AC版『ゴーストパイロット』クラシック縦シューの美学と戦略を探る

アーケード版『ゴーストパイロット』(Ghost Pilots)は、1991年1月25日にSNKよりリリースされた縦スクロールタイプのシューティングゲームです。開発・販売ともにSNK社内が手がけています。第二次世界大戦を舞台に、水上機(シープレーン)を操作し、空と地上の戦闘を繰り広げる作品です。

開発背景や技術的な挑戦

アーケード黎明期の作品で、当時SNKは「2D表現の限界」に挑んでいた時期でした。『ゴーストパイロット』ではシープレーン+爆弾選択式+ルート分岐といった要素を導入し、MVS基板(MC68000+Z80、YM2610、4096色)をフル活用して大型ボスから戦場背景まで描写しています。

プレイ体験

プレイヤーは2種類の爆弾(ステージによっては3種類)から選んで進行。Aボタンで射撃、Bボタンで爆弾を投下、パワーアップで火力を強化します。地上・海上・空中の敵を次々倒し、ルート分岐やボス戦の展開が変化します。2人協力プレイにも対応し、共闘の戦略性が楽しめます。

評価と再評価

稼働当初、Game Machineでは17位、RePlayでは10位にランクインし、一定の人気を博しました。ただしコントロールの鈍さ、敵バリエーションの少なさなどの批判もあり、メディアレビューは賛否両論。特にCapcomの『194X』シリーズとの比較が目立ちました。近年は、HD再現やオンラインスコアランキングなどを実装したArcade Archives版(PS4等)で再評価の動きもあります。

他ジャンル・文化への影響

当時隆盛だった第二次大戦ものシューティングゲームの伝統を踏襲しつつ、シープレーンと爆弾選択+ルート分岐という戦略性を持たせた作品です。Capcom作品への対抗としても位置づけられ、後に続くNeo Geo系シューティングタイトルに影響を与えました。

リメイクでの進化

現代リメイクでは、操作性のテンポ改善、敵や背景の種類追加、オンラインランキング・協力プレイ実装、さらに爆弾の派手な演出強化が期待されます。また、ボイス付きストーリーパートやルート選択分岐の拡充も考えられます。

まとめ

『ゴーストパイロット』は、アーケード初期の力強いシューティング作品です。滑らかなビジュアル表現やルート分岐など独自性もありますが、操作性の難や単調さは否めません。それでも当時のアーケード感と作り込みは今なお魅力的で、再プレイの価値が高い作品です。

© SNK CORPORATION 1991