アーケード版『フットボールフレンジー』(Football Frenzy)は、1992年1月31日にSNKより稼働開始され、同年に家庭用Neo Geo AESおよびNeo Geo CDにも移植された、SNK唯一のアメリカンフットボールゲームです。ジャンルはスポーツ(アメリカンフットボール)で、最大2人対戦に対応しています。
開発背景や技術的な挑戦
SNKは1987年の『Touch Down Fever』以来となるフットボール作品に取り組みました。MVS基板(MC68000+Z80、YM2610)を使い、11対11のフィールドを再現しつつ、アーケード向けのスピード感や演出性を優先した設計です。
プレイ体験
プレイヤーは10種類の架空チームから選択し、シーズンモードやVSモードで試合を楽しめます。ランプレイ、パスプレイ(QBスニーク、ロングパスなど)、フィールドゴール、パント、2点コンバージョンなどほぼフルルールを搭載。ただしパス操作がやや厄介で、AIがパスをインターセプトしやすく、操作面ではやや難易度が高めです。
評価と再評価
稼働当時はアーケードで一定の人気を博しましたが、グラフィックや演出に対して好意的な評価がある一方、操作性やAIに課題があるとの声も見られました。Neo Geo唯一のアメリカンフットボール作品として、近年はアーカイブ配信を通じて再評価の機会が増えています。
他ジャンル・文化への影響
アーケード版における唯一のアメリカンフットボール作品として異色ながら注目されました。その後、SNKは同ジャンルに再挑戦しておらず、本作は貴重な試みとして記憶されています。またアーケードスポーツゲームにおいて、「アメフト表現」の可能性を示した一例ともなりました。
リメイクでの進化
現代リメイクでは、操作性の改善、パス精度の向上、AIの調整、オンライン対戦モード、チーム編成機能や統計保存などが期待されます。HDグラフィックやボイス演出を加え、臨場感のあるプレイ体験に仕上げることで、現代にも通じる魅力を持たせることができるでしょう。
まとめ
『フットボールフレンジー』は、アーケードにおけるアメリカンフットボール作品としては異例の存在であり、今でも希少なゲームジャンルとして注目されています。演出面では高い完成度を見せる一方で、操作性に課題を残しつつも、挑戦的な設計は今も語り継がれるに値します。
© SNK CORPORATION 1992