました。2017年には「アーケードアーカイブス」シリーズとしてPlayStation 4やXbox Oneで配信され、当時のアーケード版を忠実に再現しました。翌2018年にはオンライン対戦機能を追加した『KOF ’97 Global Match』が登場し、世界中のプレイヤーと対戦できる環境が整備されました。ロールバック方式のネットコードを採用することで、オンラインでも快適なプレイ体験が可能となり、現代の対戦文化にも適応した作品として再評価されました。

特別な存在である理由

『KOF ’97』は「オロチ編」という壮大な物語の集大成であり、システム面の革新、キャラクター演出、隠し要素の豊富さが三位一体となって完成度を高めた作品です。特に、プレイヤーが自分のプレイスタイルに合わせて戦闘モードを選択できる仕組みは、シリーズの中でも突出した特徴でした。さらに、世界的に広がった影響力により、単なる1ゲームにとどまらず、文化的存在としても特別な位置を占めています。

まとめ

アーケード版『ザ・キング・オブ・ファイターズ ’97』は、1990年代後半の格闘ゲームシーンを象徴する作品のひとつです。物語の完結、革新的な戦闘システム、魅力的なキャラクター群、そして世界的な普及。これらが融合することで、単なる一時的な人気作ではなく、今なお語り継がれる名作となりました。リメイクによって現代でも楽しむことができる本作は、格闘ゲーム史における特別な存在であり続けています。

攻略

プレイヤーは、総勢35名以上のキャラクターからチームを編成し、各国の代表チームやライバルたちと戦いながら最強を目指します。本作は3対3のチームバトル形式を採用しており、プレイヤーはあらかじめ選んだ3人のキャラクターを順番に戦わせます。各ラウンドは1対1で進行し、勝敗が決するたびに次のメンバーが登場、相手チームの3人全員を倒すことで勝利となります。ラウンドは制限時間内での体力ゲージの削り合いとなり、制限時間終了時には残り体力の多い方が勝者です。ゲームのルールとしては、各キャラクター固有の必殺技や超必殺技を駆使し、攻撃と防御、駆け引きを繰り返しながら相手の体力をゼロにすることが基本です。また、本作では「アドバンストモード」と「エキストラモード」という2種類のシステムが選択でき、ゲージの溜め方や必殺技の発動方法に違いがあるため、プレイヤーの戦術性が大きく問われます。さらに、対CPU戦では試合ごとにストーリーが進行し、最終的にはオロチ編のクライマックスとしてラスボスに挑むことになります。プレイヤーの目的は、連戦を勝ち抜き、エンディングを見ることに加えて、アーケードならではのスコア更新や全国のライバルプレイヤーとの対戦で実力を示すことです。ゲームオーバーの条件は、所持するキャラクター3人がすべて敗北した時点で訪れ、コンティニューを選択しなければそこでプレイが終了します。こうして『KOF97』は、奥深い駆け引きとチーム戦略を楽しめるアーケード対戦格闘ゲームとして、多くのプレイヤーを魅了しました。

ストーリー設定

アーケード版『ザ・キング・オブ・ファイターズ97』の世界観とストーリーは、前作から続く「オロチ編」の最終章として展開されます。舞台は、世界各国で注目を集める格闘大会「キング・オブ・ファイターズ」の新たな開催であり、各地から腕自慢の格闘家たちが集結するところから始まります。大会は一見すると華やかな国際的イベントとして進行しますが、その裏側では古代より封印されてきた存在「オロチ」を巡る陰謀が暗躍しています。オロチは地球意思を体現する破壊と再生の力を持つ存在であり、人類を脅威とみなして浄化を望む存在として描かれます。かつてオロチを封じた草薙、八尺瓊、八咫の三種の神器の血を継ぐ一族が現代にも生き残っており、草薙京や神楽ちづるといったキャラクターがその使命を背負って戦います。一方で、オロチの力を復活させようとする者たちが「オロチ四天王」を中心に暗躍し、大会の裏で人知を超えた力の衝突が繰り広げられます。物語の核心では、オロチの力を宿した八神庵の存在や、オロチ一族の策略が絡み合い、人類とオロチとの最終決戦が描かれます。プレイヤーは各チームを操作して勝ち進みながら、やがてオロチとの直接対峙へと導かれ、壮大な因縁と宿命の物語を体感します。こうして『KOF97』は、単なる格闘大会の舞台を超え、人類の存亡をかけた神話的戦いを描いた作品となっています。

ゲームシステム

アドバンストモード


攻撃や被弾、防御で自動的に溜まるパワーゲージをストックとして蓄え、最大数は残存キャラ数に応じて3から4、さらに5へ拡張します。走りや回避動作と短・小・ハイパーホップを駆使して立ち回り、ストック消費で超必殺技やガードキャンセルが可能で、MAX発動中は与ダメージが上がる攻め重視のスタイルです。

エキストラモード


ABC長押しでゲージをためることができ、攻撃を受けるとさらに増加します。このモードではその場で攻撃を避ける無敵動作が使え、相手の攻撃をやり過ごすことができますが、投げ技には無力です。さらに前後への素早いステップ移動で間合いを調整でき、体力が赤点滅するとゲージがなくても超必殺技を出せるほか、MAX状態では火力上昇と強化版必殺技の解禁が可能で、防御を重視した堅実な戦術をとれます。

パワーゲージとストック(共通仕様)


本作はチーム制の1ラウンド勝ち抜きの中で、選んだモードによってゲージのたまり方や使い方が大きく変わります。アドバンストは攻撃や防御で自然にゲージが増え、それをストックとして貯蔵でき、エキストラは手動でためる方式を主体とし、MAX発動で能力が一時的に強化され必殺技が強化版へ変化します。ゲージ管理がプレイヤーの戦術を大きく左右します。

MAX発動と超必殺技


アドバンストはストックを消費してMAXを起動し一定時間攻撃力が上がり必殺技の性能が強化されます。エキストラはゲージが最大になるとMAXを起動でき、体力が赤点滅時にはゲージがなくても超必殺技を発動可能で、MAX中はさらに強化版必殺技が解禁されます。これらは勝敗を決める大きな要素です。

回避・防御


アドバンストでは前後に滑るような無敵移動で攻撃をすり抜けたり起き上がり時の選択肢を広げられます。エキストラではその場で攻撃を無効化する動作が可能で、一部の技なら避けながら反撃に移れますが投げ技には対応できません。さらに空中ガードは必殺技など一部の攻撃にしか対応できず、通常の地上攻撃は防げないため、空対地の読み合いが深くなります。

移動とジャンプバリエーション


素早い前後ステップや走りに加えて、短いホップ、素早いハイパーホップ、大きく飛ぶスーパージャンプを使い分けることで、地上のけん制、飛び道具回避、左右の揺さぶり、対空技をかわす動きなどが可能となり、スピーディーな攻防を展開できます。

ガードキャンセル


両モードともガード中にゲージを消費して緊急回避や反撃を行うことができます。アドバンストはストックを1個消費し、エキストラはためたゲージやMAX残量を使用するため、防御に使うか攻撃に温存するかの判断が重要です。

チームアシストとリカバリー


仲間がピンチの時に救援が入るアシスト攻撃や、攻撃を受けた後に素早く立ち直る受け身、投げ技を回避する投げ抜けなどの共通アクションが搭載されています。これらを駆使することで逆転のきっかけを作り出すことができます。

キャラクター

草薙京

草薙京は黒い学生服をアレンジしたような半袖ジャケットと黒ズボン、そして両手にグローブを装着した姿で描かれています。赤茶の髪をセンター分けにした落ち着いた風貌は、シリーズ主人公としての存在感を放っています。草薙家の血統により炎を自在に操る能力を持ち、必殺技は炎をまとったパンチ「百八式・大蛇薙」や突進技「七百七式・独楽」、さらに連携を重視したコンビネーション技が中心です。超必殺技「裏百八式・大蛇薙」や「無式」は強力で、オロチ編の物語的象徴ともいえる技です。ゲーム的には飛び道具と突進技を併用できる万能型で、牽制、攻め、守りのバランスに優れています。イラストからも分かるように、冷静さと熱さを併せ持つ主人公らしい存在感を放っています。

二階堂紅丸

二階堂紅丸は金髪を高く逆立てた髪型と黒いノースリーブのシャツ、白いジーンズに革靴という派手な装いが特徴で、モデルのようなスタイルと軽薄な仕草が印象的です。遊び人風で女性好きというキャラクター性があり、草薙京とは親友でありながら良きライバル関係を築いています。戦闘スタイルは独自のストリートファイトに電撃を組み合わせたもので、飛び道具「雷靭拳」や突進系の「居合い蹴り」などを駆使し、中距離戦で安定した性能を発揮します。超必殺技「雷光拳」では強力な電撃を解き放ち、派手さと破壊力を兼ね備えています。見た目通り華やかでカジュアルな立ち回りができ、初心者にも扱いやすく、中級者以上は細かな間合い管理で真価を発揮する万能キャラクターです。

大門五郎

大門五郎は白の柔道着を着崩し、鍛え抜かれた筋肉質の上半身を露出させた姿に、日本の国旗を描いた鉢巻きを巻いているのが特徴です。巨体と無骨なデザインが圧倒的な迫力を持ち、三人の中では最も重厚な存在感を放ちます。戦闘スタイルは柔道をベースにした投げ技主体で、相手を掴んで叩きつける「地雷震」や「天地返し」といった大技を駆使します。超必殺技「超大外刈り」では相手を豪快に投げ飛ばし、観客を沸かせる大迫力の演出が魅力です。また、地面を揺らす「地雷震」はジャンプを抑制する独特の効果を持ち、投げキャラながら立ち回りの幅が広いです。無口で実直な性格も相まって、草薙京や紅丸を支える堅実な仲間として描かれています。

テリー・ボガード

テリーはシリーズの顔ともいえる存在で、赤いベストに白いTシャツ、青いジーンズ、そして赤いキャップというカジュアルでアメリカンな出で立ちで描かれています。明るく豪快な兄貴分であり、正義感が強く弱者を守る性格がプレイヤーからの人気を集めています。戦闘スタイルはストリートファイトをベースにしたパワフルな技構成で、「パワーウェーブ」「バーンナックル」「クラックシュート」といった代表的な必殺技を持ちます。超必殺技「パワーゲイザー」や「バスターウルフ」は派手な演出と圧倒的な威力で、試合を決める場面にふさわしい迫力を持ちます。イラストからも分かる通り、腕まくりのラフな格好と自信に満ちた立ち姿が、テリーの自由奔放なキャラクター性を体現しています。

アンディ・ボガード

アンディは金髪を肩まで伸ばし、白い道着に赤い防具やブーツを組み合わせた武道家らしい装いで描かれています。冷静でストイックな性格がうかがえる外見です。彼の戦闘スタイルは、忍術と中国拳法を融合させたもので、代表的な必殺技には、踏み込み肘打ちの「斬影拳」、そこからつなげる体当たりの「我弾幸」、踏み込みながら突進する「飛翔拳」、連続竜巻パンチの「昇龍弾」などがあり、幅広い距離とタイミングに対応できます。さらに、超必殺技には遠距離から突進して強烈な一撃を放つ「超裂破弾」や連続飛び技「飛翔流星拳」があり、どちらも派手さと技の重厚感を併せ持っています。彼のデザインは武道の真剣さと緻密さを強調しており、チームの中では堅実でテクニカルな立ち回りを得意にするキャラクターです。初心者でも「飛翔拳」や「斬影拳」で攻撃を狙いやすく、中級者以上は「我弾幸」や超必殺技のつなぎを練習することで大きな効果を狙える奥深さがあります。

ジョー・東

ジョーは日本出身のムエタイ戦士で、赤いショートパンツにハチマキを巻いたスタイルで描かれており、筋肉質で闘志あふれる姿が印象的です。陽気でお調子者な性格ながら、戦いとなれば真剣で、強靭な打撃と俊敏な動きを武器にします。必殺技は「ハリケーンアッパー」による飛び道具、「タイガーキック」や「スラッシュキック」といった突進技が特徴で、スピード感を活かした立ち回りが可能です。超必殺技「スクリューアッパー」は竜巻のように拳を振り回して相手を巻き込む大技で、彼の派手な性格を表しています。赤いパンツと白いハチマキというシンプルなデザインは、ムエタイ選手らしい実戦的な雰囲気を強調しており、チーム内ではスピードと勢いを担当するキャラクターとなっています。

リョウ・サカザキ

リョウはオレンジの空手着を纏い、筋骨隆々とした姿でチームの中心に立っています。極限流空手の正統な後継者として、父タクマの教えを受け継ぎ、空手家らしい正義感と責任感を背負う存在です。必殺技は「虎煌拳」や「虎咆哮拳」といった飛び道具、突進技の「虎襲撃」や対空技「龍連撃拳」を備え、オールラウンドに対応できる技構成となっています。超必殺技の「龍虎乱舞」は乱打からのフィニッシュで大ダメージを与える代表技であり、チームのシンボル的存在です。デザイン的には伝統的な武道家の風格を前面に出し、ストイックで揺るぎない姿勢を体現しています。仲間のロバートや妹ユリを支えながら、龍虎の拳チームのリーダーとして物語を牽引するキャラクターです。

ロバート・ガルシア

ロバートは裕福なガルシア財閥の御曹司であり、華やかな格闘家です。画像でも見られるように、青のシャツに白いスラックスという洒落た衣装を身にまとい、戦闘前から気取ったポーズを取る姿が印象的です。戦闘スタイルはリョウと同じ極限流空手をベースとしつつ、蹴り技主体で、よりダイナミックなアクションを得意とします。必殺技には「龍撃拳」や飛び蹴り「飛燕疾風脚」があり、蹴りのコンビネーションを駆使して攻め立てます。超必殺技「龍虎乱舞」は乱打の後に強烈なフィニッシュを決める連続技で、リョウと並んでチームの看板技といえます。裕福でプレイボーイな性格を持ちながらも仲間を大切にし、戦闘では真剣に臨む姿が描かれています。

ユリ・サカザキ

ユリはリョウの妹で、白い胴着風の衣装に赤いスニーカーというカジュアルさが特徴的です。イラストからも快活な笑顔と元気さが伝わり、チームのムードメーカー的存在です。格闘スタイルは兄と同じ極限流空手ですが、女性らしい軽快さを取り入れたアレンジが加えられています。必殺技は「虎煌拳」や「百烈ビンタ」など個性的なものが多く、軽快な動きで相手を翻弄します。超必殺技には「超必殺虎煌拳」や「覇王翔吼拳(リョウから学んだ技)」があり、兄譲りの力強さを発揮します。ユーモアあふれる技名や動作も魅力で、シリーズの中でも人気の高い女性キャラクターです。97では従来のかわいらしさに加え、プレイヤーにとって使いやすくテクニカルな動きが魅力となっています。

レオナ

レオナは青髪をポニーテールにまとめ、ミリタリー調のショートパンツにブーツという戦闘服姿で描かれています。冷静沈着で寡黙な女性兵士ですが、その背景にはオロチの血を引く複雑な宿命が隠されています。戦闘スタイルは軍隊格闘術に加え、独自の俊敏な動きを取り入れており、素早い突進技「バルカンパンチ」や、サマーソルト系の「ムーンスラッシャー」、突進蹴りの「グランドセイバー」などを使いこなします。超必殺技には「バイブレーションスマッシュ」や「レオナブレード」があり、爆発的な威力とスピードで相手を圧倒します。物語的には怒チームの中で唯一の女性であり、冷徹な戦士として描かれつつ、仲間たちとの絆によって少しずつ人間らしい感情を取り戻す姿も魅力です。

ラルフ・ジョーンズ

ラルフは赤いバンダナを巻き、黒のベストと青いパンツという戦闘スタイルで描かれており、筋肉質で豪放磊落な性格をそのまま表現しています。チームのリーダー的存在であり、戦いでは大胆かつパワフルな攻撃を得意とします。必殺技は強烈なパンチで突進する「ガラティックファントム」や、爆発的な威力を持つ「ラルフキック」など、豪快で破壊力の高いものが揃っています。超必殺技「バリバリギャラクティックファントム」では強烈な一撃を放ち、観客を圧倒する派手さを持ちます。豪快な性格とは裏腹に仲間思いで、クラークやレオナを引っ張る兄貴分としての役割を担っています。ゲーム的にも火力が高く、短期決戦に強いキャラクターです。

クラーク・スティル

クラークはサングラスに青いキャップをかぶり、黒のベストと白シャツ、青いパンツというシンプルかつ無骨な軍人スタイルで描かれています。筋肉質で無駄のない体格は、彼が投げ技を得意とするキャラクターであることを強調しています。戦闘スタイルはプロレスの投げ技と軍人の格闘術を融合させたもので、「フランケンシュタイナー」や「デスバレーボム」などの強力な投げ技を駆使します。特に相手を掴んでから一気に体力を奪う投げコンボが魅力で、地上戦での接近戦に強さを発揮します。寡黙で冷静な性格ながら、ラルフと共に傭兵部隊「IKARI」を支える存在として信頼が厚く、堅実な立ち回りが可能なキャラクターです。

麻宮アテナ

アテナは赤いワンピース風の衣装に赤いタイツ、白い手袋とシューズを合わせたアイドル風のデザインで描かれています。明るく前向きな性格と、歌やファンサービスを通じてアイドルとしても活動している点がシリーズ内でも特異です。戦闘スタイルは超能力(サイコパワー)を駆使する中国拳法で、飛び道具の「サイコボールアタック」、対空の「サイコソード」、突進技「フェニックスアロー」などを持ちます。超必殺技「シャイニングクリスタルビット」や「サイコテレポート」を活用すれば攻守自在で、遠距離から近距離まで幅広い戦術が可能です。アイドルらしい華やかさと格闘家としての実力を兼ね備え、プレイヤー人気の高いキャラクターです。

椎拳崇

拳崇は青い半袖ジャケットに白い短パン、膝にサポーターを付けたカジュアルな格好で描かれています。少年らしい元気な性格で、アテナを慕いながら行動するムードメーカーです。戦闘スタイルは中国拳法をベースに、素早い動きと蹴り技を主体とします。必殺技には竜巻のように回転して突進する「旋風脚」、強力な蹴り連打の「龍顎砲」などがあり、スピード感を活かした攻めを展開できます。超必殺技「覇王翔吼拳」は師であるリョウから学んだ技とは異なり、拳崇独自の気弾を放つ強力な飛び道具であり、彼の潜在能力を象徴しています。デザイン的には若さとエネルギーを表現しており、アテナとのコンビネーションを活かすことで真価を発揮するキャラクターです。

鎮元斎

鎮元斎は長い白ひげと口にくわえたひょうたんが特徴的な老人キャラクターで、緑色のチョッキと白い道着風のズボンを着用し、裸足に黒い布靴という中国拳法家らしい装いです。酒好きで飄々とした性格ですが、戦闘では独自の中国拳法と酔拳を織り交ぜた動きを見せます。必殺技には体を前に倒して突進する「酔歩拳」、奇抜なジャンプ攻撃や不規則な動きが多く、相手を翻弄します。超必殺技「酔八仙」では酒を口から吹き出して火を放つ豪快な演出を披露し、老人ながら底知れぬ強さを誇ります。見た目通りコミカルながら、使いこなせば強力なトリッキーキャラとして高い存在感を持ちます。

キム・カッファン

キムは白い道着に青い帯を締め、清潔感と真面目さを強調したデザインで描かれています。韓国出身の正義感あふれるテコンドーの達人で、犯罪者であるチャンとチョイを更生させる使命を背負い、チームを率いるリーダー的存在です。戦闘スタイルは蹴り技主体の正統派テコンドーで、「飛燕斬」「半月斬」といった素早い蹴り技や連続技を駆使します。超必殺技「鳳凰脚」では華麗な連続蹴りを炸裂させ、フィニッシュ力の高い攻撃を見せます。性格は厳格で規律を重んじ、仲間にも厳しく接しますが、それは彼らを更生させたいという強い信念からきています。ゲーム的にはスピードとコンビネーションに優れ、扱いやすいキャラクターです。

チャン・コーハン

チャンは巨体と禿頭に濃い髭を蓄えた囚人風の風貌で、破れた柔道着に鎖と鉄球を携えています。画像でもその圧倒的な体格が強調されており、豪快さと恐怖感を同時に与えるデザインです。戦闘スタイルは柔道と怪力を活かした投げや殴打で、必殺技には鉄球を振り回す「鉄球大回転」や地面に叩きつける「鉄球地獄落とし」などがあります。超必殺技「超鉄球大回転」では暴れ回るように鉄球を振り回し、大ダメージを与える豪快さを持ちます。性格は粗暴で自由奔放ですが、キムに更生のため同行させられており、コミカルさと恐ろしさを兼ね備えた存在です。

チョイ・ボンゲ

チョイは小柄で痩身、帽子と爪を装着した姿で描かれ、囚人を思わせる不気味さを持つキャラクターです。見た目は明らかにホラー映画の怪人物をモチーフとしており、狂気を漂わせています。戦闘スタイルは暗殺術と独自の身軽な動きを組み合わせたもので、必殺技には高速で斬りつける「飛翔爪」や「旋風爪」があり、素早い接近戦を得意とします。超必殺技「龍顎斬」は空中から急降下して連続攻撃を浴びせる高威力の技で、相手を一気に追い詰めます。性格は凶悪で皮肉屋ですが、チャンと同じくキムに監督される立場で、試合中のやり取りはコミカルな一面もあります。俊敏さとトリッキーな動きで相手を混乱させるキャラクターです。

神楽ちづる

ちづるは長い黒髪を後ろに流し、白を基調とした巫女風の衣装に黒いパンツを合わせたシックなデザインで描かれています。落ち着いた表情と優雅な立ち姿が、彼女が神器の一族に連なる存在であることを強調しています。戦闘スタイルは古武術と神秘的な力を組み合わせたもので、分身を使った「八咫の鏡」や光を放つ「神速の舞」など、優雅かつトリッキーな技を駆使します。超必殺技「八咫の神技」では分身とともに連続攻撃を叩き込み、神秘的な力を発揮します。物語的には草薙京、八神庵とともにオロチ封印に関わる「三種の神器」の一人であり、97ではストーリーの核心に関わる重要人物として描かれます。

不知火舞

舞は赤を基調とした忍び装束にうちわを携えた姿で描かれ、豊満な体型と大胆な衣装デザインが強烈な印象を与えます。快活で明るい性格を持ち、時にお茶目で天真爛漫な振る舞いを見せながらも、戦闘では真剣な表情に変わるギャップが魅力です。戦闘スタイルはくのいちとしての体術と炎を使った忍術で、必殺技には「花蝶扇」や「龍炎舞」があり、遠距離からのけん制と突進を両立できます。超必殺技「超必殺忍蜂」では乱れ飛ぶように相手へ攻め込む大技を披露し、派手さと威力を兼ね備えています。チーム内では華やかさと勢いを担当し、女性チームの中心的存在として人気を博しました。

キング

キングは紫のベストとパンツ、白いシャツに蝶ネクタイを合わせた中性的でスタイリッシュな衣装で描かれています。元はバーテンダーという経歴を持ち、冷静で落ち着いた性格と凛とした雰囲気が魅力です。戦闘スタイルはムエタイをベースとした蹴り技主体の構成で、飛び蹴り「トルネードキック」や対空技「ヴェノムストライク」が代表的です。超必殺技「サプライズローズ」ではバラを咥えて連続蹴りを放ち、フィニッシュの華やかさを見せます。女性格闘家チームでは力強さとクールさを担当し、舞やちづるとは異なる落ち着いた戦闘スタイルでバランスを保っています。

七枷社

七枷社は銀髪をオールバックにした屈強な大男で、赤い軍服風の上着と白いパンツという大胆な衣装で描かれています。冷静沈着で威圧感のあるリーダー格であり、普段はロックバンドのベーシストとして活動している一方、その正体はオロチの力を受け継ぐ戦士です。戦闘スタイルはパワフルな肉弾戦で、殴打や投げを主体に「ジェットカウンター」「ブリッツアーク」など力強い技を繰り出します。超必殺技「ミリオンサマナー」は地面を揺るがすような破壊力を見せ、彼の怪力を強調しています。ゲーム的には豪快な打撃と高い火力で相手を圧倒するキャラクターであり、チームの大黒柱といえる存在です。

シェルミー

シェルミーはボブカットで片目が隠れた独特の髪型を持ち、白いブラウスにタイトなスカート、編み上げブーツというファッションモデル風のスタイルで描かれています。普段はファッションデザイナーを生業としており、落ち着いた大人の女性の雰囲気を漂わせます。戦闘スタイルはプロレス技を主体としており、相手を投げ飛ばすパワフルな技や投げコンボが中心です。代表的な必殺技は「シェルミースパイラル」や「シェルミーフラッシュ」で、豪快に相手を投げ飛ばし、近距離での圧力が強いです。超必殺技「シェルミーカーニバル」では連続投げの大技を披露し、観客を驚かせます。優雅さと残虐さを併せ持つキャラクターであり、物語的にはオロチの四天王の一人として暗躍する重要人物です。

クリス

クリスは茶色がかった髪を短く整え、青いTシャツと白いパンツという少年らしいカジュアルな服装で描かれています。ロックバンドではボーカルを担当しており、物静かで礼儀正しい少年に見えますが、その正体はオロチの意志を受け継ぐ存在です。戦闘スタイルは小柄な体格を活かした俊敏な動きが中心で、素早い蹴りや掌打による連携技を得意とします。必殺技には高速で滑り込む「ミッシングストライク」や回転蹴り「ハンティングエアー」などがあり、スピードで相手を翻弄します。超必殺技「ダンシングフレイム」では炎を纏った連続攻撃を繰り出し、その背後に秘められたオロチの力を象徴します。かわいらしい外見と冷酷な内面のギャップが印象的で、物語上でも重要な役割を担います。

山崎竜二

山崎は黒のタートルネックと黒いスラックスというシンプルながら不気味さを漂わせる装いで描かれています。片手をポケットに突っ込み、もう一方でナイフを弄ぶような仕草が特徴的で、裏社会のヒットマンらしい雰囲気を強調しています。性格は冷酷かつ残忍で、戦闘スタイルは徒手格闘に加えて蛇のように伸縮自在な腕を使う独自の技が中心です。必殺技には相手を絡め取る「蛇使い」、地面を蹴り飛ばす「バカでかい蹴り」、さらに相手を掴んで叩きつける投げ技があります。超必殺技「ギロチン」では掴んだ相手を首元から豪快に締め上げるなど、凶悪さを前面に出した演出が特徴です。KOF97ではシナリオ的にもオロチ側に協力する立場で描かれ、狂気じみた存在感を放っています。

ブルー・マリー

マリーは金髪のショートヘアに赤いタンクトップ、紫のパンツというスポーティーでアクティブなスタイルで描かれています。元は国際的な秘密組織のエージェントであり、普段は明るくフレンドリーですが、戦闘では冷静なプロフェッショナルの一面を見せます。戦闘スタイルはサンボや柔術を取り入れた総合格闘術で、投げ技と打撃を組み合わせて戦うのが特徴です。必殺技には「マリースパイダー」や「マリータイフーン」といった投げ技があり、超必殺技「マリー・スプラッシャー」では連続投げから強烈に叩きつける大技を披露します。俊敏さとテクニックを兼ね備えたオールラウンダーで、プレイヤーにも扱いやすいキャラクターです。

ビリー・カーン

ビリーは赤いバンダナを頭に巻き、黒いジャケットとジーンズに長大な三節棍を持った姿で描かれています。サウスタウンの裏社会でギース・ハワードの部下として活動しており、忠誠心と兄貴分肌の性格が特徴です。戦闘スタイルは三節棍を自在に操る武術で、広範囲を薙ぎ払う「旋風棍」や火炎を纏わせる「火炎旋風棍」などを駆使します。超必殺技「超火炎旋風棍」では棍に炎を纏い、巨大な炎を巻き起こす大迫力の演出が魅力です。長いリーチとトリッキーな攻撃範囲により、間合いを制するキャラクターとして独自の立ち回りを展開します。

八神庵

八神庵は赤髪を長く垂らし、黒いジャケットに白い腰布を巻き、赤いスリムなパンツという独特の衣装で描かれています。姿勢は片腕を前に伸ばし、鋭い視線を投げかけるポーズで、冷酷かつ孤高の雰囲気を強く漂わせています。草薙京の宿命のライバルであり、八神家の血筋により「オロチの力」を宿している存在です。その血による狂気と破壊衝動に苛まれつつも、己の誇りと強さを貫くキャラクターとして描かれています。

戦闘スタイルは八神流古武術をベースに、草薙家の炎と対をなす「紫の炎」を自在に操るのが特徴です。必殺技には地を這う炎を繰り出す「百八式・闇払い」、素早い突進の「百弐拾七式・葵花」、相手を掴んで炎を浴びせる「屑風」などがあります。超必殺技「裏百八式・八酒杯」や「禁千弐百十一式・八稚女」は特に高威力を誇り、庵の狂気と凶悪さを象徴しています。さらに「裏百八式・八酒杯」はオロチとの因縁を色濃く反映した技で、ストーリー的にも重要な位置づけです。

性格は冷酷で挑発的ですが、京との戦いにおいては単なる敵対ではなく複雑な宿命と誇りが絡み合っており、KOF97の物語を象徴する存在となっています。プレイヤーにとっては高火力でスピードのある攻撃を繰り出せる上級者向けのキャラクターであり、その中二的な魅力と圧倒的な存在感によってシリーズ屈指の人気キャラとして愛されています。

矢吹真吾

矢吹真吾は青い学ラン風のジャケットに白いTシャツ、同じく青のズボンを組み合わせ、頭には白い鉢巻きを巻いた学生スタイルで描かれています。拳を握って構える姿は熱血少年そのもので、草薙京に憧れて彼の技を模倣する姿勢がキャラクター性を象徴しています。真吾は京に弟子入りを志願しており、憧れの存在に少しでも近づこうと努力を続ける熱血漢です。

戦闘スタイルは「我流草薙流古武術」と称され、京の技を真似た不完全な必殺技が多いのが特徴です。例えば京の「百八式・大蛇薙」に似せた「大蛇薙(もどき)」や、飛び道具を出そうとするものの火が出ない「闇払い(もどき)」など、未熟さが前面に出ています。これらは性能的には劣っていても、真吾のひたむきさを表現する要素となっています。超必殺技には、全力でパンチを叩き込む「真吾烈火拳」などがあり、見た目は派手さに欠けるものの、努力と根性を感じさせる技です。

性格は明るく前向きで、どんなに打ちのめされても立ち上がる強靭な精神力を持ち、チーム内ではムードメーカー的な存在になります。KOF97で初登場した際にはプレイヤーにとってコミカルな存在でありながら、京への憧れと努力が物語に人間味を与える役割を担いました。未熟ながらも全力で戦う姿が共感を呼び、今なお根強い人気を持つキャラクターです。

’94草薙京

’94草薙京は、シリーズ第一作『KOF’94』に登場した際の姿を再現した隠しキャラクターです。黒い学ラン風の制服をベースに、袖をまくった白シャツをインナーに着込み、頭には白いバンダナを巻いた姿が特徴です。現行の京よりも若々しく、やや荒々しい雰囲気を漂わせており、デザインからも学生格闘家としての原点が強調されています。

戦闘スタイルは草薙流古武術をベースとしつつ炎を操る能力を活かしたものですが、この’94バージョンでは現行の京と技構成が一部異なり、シリーズ初期特有の技が使用可能です。代表的な必殺技は「百八式・大蛇薙」や「百拾四式・荒咬み」で、特に荒咬みは連続入力で技が派生し、ラッシュ感の強い攻撃が可能です。また「七百七式・独楽」や「七拾五式・改」など、現在では変化を遂げた技の元祖にあたるものが見られます。超必殺技は「裏百八式・大蛇薙」などが中心で、シンプルながら高い破壊力を誇ります。

性格的には当時の京はより反骨精神が強く、荒削りで挑発的な一面を前面に出しており、現在の落ち着いた主人公像との違いを感じさせます。プレイヤーにとっては懐かしさと同時に、初期のKOFを象徴する“熱血主人公”の原点を楽しめる特別な存在です。’97においてこの隠しキャラが収録されたことは、シリーズファンにとって過去と現在を繋ぐサービス要素であり、草薙京というキャラクターの歴史を実感できる演出になっています。

ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ(暴走庵)

ツキノヨルオロチノチニクルフイオリは、八神庵がオロチの血に完全に支配された状態であり、その名の通り「月の夜、オロチの血に狂う庵」と呼ばれる存在です。外見は通常の庵とほぼ同じ黒いジャケットと赤いパンツ姿ですが、表情は狂気に満ち、胸元を大きくはだけた衣装と荒々しい仕草がより凶悪さを強調しています。鋭い牙を剥き出しにした咆哮や血走った目は、もはや理性を失った怪物のような印象を与えます。

戦闘スタイルは通常の八神庵の技をベースとしていますが、性能が大幅に強化されています。「百八式・闇払い」や「百弐拾七式・葵花」などの基本技がより高威力となり、超必殺技「禁千弐百十一式・八稚女」や「裏百八式・八酒杯」も凶悪な破壊力を持ちます。さらに暴走庵は技の発生やリーチが強化されており、CPU専用キャラとしてプレイヤーに圧倒的な難易度を与える存在です。

物語的には、八神庵が持つオロチの血の呪いが極限まで高まり、理性を失った姿とされています。通常の庵は自らの狂気と理性の狭間で戦うキャラクターですが、この暴走状態ではその均衡が完全に崩壊し、ただ破壊と殺戮の衝動に支配された存在となっています。KOF’97では隠しコマンドで使用可能になり、ファンにとっては通常の庵とは異なる危険で豪快なプレイ感覚を楽しめる特別なキャラクターでした。

ヤミノナカオロチノチニメザメルレオナ(暴走レオナ)

ヤミノナカオロチノチニメザメルレオナは、怒チームの一員であるレオナがオロチの血に覚醒し、正気を失った姿です。通常の青い髪から一転して、鮮やかな紅い髪に変化している点が最大の特徴で、添付画像でも逆立った赤髪と狂気に満ちた眼差しが印象的です。表情や仕草も通常の冷静沈着な彼女とは異なり、攻撃的で凶暴な雰囲気が前面に出ています。

戦闘スタイルは通常のレオナと同じ軍隊格闘術を基盤としていますが、技性能や威力が大幅に強化されています。代表的な技である「ムーンスラッシャー」や「グランドセイバー」がより高威力となり、素早い突進力と破壊力を兼ね備えています。さらに超必殺技「レオナブレード」や「バイブレーションスマッシュ」が凶悪な性能へと変化し、相手を圧倒する爆発力を誇ります。通常版に比べて攻撃の隙が減り、CPU戦では強力な難敵として立ちはだかります。

物語的には、レオナの出生に由来する「オロチの血」が暴走した姿であり、彼女が背負う悲劇性を色濃く表現しています。冷静な軍人として仲間を支えていたレオナが突如暴走し、理性を失って仲間をも攻撃する存在となることは、彼女のキャラクター性に深い影を落としています。プレイヤーにとっては隠しコマンドで使用可能な特別キャラとして、通常のレオナとは異なる豪快な操作感を味わえる存在でした。

乾いた大地の社

乾いた大地の社は、七枷社がオロチの血に覚醒した姿であり、オロチ四天王の一人としてその真の力を発揮した状態です。添付画像では通常の黒髪から白銀の髪へと変化し、瞳には冷酷さを湛えた表情が描かれています。衣装は赤いジャケットに大きなバックルを備え、肉体美を強調したデザインで、リーダー格としての威厳と凶暴さを感じさせます。

戦闘スタイルは通常の社が持つパワフルな肉弾戦を基盤にしながら、オロチの力によって強化されています。必殺技の「ジェットカウンター」や「ブリッツアーク」は威力と速度が増し、さらに超必殺技「ミリオンサマナー」は地面を揺るがす圧倒的な破壊力を持つ大技へと変化しています。通常時の社以上に一撃の重みが増しており、近距離でのラッシュと投げを組み合わせた攻撃は凶悪な性能を誇ります。

物語的には、社が普段見せる冷静で頼れるバンドマンという仮の顔が剥がれ落ち、オロチの復活のために全力を尽くす「四天王」としての真の姿が描かれています。「乾いた大地」という異名は、大地を枯らし、荒廃させるオロチの力を象徴しており、プレイヤーにとってはボス戦に匹敵する強敵として登場しました。人間味を見せる通常の社とは異なり、完全にオロチの意思に従う冷酷な戦士としてKOF97の物語を盛り上げる存在です。

荒れ狂う稲光のシェルミー

荒れ狂う稲光のシェルミーは、オロチの四天王の一人としての正体を現したシェルミーの覚醒形態です。普段の彼女は白いブラウスにタイトスカートというファッションモデル風の出で立ちですが、この姿では赤いジャケットを羽織り、黒のインナーで胸元を強調したデザインとなり、より妖艶で攻撃的な雰囲気を纏っています。前髪で片目を隠した独特のヘアスタイルはそのままに、不敵な笑みを浮かべた表情は狂気を帯びており、オロチの血に支配された戦士としての本性を強く感じさせます。

戦闘スタイルは通常時と同じくプロレス技を主体としますが、オロチの力によって技が強化され、電撃を伴う攻撃を繰り出すのが大きな特徴です。必殺技には相手を掴んで電流を流し込む「シェルミーフラッシュ」、連続投げの「シェルミースパイラル」などがあり、近距離戦での破壊力が格段に増しています。超必殺技「サンダーフラッシュ」や「ライトニングストーム」では稲妻を伴った大技を放ち、画面全体を覆うような派手な演出で相手を圧倒します。

物語的には、シェルミーが表向きはバンドのキーボード奏者でありながら、オロチ復活のために暗躍していたことが明らかになります。「荒れ狂う稲光」という異名は、彼女が操る電撃の力とその狂気的な戦闘スタイルを象徴しています。通常のシェルミーが持つ妖艶さに加え、残虐性と破壊力を兼ね備えたこの姿は、KOF97の後半戦を大いに盛り上げる存在となりました。

炎のさだめのクリス

炎のさだめのクリスは、ニューフェイスチームの一員であるクリスがオロチの力に覚醒した姿で、オロチ四天王の中でも特に象徴的な存在です。添付画像では、通常の少年らしいカジュアルな青服姿から一変し、赤いトップスに黒いインナーを重ね、首には重厚なチェーンネックレスをかけた姿で描かれています。微笑を浮かべながらも冷酷さを漂わせる表情は、オロチの血に選ばれた存在としての威圧感を強調しています。

戦闘スタイルは通常の俊敏な体術を基盤にしつつ、炎を自在に操る能力が加わっているのが最大の特徴です。草薙京と同じく炎を操るものの、京の「赤い炎」に対してクリスは「青い炎」を用いる点が大きな違いです。必殺技には高速の蹴りと共に炎を放つ「烈火の炎撃」、突進と炎を組み合わせた「スプラッシュファイア」などがあり、スピードと威力を兼ね備えています。超必殺技「サイキックインフェルノ」や「オロチフレイム」は、青白い炎で相手を包み込む演出が特徴で、オロチの血を色濃く反映しています。

物語的には、クリスは普段は礼儀正しく、穏やかで優しい少年のように振る舞っていますが、その裏にはオロチ復活のために暗躍する冷酷な顔があります。「炎のさだめ」という異名は、彼が草薙の炎に対抗する存在として運命づけられていることを意味し、京や庵と並んで炎を象徴するキャラクターとして物語を牽引します。KOF’97においては、オロチ編のクライマックスに直結する重要な立場を担い、プレイヤーに強烈な印象を残しました。

裏技

格闘ゲームにおいて、隠しコマンドを入力してキャラクターを解放する裏技は、プレイヤーにとって特別な楽しみのひとつです。

隠しキャラクターの使用方法

キャラクター選択画面でモードを決定した後、特定のコマンドを入力することで隠しキャラクターを選べるようになります。入力はスタートボタンを押しながら行う点がポイントです。

  • 『94草薙 京』
    スタートボタンを押しながら京を選択します。通常の選択ではなく、コマンド入力時にのみ出現する仕様です。
  • ツキノヨルオロチノチニクルフイオリ
    スタートボタンを押しながら、←、→、←、→、←、→、A+C
  • ヤミノナカオロチニチニメザメルレオナ
    スタートボタンを押しながら、↑、↓、↑、↓、↑、↓、B+D
  • 乾いた大地の社、荒れ狂う稲光のシェルミー、炎のさだめのクリス
    ヤミノナカオロチニメザメルレオナを選択可能にした後、スタートボタンを押しながら、↑、←、↓、→、↑、↓、B+C

勝利ポーズの選択

ラウンド勝利時に弱パンチ、弱キック、強パンチ、強キックのいずれかのボタンを押し続けると、押したボタンに応じた勝利ポーズを取ることができます。

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