AC版『ペンゴ』氷の迷宮で敵を潰す戦略アクションの傑作

ペンゴ

アーケードゲーム『ペンゴ』は、1982年にCoreland(後のBanpresto)が開発し、セガがパブリッシュしたメイズアクションゲームです。プレイヤーは南極に住む赤いペンギン「Pengo」を操作し、アイスブロックを押して「Sno‑Bee」と呼ばれる敵を倒します。ステージごとに配置されたダイヤモンドブロックを並べる戦略性や、迫り来る敵との緊張感が特徴的な作品です。

開発背景や技術的な挑戦

『ペンゴ』は、当時人気だった『パックマン』や『スペースパニック』といったメイズ系タイトルへの対抗作として開発されました。セガのZ80ベースのアーケード基板を採用し、カラーグラフィックや滑らかなアニメーションを実現。また、当初はGershon Kingsleyの「Popcorn」をBGMに使用しており、音楽面でも強い印象を与えていましたが、一部地域では著作権の関係でオリジナル曲に置き換えられました。開発自体はCorelandが担い、セガおよびGremlinといった筐体製造企業とも協力関係にありました。設計資料にはGremlinの名も見られ、アーケード筐体周りへの関与が伺えます。

プレイ体験

プレイヤーは十字レバーとボタン1つで操作。アイスブロックを押して敵を潰したり、壁を震わせて敵を一時的に気絶させたりと、シンプルながら奥深い駆け引きが楽しめます。個人的には、複数の敵を一気に潰す爽快感や、ダイヤモンドブロックを横一列または縦一列に揃えたときのボーナス獲得の高揚感が特に印象的でした。上級者モードにはSudden-Deathモードがあり、一定時間内に倒せないと敵が“Blob”状態になってますます厳しくなります。

初期の評価と現在の再評価

発売当初、日本では1982年のアーケード売上ランキングで4位、1983年6月でも15位にランクインし、商業的にも成功を収めました。また欧米でも約2,000台が販売され、多くの批評でも「可愛らしくも戦略性があり、グラフィック・サウンドともに満足度が高い」と高く評価されました。その後マスターボリュームは下がったものの、パズル性と操作感の良さからレトロゲーマーの間では再評価が進み、現在でもアタリ7800向けにファン制作の移植版が開発されるなど、根強い人気があります。

他ジャンル・文化への影響

『ペンゴ』のブロック押し込み+敵潰しというシステムは、後の『ボンバーマン』(ハドソン)にも通じる戦略性を持っているとされ、シリーズの基本アイデアに影響を与えたとも言われています。また、PCや家庭用移植を通じて多くの模倣作も生まれ、『Penga』『Pengy』『Bubble Trouble』など、多くの派生作品を産み出しました。

リメイクでの進化

もし現代にリメイクされるとすれば、HDグラフィック化に加えてオンラインランキングや協力プレイモード、そしてAIを使った難易度やパターン生成などが考えられます。また、ラウンド間のインターミッション演出を凝ったアニメーション化し、BGMも現在の著作権クリアランス対応をした形で「Popcorn」カバーやオリジナルアレンジを導入すると、当時のファンだけでなく新規ユーザーにも刺さりそうです。

まとめ

『ペンゴ』は、シンプルなルールながら緻密な戦略性と爽快感を兼ね備えた、1980年代を代表するメイズアクションゲームです。ブロックの動きや敵との駆け引き、そしてダイヤモンドブロックの配置を考える楽しさが今なお色褪せず、多くの派生作品やリメイクの土台ともなる魅力を備えています。当時セガが挑戦したこのタイトルは、レトロゲームファンなら一度は味わいたい名作と言えるでしょう。

攻略

プレイヤーは自機(ペンギンのペンゴ)を操作して、敵(スノービー)をアイスブロックでつぶして撃退します。すべての敵を撃退すると面クリアとなります。また、各面にはダイヤモンドブロックが3つ点在。それを縦か横に並べればボーナス点を獲得できます。BGMが印象的です。

操作方法

方向レバー移動
ボタン1アイスブロックを飛ばす

得点

アクション得点
スノービーを押しつぶす400
アイスブロックをこわす30
壁をゆすってスノービーをしびれさせて、捕まえることができます。100
スノービーの卵を壊す500
ダイヤモンドブロックを揃える10,000(壁沿いだと5,000)

データ

『ペンゴ』の発売年、メーカー、開発元などのデータです。

発売年1982
メーカーセガ
開発会社コアランドテクノロジー(後のバンプレスト)
プラットフォームアーケード
ジャンルアクションパズル
プロデューサー不明
ディレクター不明
作曲者ガーション・キングスレイ(『ポップコーン』)
キャラクターデザイン不明
販売本数不明

© 1982 SEGA