アーケード版『キャプテンコマンドー』は、1991年に発売されたカプコン(開発:カプコン)によるビート ’エム アップゲームです。CP System(CPS‑1)基板向けに制作され、最大4人同時プレイを特徴とする横スクロールアクションで、未来のMetro City(2026年)を舞台にしたSFヒーローものです。
開発背景や技術的な挑戦
もともとカプコンUSAが1980年代後半にパッケージやマニュアルで用いていたマスコットキャラ「Captain Commando」を、アーケード用のビート ’エム アップゲームの主人公として再設計しました。アーティストの安田朗(Akiman)は、元のデザインをアメリカンコミック風に再構築し、新たな魅力を持たせました。CPS‑1基板の機能を活かし、多彩な敵や多人数同時プレイといった要素を実現した点も技術的な挑戦でした。
プレイ体験
プレイヤーはキャプテンをはじめとする4人のCommandoチームを選び、全9ステージを進行します。最大4人同時プレイが可能で、ボス戦、敵の配置、ライド可能なメカなど多彩な演出が印象的です。複数の敵を相手にした戦闘や、タイミングが重要なメカ操作、アイテム管理など、アクション性と戦略性が絶妙に融合しています。
当時の評価と現在の再評価
発売当時はアーケード市場で高い人気を博し、多くのプレイヤーに支持されました。スーパーファミコン版などの家庭用移植では一部演出が削除されるなど制約がありましたが、それでも根強いファンを獲得しました。近年ではアーケード原作の完成度が再評価され、レトロゲームファンから高い支持を受け続けています。
他ジャンル・文化への影響
本作はその後のクロスオーバー作品に登場するなど、カプコンキャラクター文化の一端を担う存在となりました。特にキャプテンコマンドーは、企業の象徴的キャラクターとして、格闘ゲームなどでも再登場し、多くのプレイヤーに親しまれています。
リメイクでの進化
現代の技術を用いたリメイクでは、高解像度グラフィック、オンライン協力プレイ、各キャラのアビリティ強化などが期待されます。より多彩な演出やダイナミックなボス戦、戦略性のあるステージ構成を取り入れることで、オリジナルの魅力を保ちつつ、現代プレイヤーにも響く作品になる可能性があります。
特別な存在である理由
『キャプテンコマンドー』は、単なるアクションゲームにとどまらず、カプコンが自社キャラクターを主軸とした世界観を打ち出した意欲作です。多人数プレイやアメリカンコミック調のデザイン、SF的な設定が融合し、今なお記憶に残る作品として語られています。
まとめ
『キャプテンコマンドー』は、1991年のアーケード市場に登場したビート ’エム アップの名作であり、カプコンのブランド力と創造性を象徴するタイトルです。独特な世界観、多彩なキャラクター、多人数同時プレイといった要素は、当時としても革新的であり、今なお色褪せない魅力を放っています。
© 1991 カプコン