アーケード版『ぱづり』は、1995年発売、バンプレストが販売、メトロが開発したパズルゲームです。ジャンルは落ちものパズルで、釣りをテーマにしたユニークなシステムが特徴です。
開発背景や技術的な挑戦
1990年代中盤、パズルゲームの人気が高まる中で、メトロは“釣り”という題材を取り入れることで差別化を図りました。エンジンはMotorola 68000を搭載し、YM2151やMSM6295によるサウンドも採用された本格基板構成です。釣り上げるという斬新なメカニクスは、当時の技術でも実現可能だったものの、アイデアに対する技術実装は軽快ながらも処理負荷に配慮された設計であったと考えられます。
プレイ体験
プレイヤーは船の上から色付きの魚を水中に押し入れ、水面に出た同色の魚を3つ以上繋げることで釣り上げます。時間経過で水位が下がり、プレイエリアが狭くなる中、連鎖や素早い操作が求められます。操作感はややもっさりした面もあり、戦略的配置とスピードのバランスが攻略の鍵となります。
初期の評価と現在の再評価
当初は極めてマイナー作品で、公式紹介ページも見られない状況でした。しかし近年では、独自性のあるゲーム性がレトロゲーム愛好家に再評価されており、アーケード基板が中古市場で出回るなど、希少性とともに注目度が高まっています。
他ジャンル・文化への影響
釣りをモチーフとしたパズルゲームという試みは他に類似作が少なく、ジャンル横断的なアイデアとして一定の影響を残しました。非公式ながらメガドライブへの移植(自作ROM)も行われるなど、ファンの間では独自文化が形成されています。
リメイクでの進化
もし現代にリメイクされるなら、グラフィックとUIを大幅に刷新しつつ、オンラインランキングと多彩な魚種による戦略性の追加が考えられます。また、タッチ操作やスワイプでの操作に対応することで、スマートデバイスでも楽しめる仕様に進化しそうです。
筆者視点で特別な存在である理由
『ぱづり』は、テーマとシステムが強く結びついた稀有なパズルゲームであり、メジャー作品とは異なる魅力があります。刻一刻と変動する水位との駆け引きや、地味ながら奥深い連鎖構築の面白さは、遊び込むほど味が出る作品です。
まとめ
『ぱづり』は1995年にメトロが開発し、バンプレストが販売した釣りテーマの落ちものパズルゲームです。水位変動というギミックと魚の色合わせが組み合わされ、当時はマイナーでしたが近年再評価が進んでいます。メガドライブへ非公式移植されるなど、ファンの熱い支持を受け続けている異色作です。
©BANPRESTO/METRO 1995