アーケード版『ラギ』は、1992年7月17日にSNKより稼働開始され、開発はアルファ電子工業(Alpha Denshi/ADK)が担当しました。ジャンルは対戦型格闘アクションで、神話や伝説をモチーフとする7人のキャラクターによる1対1バトルが楽しめます。
開発背景や技術的な挑戦
初期の格闘ゲームの多くが人間キャラ主体だった中、本作はファンタジー要素を全面に押し出した異色作でした。MVS基板(MC68000+Z80、YM2610音源、4096色パレット)を活かし、各キャラに固有の魔法演出や変身モーションを詰め込むなど、ビジュアル面での挑戦が目立ちます。
プレイ体験
操作はパンチ・キック・ガード・特殊技ボタンの4ボタン方式。各キャラは魔法や変身、飛行モードなど多彩な能力を持ち、通常技と特殊技のコンボが鍵となります。画面演出も派手で、戦闘中のBGMも世界観を盛り上げています。
評価と再評価
当時は他の格闘ゲームに対して「動きが重い」「バランス調整が甘い」との評価があり、市場的には大ヒットには至りませんでした。しかし、後にはレトロゲーマーやファンタジー格闘ジャンル愛好者の間で一定の評価を獲得しています。
他ジャンル・文化への影響
『ラギ』は後にSNKが展開するファンタジー系格闘シリーズへの先駆けと見なされ、格闘ゲームに非現実的要素を盛り込む流れに一石を投じたと評価されることがあります。
リメイクでの進化
HD化による滑らかなアニメーション化、オンライン対戦対応、キャラごとのストーリーモード追加、変身演出の強化などがリメイクにおける進化ポイントとして挙げられます。
まとめ
『ラギ』はアーケード黎明期に挑戦的に作られたファンタジー格闘ゲームで、技術的にもビジュアル的にも実験的な作品です。市場的には限定的な成功にとどまりましたが、その独自路線と雰囲気は今なお魅力的で、ファンタジー格闘ファンにとって隠れた名作といえる存在です。
© SNK CORPORATION 1992