ゲーム&ウォッチ版『マリオズセメントファクトリー』マリオが働く工場アクション

『マリオズセメントファクトリー(Game & Watch New Wide Screen)』は、1983年6月に任天堂が発売した携帯型LCDゲーム機「New Wide Screen」シリーズの一作品です。任天堂R&D1が開発を担当し、アクションジャンルに分類されます。プレイヤーはマリオとなってセメント工場で操作レバーやエレベーターを駆使し、生コンクリートをトラックに流し込むシンプルかつ緊張感あるゲーム展開が特徴です。

開発背景や技術的な挑戦

本作は「テーブルトップ」型と「New Wide Screen(ハンドヘルド)」型という2タイプで登場し、後者が6月発売となりました。

プレイ体験

ゲームの目的は、上下2段にあるホッパーに流れてくるセメントを、左エレベーターで一つ下に落とし、右へ移動させてトラックに注ぐことです。ホッパーが満杯になるとセメントがあふれてドライバーがノックアウトされ、エレベーターに挟まれるとゲームオーバーとなります。

初期評価と現在の再評価

当時はあまり目立ったプロモーションがなかったとされ、幻のゲームウォッチとも呼ばれています。しかし、近年は完成度と希少性からレトロゲームファンの間で高く評価されつつあります。

他ジャンル・文化への影響

本作は後に『Game & Watch Gallery』シリーズ(GB/GBA)やDSiWareで復刻され、多くの新世代に触れられています。また、工場労働というテーマで構成されたマリオの珍しい職業描写としても注目されました。

リメイクでの進化

もし現代に再リメイクするなら、セメントの流れを滑らかなアニメーションにしたカラー液晶化や、複数レーンを扱うタッチ操作、ネットワークスコアボードの搭載や、タイムアタック・チャレンジモードを追加することで、操作の緊張を維持しつつビジュアル面でも魅力を強化できるでしょう。

まとめ

New Wide Screenシリーズにおける一作ながら、設計の完成度とユニークさから高い評価を得る本作。携帯アクションゲームとしての完成度の高さ、レア作品であること、そしてマリオの多面性を示したという意味でも、ゲーム&ウォッチの歴史に特別な足跡を残しています。

攻略

プレイヤーは、セメント工場で働くマリオとなり、ベルトコンベアで運ばれてくる生コンクリートをホッパー(貯蔵タンク)へと適切に誘導し、最終的にミキサー車へと流し込む役割を担います。ゲーム画面は上下2階層に分かれており、マリオは左右のホッパー間を移動しながら、各階に設置されたエレベーターを使って階層を行き来します。ホッパーが満杯になる前にセメントを放出しないと、工場がパニックに陥り、作業が停止してしまいます。さらに、エレベーターのタイミングを誤ってマリオが挟まれてしまうとミスとなります。忙しなく移動しながら複数の作業を同時に管理する緊張感と、タイミングを読む巧みさが求められるゲームです。

©Nintendo 1983