アーケード版『クロスソード』(英題:Crossed Swords)は、1991年7月25日にSNKより稼働開始され、開発はアルファ電子工業(後のADK)が担当しました。ジャンルはアクションRPG/ハック&スラッシュで、騎士エドモンドまたはリチャードを操作して魔人ナウシズを倒すというファンタジー設定が特徴です。
開発背景や技術的な挑戦
アルファ電子は、アーケードプラットフォームで本作が4作目のタイトルでした。MVS基板(MC68000+Z80、YM2610、4096色)を活かし、ワイヤーフレームでプレイヤーの騎士を表示する独特な視点を採用し、アクションとRPGの融合を試みました。
プレイ体験
プレイヤーは剣と盾を用い、防御→攻撃の戦術で進んでいきます。7ステージ構成で、章毎に経路選択や商人による装備・アイテム購入要素があり、RPGのような成長感があります。視点はポンチョのように背後から騎士を見せる擬似1人称/3人称の中間演出で、Punch-Out!!風の緊張感を再現しています。
評価と再評価
稼働当時、Game Machine誌では10位、RePlay誌では5位と高評価を得ました。Criticsはグラフィックや魔法システムを称賛しつつ、操作の重さや敵バリエーションの少なさを指摘する声もありました。近年では、レトロ感あふれる戦闘演出と一風変わったアクションRPG体験として、再評価が進んでいます。
他ジャンル・文化への影響
本作は、Punch-Out!!風視点とハック&スラッシュを組み合わせた珍しい試みとして、後の一人称格闘系タイトルや没入型アクションRPGに影響を与えました。その後登場する類似視点作品にも先駆的存在となっています。
リメイクでの進化
現代リメイクでは、HDグラフィックの3D化、高低差のあるステージ設計、声優入りのストーリーパート、オンライン協力モード、そして装備・魔法の自由度が増すRPG的奥深さが求められるでしょう。
まとめ
『クロスソード』はアーケード黎明期において独自視点とRPG要素を融合した野心作です。操作性の重さや単調さを指摘されながらも、その世界観や緊張感ある戦闘演出は今なお魅力的で、異色ながらも記憶に残る作品です。
© SNK CORPORATION 1991